平成2028日目

平成6年7月28日(木)

1994/07/28

【社会党】自衛隊合憲、原発容認へ

社会党は28日の中央執行委員会で、9月3日の臨時党大会に提出する活動方針案「当面する政局に臨むわが党の基本姿勢」を決定、村山首相が社会党の基本政策転換を表明したのを受け、自衛隊合憲、日米安保条約堅持、日の丸・君が代と原発の容認など歴史的な政策方針を打ち出した。

基本政策をめぐって左右両派が繰り広げてきた社会党の長年の議論に終止符を打つ内容だが、党内には地方組織を中心に反対論も根強く、8月1日の地方代表者会議や党大会では激しい議論が予想される。

活動方針案は基本政策の転換の理由について、冷戦構造と55年体制の崩壊、首相を支える責任政党の立場という内外の情勢変化を指摘。

自衛隊について、軍縮に取り組む姿勢を示しながら「自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊を認め、現在の自衛隊は憲法の枠内にあるとの認識に立つ」と、「合憲」を初めて認めた。日米安保条約も「引き続き堅持する」と首相の国会答弁を追認した。

また、党の綱領的文書「新宣言」(昭和61年)がとっている「非武装・中立・非同盟路線」のうち「中立・非同盟」については、歴史的役割は終えたとして放棄した。しかし、「非武装」に関しては「党是を超える人類の究極の理想」して挙げていく姿勢をあらためて打ち出した。

日の丸・君が代への姿勢では「戦後50年を経て、国民の間に定着した」として、国旗、国歌として認めることを明確に表明。ただ国旗掲揚や国歌斉唱の強制に対しては「個人の選択を狭めることになり、賛同できないとの立場から文部省の動きを徹底的に監視する」と反対の姿勢を強調。閣僚の靖国神社公式参拝反対の姿勢も示した。

原子力発電所については、「代替エネルギー確立までの過度的エネルギー」として容認、建設中の原発や老朽原発の更新も事実上認めた。《共同通信》



【日立製作所】日立家電を吸収合併へ

日立製作所は28日、グループの家電販売部門で経営が悪化している日立家電を吸収合併する、と発表した。合併期日は来年4月1日で、合併比率などは未定。

日立家電はバブル崩壊後の家電不況や急激な円高による輸出採算の悪化により、94年3月期の営業損益が27億円の損失と2期連続の赤字を計上し、業績不振に陥っていた。

今回の合併は(1)製造と販売部門を一元化することで商品開発の迅速化を図る(2)家電にコンピューター、通信が融合したマルチメディア分野に日立家電の販売力を生かす−−ことなどを目的に決めた。《共同通信》

【警視庁】ヘアヌードに警告

警視庁保安課は28日までに、写真家加納典明さん(58)の作品を掲載した月刊ヌード写真誌「ザ・テンメイ」8月号(6月25日発売)にわいせつ図画販売の疑いがあるとして、出版元の竹書房(東京都千代田区、高橋一平社長)に警告した。

同課によると、警視庁が出版物に対し、警告・自粛要請をするのは、ヘアヌード写真集を出版した同書房など3社に昨年2月、自粛要請して以来。警告されたことで、出版物が評判となり、売れ行きが伸びることから、同課はわいせつ性が明白な出版物を摘発する以外は静観してきた。しかし8月号はヘアヌードのうち数校が女性器に焦点を合わせるなど露骨で具体的な描写が多く、わいせつの疑いがあるとして警告することにした。

「ザ・テンメイ」は昨年2月に創刊され、加納さんが掲載全写真を撮り下ろす形式で部数を伸ばしている。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は28日、東京・恩田区役所で開かれた「水の週間」記念式典に出席後、待ち受けていたタレントの松村邦洋さんに「総理、おめでとうございます」と声を掛けられた。首相は「どうも」と左手を上げてにっこり。松村さんは首相就任前に、テレビ番組で首相自慢の長いまゆ毛をはさみで切ったことがあるが、今回は警護のSPに阻まれた。「握手でもしようと思ったんだが、残念じゃった。間に人がおったんでね。我に自由を」と記者団に嘆いた首相だが、細川元首相、羽田前首相と比べて支持率が低い村山首だけに、せめてパフォーマンスの自由が欲しい?

