平成1286日目
1992/07/16
この日のできごと(何の日)
【広島・北別府学投手】通算200勝達成
広島5−1中日◇16日◇ナゴヤ
北別府が8回を6安打の好投で10勝目を挙げ、通算200勝を達成した。
北別府は二回無死一、二塁のピンチを三重殺で切り抜けると波に乗った。九回、大野にマウンドを譲るまで、3回以降は本来の制球の良さを取り戻し、切れのあるスライダーを有効に使った。失点は五回、大豊に浴びた本塁打による1点のみに抑えた。
打線は四回にブラウンのソロ本塁打で先制。同点の六回には一死から四球を挟む4長短打などで4点挙げ、北別府を後押しした。《共同通信》
◇
その瞬間をマウンドで迎えることができなかったからか、北別府はゲームセットを少しはにかんだような表情で迎えた。ナインの祝福を受け、ようやく200もの勝ち星を重ねた実感がこもった、さわやかな笑顔に変わった。
この夜も持ち前の粘りを見せた。初回は無死一塁のピンチを併殺で、二回は無死一、二塁で三重殺。「ツイてる。これで行けそうだ」。女神を味方につけたような投球で自信を深めた。打線も援護し、九回に大野にマウンドを譲ったがしぶとい投球が光った。
道のりは平たんではなかった。二年目からローテーションに入ったが5勝どまり。敗戦の中で制球の大切さを学び、年を追うごとに速球派からシュートとスライダーの微妙な制球で勝負する技巧派に変身した。
一昨年に右ひじを痛めて投球はおろか、歯も磨けないほどの危機を迎えたが、持ち前の精神力で克服し、昨年は三年ぶりに二ケタ勝利をあげ「限界説」を吹き飛ばした。
入団三年目の巨人戦初勝利が思い出の1勝だという。五回の満塁のピンチに王をカーブで打ち取り初完封。「直球なら打たれる」と、そのとき中堅を守っていた山本監督は思ったが、冷静な投球で切り抜けた北別府に、大投手となる予感がしたという。繊細かつ大胆。大記録を達成できたのは、このころから持ち続けた「投球術」の裏付けも無視できない。
「200勝は1勝1勝を大事にした結果。次は数字ではなく、1試合ずつを大切にする。チームのためにも」。後半戦は今季のもう一つの目標である優勝に気持ちを切り替え、再び挑戦を続ける。《読売新聞》
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【山田哲人さん】誕生日
【大相撲名古屋場所】12日目
大相撲名古屋場所12日目(16日・愛知県体育館)水戸泉が旭道山を破って2敗を守り、三たび単独トップに立った。水戸泉と並んでいた小錦は、貴花田の引き技に足が出ず、安芸ノ島も武蔵丸に苦杯を喫し、ともに3敗で自力優勝はなくなった。霧島は貴闘力に逆転勝ち。幕下では元高校教師の成松が勝ち越した。《読売新聞》
【 JR西日本】681系第一編成を公開
JR西日本が開発を進めていた湖西線、北陸本線用の新型車両「HS雷鳥」が完成、16日公開された。時速160キロでの走行が可能で、北陸新幹線を暫定的に走るスーパー特急の原型車両となる。北陸線に新型車両が投入されるのは約17年ぶり。《福井新聞》
【日本電気】表記を「NEC」に統一
日本電気は16日、登記上の社名「日本電気」は従来通り用いるが、日常の呼称、表記を「NEC」に統一する、と発表した。関係会社の名称についても登記社名とは別に、「日本電気」の部分を「NEC」の呼び名に替え、対外的にPRしていく。《共同通信》
【自民党・佐藤総務会長】天皇訪中に前向き
自民党の佐藤総務会長は16日、参院選遊説で訪れた松山市の松山空港で記者会見し、天皇陛下の訪中問題について「選挙終了後、党の機関で率直な意見を聞きながら対応したい。私自身、天皇訪中に反対ではない。総務会で賛否を問う問題ではないが、大方の賛同を得るようにしたい。歓迎、祝福される形で実現させたい」と述べ、参院選後に、今秋の訪中実現に向けて党内調整を進める考えを明らかにした。同党首脳が公式に、天皇訪中に前向きの姿勢を表明したのは初めて。
政府は、すでに、10月に天皇陛下の訪中を実現させる方針を固め、来月初めにも正式決定することにしているが、これまで、党総務の意見聴取などを通じて慎重な考えを示していた佐藤氏が、前向きの姿勢に転じたことから、参院選後の党内調整に弾みがつくものとみられる。《読売新聞》
【公明党・市川書記長】「中道勢力」結集を
公明党の市川書記長は16日、神戸市内で記者会見し、参院選後の政局への対応について、外交・防衛など基本政策に関する大枠の一致を前提に、将来の統一会派を視野に入れた参院での新しい政治勢力の構築をめざす方針を表明した。また、新勢力の構成については、とくに民社党と日本新党に結集を呼びかけるほか、「社会党や連合参院、さらに保守系の中からも個人的な参加を期待したい」と述べ、公民両党を軸とした幅広いゆるやかな新中道勢力とする考えを明らかにした。自民党との連立政権の可能性は明確に否定した。
