平成1244日目
1992/06/04
この日のできごと(何の日)
【連合】自衛隊、安保を容認
連合(山岸章会長)は4日、仙台市で開いた中央委員会で、国の基本政策について、①自衛隊は憲法判断を先送りしたうえで容認する②日米安保条約を容認する③国連平和維持活動(PKO)に派遣する自衛隊員の身分は「休職・出向」とする―などを柱とした政治方針を全会一致で正式決定した。この政治方針は先月15、16日開かれた連合三役会議でまとめたもの。
この日の中央委員会では、山田精吾事務局長が、政治方針を報告。PKO問題について、「併任」「退職」の異論があったものの、連合内部の最大公約数として「休職・出向」で合意形成を図ったと説明した。
これに対し、出席者の一部から、「休職・出向としたことは承認できない」との反論があったが、「加盟労組の独自の主張を容認する」ことを条件に、原案通り政治方針を承認した。
また、中央委員会では7月の参院選で、連合候補として新たに擁立が決まった島根選挙区の雑誌編集者、帯刀妙子さん(49)の推薦を決めた。《読売新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【宮澤喜一首相】自公民による解散約束はない
宮澤首相は4日午前の参院国際平和特別委で、国連平和維持活動(PKO)協力法案と衆院の解散問題の関連について「法案の処理と解散について約束があったということはない」と述べ、同法案をめぐって自民党と公明、民社両党間に合意があるとの指摘を否定した。社会党の細谷昭雄氏への答弁。《共同通信》
【参院特別委】PKO採択ずれ込む
国際平和維持活動(PKO)協力法案は4日夜、自民、公明、民社3党が参院国際平和協力特別委員会の質疑終了を待って採決に入る方針で臨んだが、社会党の強い抵抗にあって土壇場で審議が長時間中断し、採決入りが大幅に遅れた。自民党はぎりぎりの選択を迫られており、国会は緊迫した重大な局面が続いた。
自公民3党が法案採決を強行すれば社会、共産、連合参議院は5日以降、全審議をボイコットするとみられ、自公民3党が予定していた5日の参院本会議開会は難しい情勢となり、PKO法案の今週中の参院通過をはじめ今国会中の成立などの日程にも大きく影響を及ぼしそうだ。《共同通信》
【京都府警】組員をやめたい人向け電話相談を開設
京都府警暴力団対策一課は4日、暴力団を抜けようとしている組員らからの相談を受け付ける専用電話「かけこみホットライン」を開設した。
ホットラインは、組員の離脱を促し、暴力団組織の弱体化を図るのが目的。家族らの相談を24時間体制で受け付けるとともに、今後、財団法人京都府暴力団追放運動推進センターと協力して離脱者への職業あっせんなどを進めることにしている。《共同通信》
【竹下登元首相】地球サミットでスピーチ
ブラジル・リオデジャネイロで「開会中の国連環境開発会議(地球サミット)の賢人特別会合が、4日午前(日本時間同日夜)過ぎから地球サミット会場で開かれた。冒頭、4月に東京で開かれた地球環境賢人会議で名誉議長を務めた竹下元首相がスピーチ、地球環境保全のための資金問題について、日本が応分の貢献を行うため、新たな基金創設や環境税の導入などを含む財源問題を検討するとともに、竹下氏自身がその実現に向け積極的に努力する考えを表明した。
スピーチで竹下氏は、地球環境保全問題について、「人類はまさに、生存か破滅かを決する歴史の分岐点に立っている」と指摘し、「(地球環境が)取り返しのつかない崩壊に至る前に、新たな発想に立った地球規模の『環境倫理』を早急に確立し、思い切った対策を講じなければならない」と述べた。そのうえで、①「環境と開発の両立」への努力②先進国と開発途上国を共通の問題意識で結んだ「地球規模の新たなパートナーシップの形成」③個々人が環境を守るために身近にできる。ことを行う「一人一人の力の結集」の三点—を強調。
