平成1348日目
1992/09/16
この日のできごと(何の日)
【毛利衛さん】宇宙授業
スペースシャトル「エンデバー」で宇宙飛行中の毛利衛さん(44)は米中部夏時間16日朝(日本時間同日夜)、シャトルで初の本格的な「宇宙授業」をし、興味深い実験を見せながら日本や米国の子供たちに30分間日本語で語りかけた。無重量下で紙飛行機がどう飛ぶか、人間の体つきの変化など不思議な現象を紹介し、宇宙から見た地球の印象を「温かい感じがする。青々としている」と表現した。
宇宙授業は、シャトルと北海道余市町にある毛利さんの母校・黒川小学校、東京のNHKスタジオの3か所を衛星回線で結んで行われた。クイズ形式で進められ、地上の両教室に集まった約50人の小学生の質問にも答えた。
無重量下での紙飛行機実験は、カーブを描きながら上昇し、バランスを崩したため反転し、船内をフワフワと漂った。テレビにくぎ付けになった子供たちに毛利さんは「10年、20年したらもっと宇宙が近くなる。その時に活躍するのは、皆さんです」と激励した。
また、米航空宇宙局はエンデバーの帰還を、当初の予定の19日午前(日本時間同日午後)から一日延期すると発表した。《読売新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【大相撲秋場所】4日目
大相撲秋場所4日目(16日・両国国技館)貴花田は久島海に完勝したが、水戸泉は豊ノ海を攻め切れず、巴富士も敗れたため、勝ちっ放しは貴花田一人になった。曙は四つ相撲で琴の若を退け、霧島は貴闘力をうまくさばいたが、小錦は苦手の琴錦の引き技に屈して早くも2敗となった。《読売新聞》
【英国】金利5%上げ
イングランド銀行(英中央銀行)は16日、独マルクに対して下落が止まらない英ポンドを防衛するため、最低貸出金利(日本の公定歩合に相当)を二度にわたって計5%と大幅に引き上げ、年15%にすると発表した。同日午前に引き上げた2%は即日実施、午後の3%は17日から実施する。イギリスの金利引き締めは89年10月以来ほぼ3年ぶり。一日に2度の引き上げは極めて異例である。
しかし、欧州為替市場では、他の欧州通貨に対しマルク高が続いており、ドイツの第二次公定歩合下げ観測が急浮上する一方、欧州通貨制度(EMS)の本格調整は避けられない、などの見方が強まっている。
通貨安定を目指す19日からの先進7か国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)では、協議次第では、日米の金融・為替政策に影響がありそうだ。《読売新聞》
【三菱自動車】ベンツにエンジン供給へ
三菱自動車工業は16日、ドイツのメルセデス・ベンツが1995年発売予定の小型商用車に、新型のディーゼルエンジンを開発、供給する計画を明らかにした。小型商用車の共同開発は、87年に両社が包括的な事業提携に基本合意したときから、具体的な検討課題に挙げられていた。《共同通信》
【連合・山岸章会長】憲法改正論議に意欲
連合の山岸章会長は16日、青森県三沢市で開かれた鉄鋼労連大会であいさつし、「憲法をポスト冷戦の社会状況に対応した方向に改善するという論議を大いにたたかわせた方がいい」と述べ、9条を含めた憲法論議に積極的な姿勢を明らかにした。さらに、山岸氏は連合内部で先送りされている自衛隊の憲法論議について、来年10月の第3回連合定期大会に向けて議論を集約していく方針も示した。
山岸氏はこれまで、「憲法改悪につながるおそれがある」として、憲法論議に慎重だった。しかし持論とする新政治勢力の結集のためには、憲法問題も含めた国の基本政策に関する論議は避けて通れないとの判断から、方針を転換したものと見られ、今後、社会党にも影響を及ぼしそうだ。
これに関連して、鉄鋼労連の鷲尾悦也委員長も「国民感情を十分に配慮し、世界と日本の現状に合った憲法改正論議が当然あって良い」と述べた。《読売新聞》
【宮澤喜一首相】自民党・綿貫幹事長と会談
宮澤首相は16日の政府、自民党連絡会議後、首相官邸で自民党の綿貫幹事長と会談し、臨時国会の日程や政治改革の今後の進め方について協議した。
綿貫氏は「野党も早く臨時国会を開けと言っている。経済対策からいってもできるだけ早く予算編成をする必要がある」との認識を表明。これに対し首相は「召集は景気対策からみて急いだ方が良いが、税収の確定の問題があるのでまだ時間がかかる」と述べた。《共同通信》
【宮澤喜一首相】対ロ政策見直さず
宮澤首相は16日午後、首相官邸で渡辺美智雄外相と会い、今月下旬、国連総会出席の際に予定される日ロ外相会談への対応について協議した。この結果、基本的に対ロ政策の見直しは行わず、領土問題の進展に合わせて経済協力も拡大していく拡大均衡政策を堅持する方針を確認した。
これに関連し、加藤紘一官房長官は同日の記者会見で、自民党内でロシア側への批判が強まり、拡大均衡もやめるべきだとの声が出ていることについて、「各方面の世論をわきまえて国論が分裂しないよう努力したい。拡大均衡論は、ロシア側で一歩前進すれば、わが方もほかの分野で一歩前進していこうという話であるので、拡大均衡論の本質を一生懸命説明しながら、党側にも理解してもらう」と述べた。《読売新聞》
【東京都】「エイズ対策室」設置へ
東京都は16日、全国の自治体で初の「エイズ対策室」を来月1日付で設置するとともに、保健所の抗体検査を11月中旬から1か月間無料化するなどのエイズ対策緊急事業を実施する方針を決めた。
エイズ対策室は、これまで対策を担当していた結核感染症課から新たな課相当の部署として独立、室長以下総勢6人の体制で感染防止のPRや、患者・感染者の診療体制の整備、相談事業などに当たる。
抗体検査の無料化は、来年度から実施予定の国に先がけた試み。現在、1人当たり1600円かかる抗体検査を、都が初めて実施するPRイベント「エイズ予防月間」(11月16日—12
月15日)の期間中に限り、都内73か所の保健所で無料とする。都は、希望者の総数を3000人前後と予想している。普及啓発の強化策としては、10月中旬以降に、テレビの民放5局で感染防止を呼びかけるCMを流すほか、外国人向けに「エイズテレホンサービス」の英語版、タイ語版を新設。少年対策としては、都内のすべての高校三年生にエイズの基礎知識をまとめたパンフレットを配布し、学校ごとに指導を求める。
また、「都職員自らが正しい知識普及の担い手に」と、年度内に都衛生局の職員4000人を対象に研修を実施し、来年度以降、都の全職員に広げていく。
都内のエイズ患者・感染者の届け出数は、6月末現在で287人。地方への感染者拡大で比率はやや低下したが、いぜん全国の4割弱を占めている。《読売新聞》