公明党首脳が参院での新政「治勢力結集に乗り出す方針を打ち出したのは初めて。市川氏は、社会党の田辺委員長が提案している「共産党を除く野党各党による統一会派」構想について、「国の基本政策への考え方が正反対の政治勢力が統一会派を組むのは、政治の混乱を招くだけだ」と批判。「参院選後、公明党を中心に『参院から日本の政治を変える会』といった名称で、新たな政治勢力を結集したい」と述べた。
さらにこの政治勢力の性格について、市川氏は「会派というより、参院での与野党逆転状況をテコに政治の改革を目指すゆるやかな政治勢力であり、軌道に乗れば統一会派にもなりうる」と説明した。
市川氏のこの発言は、社会党の田辺委員長の「統一会派」構想や連合内部で浮上している「連合新党」論に対し、公明党としての対案を提示することで、参院選後の統一会派問題や政局運営の主導権を確保したいとの思惑があるものとみられる。《読売新聞》
【自民党・金丸信副総裁】公民との連立に消極姿勢
自民党の金丸副総裁は16日、参院選遊説先の長崎市内で講演、野党との協力関係について、「(参院選で)社会党に一票入れるより、公明、民社両党に入れた方がましだが、かといって公民両党も日本を担いでいく政党ではない。野党のどの政党にもまかせられないのが現状だ」と述べ、公民両党との連立に消極的な姿勢を示した。《読売新聞》
【米大統領選】ペロー氏、出馬を断念
米大統領選に独立候補として立候補準備を進めていたテキサス州の富豪ロス・ペロー氏(62)は16日午前10時(日本時間17日午前0時)、同州ダラスの選挙本部で立候補断念を発表した。ペロー氏は、辞退の理由を「大統領選で勝利する見込みがなくなった」以上、米国の政治プロセスに混乱を与えることは好ましくないためとしている。これにより、大統領選は共和党現職のジョージ・ブッシュ大統領と民主党のビル・クリントン候補(アーカンソー州知事)の間で争われることが確定したが、ペロー氏不出馬はプッシュ大統領に有利に働くと見られている。《読売新聞》
【米大統領選】クリントン氏、指名受諾演説
民主党全国大会は最終日の16日夜(日本時間17日朝)アル・ゴア上院議員(44)を副大統領候補に正式指名し、ビル・クリントン・アーカンソー州知事(45)が大統領候補指名受諾演説を行った。クリントン氏はこの中で、米国を再活性化させるため「国民と政府の責任分担」をうたう「新しい契約」を訴えた。
米大統領選はロス・ペロー氏の不出馬で民主、共和両党の対決になるが、クリントン氏は「米国再生のため、ともに闘おう」と呼びかけ、ペロー支持層獲得に強い意欲を示した。
大会はこれで閉幕、両候補は17日から遊説を開始し、本格的な選挙戦の火ぶたを切る。《読売新聞》
【スペースシャトル、ミール】乗り入れに合意
米航空宇宙局(NASA)のゴールディン長官とロシア宇宙庁のコプチェフ長官は16日、モスクワで記者会見し、米国のスペースシャトルとロシアの宇宙ステーション「ミール」に双方の宇宙飛行士が相互乗り入れするなどの宇宙協力に合意したと発表した。
計画によると、93年10月に予定しているシャトル飛行にロシアの飛行士が数回参加する。さらに、94年か95年には米国の飛行士が「ミール」に3、4か月滞在し、実験をする。また、95年までにはシャトルと「ミール」をドッキングさせ、相互に訪問するという。
この計画は昨年7月の米ソ首脳会談で提案されたものの、ソ連崩壊のために棚ざらしになっていた。しかし、先月、米国を訪問したエリツィン・ロシア大統領とブッシュ米大統領が再合一意し、夢の計画が実現することが決まった。《読売新聞》
【ペルー・リマ】爆弾テロで18人死亡
ペルーの首都リマの繁華街で16日夜(日本時間17日昼)、反政府ゲリラ「センデロ・ルミノソ(輝く道)」によるものとみられる大規模な爆弾テロが発生、少なくとも18人が死亡し約200人が負傷した。また、同時刻ごろ、機関銃、爆弾で武装した合計約100人のセンデロと一みられるゲリラが同市内及び周辺の警察署、市役所、病院、高圧鉄塔など多数の目標を同時襲撃した。日本人の被害者はいない模様。爆弾の破壊力や襲撃の規模から、センデロが80年に武装闘争を開始して以来、最悪の集中テロとなった。
センデロはこれまで反対者に狙いを定めた暗殺などのテロを繰り返していたが、フジモリ大統領が4月に強権措置を発動してからは、これまでにない破壊力の爆弾を使った都市無差別爆弾テロに戦術を転換、先月だけでも約20人の犠牲者を出していた。犯行声明は出ていない。しかし、今回の集中テロは、約百人もの武装ゲリラが、周到な計画に従って都市内で行動したもので、センデロが実力を誇示したとみられる。
政府は5、6月の連続爆弾テロ以降、午後10時から夜間車両通行禁止令を出していた。だが、爆弾はその約1時間前に爆発した。
センデロは例年、同国独立記念日(7月28日)に向けてテロ活動を活発化させており、今回のテロはその始まりとの見方もある。昨年は、国際協力事業団(JICA)派遣員2人の暗殺事件などがこの時期に発生している。《読売新聞》