特に、地球規模のパートナーシップ形成については「地球環境破壊の多くが先進国の活動から引き起こされたことから、まず先進国側のコミットメントがなければパートナーシップの端緒を開くことができない」と述べ、先進国の役割の重要性を訴えた。同時に竹下氏は「途上国の経済が持結可能な成長の軌道に乗れるか否かを最終的に決めるのは、途上国自身の行動だ」として、人口問題への取り組みなど、途上国の自助努力を要請した。《読売新聞》
【自民党・金丸信副総裁】米・ブッシュ大統領と会談
訪米中の自民党の金丸副総裁は四日夕(日本時間五日未明)、ワシントンのホワイトハウスで、ブッシュ米大統領と約50分間会談した。金丸氏は日本経済の減速に対応し、内需を拡大させるため、あらゆる努力を払う考えを表明した。また、対ロシアの北方領土返還交渉について、金丸氏が米国の側面支援を要請したのに対し、ブッシュ大統領は、ロシア側を説得する意向を示した。
会談では、まず日米両国が安保体制を基軸に今後も手を携え、関係強化を図ることを確認。金丸氏は「日本は公共投資の拡大、前倒しなどで、内需拡大のため努力しているが、今後とも内需中心の成長を達成するため、あらゆる努力を払う所存だ」と述べた。直接、補正予算には言及しなかったが、大型で公共事業中心の補正予算を組むことを念頭に置いたものと受け取られている。これに対し、ブッシュ大統領は「大変心強く思う。米国経済も上向いており、勇気付けられる」と期待感を示した。
北方領土返還問題では、金丸氏が「北方四島返還は日本国民の悲願だ。米国の支援をよろしくお願いしたい」と、今月16、17日に行われるロシアのエリツィン大統領との米ロ首脳会談、7月6−8日の先進国首脳会議(ミュンヘン・サミット)でも取り上げるよう、米側の協力を要請した。新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)については、大統領が「早期妥結が重要だ」と強調。金丸氏も同調したうえで、「日本にもいろいろ国内事情があるが、最善の努力を果たしたい」と述べた。具体的にコメの市場開放問題は議論の対象にならなかったという。
会談には、自民党の小沢一郎・元幹事長、伊吹文明副幹事長、また、米側から、マイケル・アマコスト駐日米大使、リチャード・ソロモン国務次官補らが同席した。《読売新聞》
【NATO軍】「域外派遣」で合意
北大西洋条約機構(NAT0)は4日、オスロで外相会議を開き、NATO軍が域外での平和維持活動に参加することで合意した。しかし、参加は、全欧安保協力会議(CSCE)の要請に基づくとし、案件ごとに協議したうえで人的、物的資産と専門的知識を提供するという条件をつけた。
この決定により、NATOは、1949年の創設後初めて、域外派兵を禁じた条約の枠を一歩踏み出し、冷戦終結後の地域紛争への対応を具体的に視界に入れた組織へと質的な変容を遂げることになる。
会議終了後、発表された共同声明は、軍事機能を持たないCSCEを「安全保障、民主主義、人権、経済的自由を追求する主要な組織」と位置づけ、これまでに拡充してきた安保機能を、さらに強化するため、NATOとして、平和維持活動に可能な限りの協力を行うとしている。具体的な協力の内容として、ウェルナー事務総長は、これまでに、「あくまでも、紛争終結後、兵力引き離しなどの面で協力することにとどめ、戦闘には巻き込まれない。当面、ユーゴスラビアなど特定の紛争は、想定の対象としない。派遣も加盟国の全会一致の賛成が必要」との方針を明らかにしている。
また、独仏合同軍創設などの最近の欧州側の動きについて声明は、欧州が独自に安保構想を検討することは支持しながらも、あくまでも「NATOの集団的安全保障の下で」との条件をわざわざ明記し、一定のクギを刺した。今会議では派遣決定の具体的手順は事務局で引き続き協議する形で結論を先送りした。《読売新聞》