○…自民党の森幹事長はこの日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演した。まず「私は石川県の出身です」と前置きすると、「(プロ野球)ジャイアンツの松井選手と同郷と必ず紹介されるが、順序は逆だ」とぼやき節。「これまでは(自民党が)野党でやむを得ない面もあったが、与党になったんだがら序列も変わるだろう」と語り、自民党の幹事長でありながら知名度で劣る悔しさをにじませた。さらに「これからは松井選手が(私と)同郷と紹介してもらわなければならない」と念を押しながら「自民党のスター、モリ」を特派員に売り込むことしきり。《共同通信》

【自民党・森喜朗幹事長】防衛全般を見直し

自民党の森幹事長は28日午後、東京都内で講演し、今後の防衛費の取り扱いに関連し「陸、海、空の各自衛隊の定数のバランスなど防衛の在り方全般について与党3党で話し合ってみる必要がある」と強調した。その上で世界的な軍縮の流れを背景に「社会党が自衛隊を合憲と決断した以上、自民党も従来の防衛思想を思い切って見直すことも重要なのではないか」と述べた。

これは村山首相、河野外相、武村蔵相の「ハト派連立政権」のカラーを生かした防衛政策を与党としても進める考えを示したものだ。

森氏は税制改革について「今は景気回復が大事であり、増減税一体の議論には賛成できない。消費税率のアップは国民的コンセンサスができておらず、今後の国民負担率などについて、もう少し議論を尽くすべきだ」と述べ、与党が目指している9月中旬の税改革案取りまとめに必ずしもこだわらない考えを示した。

新生党の小沢代表幹事が200人規模の新・新党結成を呼び掛けていることについては「(小沢氏が)まだ力の政治をあきらめていない表れだ」と批判した。《共同通信》

【新生党・小沢一郎代表幹事】新・新党に意欲

訪米中の小沢新生党代表幹事は28日午後(日本時間29日未明)、ワシントトンのナショナル・プレスクラブで講演、質問に答え「経済摩擦の根底には規制緩和の問題があるが、相当強いリーダーシップを持った政権でないと実現できない」と述べ、村山政権の下では規制緩和の推進は期待できず、日米包括経済協議の進展は難しいとの認識を示した。

小沢氏は規制緩和と並んで国連平和維持活動(PKO)への積極的参加を重点政策として挙げ「(日本の部隊を危険にさらすことも)政治家がきちんと説明すれば国民は理解してくれる」と、凍結中のPKF(平和維持軍)本体への参加に積極姿勢を表明。自社連立政権を「一国平和主義だ」と批判した。

小沢氏は9月中に自民党を上回る200人規模の新・新党を結成し、政権奪回を目指す考えを重ねて明らかにした。

小沢氏は冷戦後の平和秩序維持のため、米国が引き続きリーダーシップを発揮することに強い期待感を表明。「日本は率先して応分の役割と責任を引受けなければならない」と強調した。特に、規制緩和に関連して米国内に日本の官僚批判が高まっていることについては「最大の障害は官僚ではなく、日本人の意識と社会の仕組みそのものだ。政治家がきちんとした決断と見識を示すことが大事だ」と指摘した。

新・新党構想については「自民党を凌駕する第一党になる可能性は十分ある」とし、旧連立与党を中心に200人を超す同調者を想定していることを明らかにした。その上で小沢氏は「新・新党結成により、政権は間違いなく近いうちに私たちの方に戻ってくるだろう」と早期の政権奪回に強い自信を示した。

小沢氏は講演に立ち、ホワイトハウスにゴア副大統領を表敬訪問した。《共同通信》



7月28日のできごと