平成1215日目

平成4年5月6日(水)

1992/05/06

【東海道新幹線】最新鋭「300系」4時間立ち往生

名古屋市内の東海道新幹線上り線で6日午後、3月に次世代新幹線として登場した最新鋭の「のぞみ」と同じ300系車両を使った「ひかり238号」が、故障のため、4時間にわたり立ち往生した。後続の列車を含めた乗客計2200人を下り列車に乗り換えさせたが、運休48本を含め上下139本、計15万人の利用客に影響が出た。

同日午後1時15分ごろ、東海道新幹線の新大阪発東京行き「ひかり238号」(16両編成)が名古屋—三河安城間を時速190キロで走行中、同市緑区で緊急ブレーキが作動して停車した。同列車はブレーキを解除できないまま動けなくなったため、午後3時前、現場の反対車線に下り「ひかり235号」を緊急停車させ、渡り板を使って、乗客1100人を救出、約1.5キロ後ろに止まった後続の広島発東京行き「ひかり80号」の乗客1100人も下りの「こだま427号」に移し、名古屋駅まで運んだ。

発生から4時間後の午後5時前、JR東海浜松工場などから社員が到着し、点検後、午後5時10分ようやく自力で動けるようになり、とりあえず三河安城駅まで運転。完全に不通となっていた上り線は同6時に5時間ぶりに運転再開した。しかし、ダイヤの乱れは終日続き、東海道新幹線の遅れは最高4時間50分にもなったほか、山陽新幹線では新大阪発の下り列車を臨時運転した。

JR東海は同日午後2時20分、新幹線鉄道事業本部(東京)に対策本部を設置して原因を調べているが、6号車の連結部にあるブレーキを作動させるゴムのブレーキホースが破れ、空気が漏れていた。

また7号車床下にあるモーターから車輪に動力を伝える鉄製の継ぎ手(直径20センチ、長さ20センチ、重さ10キロ)がブタとともに脱落し、停車位置の約2キロ手前の線路に落ちているのが見つかった。同社では、脱落した継ぎ手などが車体の下を転がった末、ホースを直撃して切断、緊急ブレーキが作動したと見ている。

落ちたフタの破片はスレート製の防音壁(厚さ16センチ)を突き破って、沿線の民家の屋根を直撃していた。

「ひかり238号」はJR東海が3月から「のぞみ」に投入した300系と呼ばれる新型車両を使用。同列車は午前六時東京発の「のぞみ301号」として運転され、新大阪から「ひかり」として東京へ折り返してくる途中だった。

300系は3月14日の運行開始後、7日目の20日に、米原—岐阜羽島間でモーターの制御システムの設定ミスにより、加速できなくなり、緊急停止するトラブルを起こしている。《読売新聞》



【サッカー・宇佐美貴史さん】誕生日

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【宮沢喜一首相】党の協力を要請

宮沢首相は6日の政府、自民党首脳会議で「国会も再開される。PKO協力法案、政治改革について両院で取り組んでいただいているが、よろしく(お願いする)」と述べ、7日から本格化する国会審議に党側の協力を要請した。

この中で、首相は衆院の定数是正問題について、「いずれ自分の考えも申し上げたいと思っている」と、最終的に首相自らが決断して取り組んでいく意向を改めて示した。

これに対し、綿貫幹事長は「いよいよ審議が本格化するが、手分けして参院でPKO法案、衆院で定数是正と頑張りたい」との決意を示した。《共同通信》

【公明党・石田幸四郎委員長】自衛隊の後方支援を容認

タイ訪問中の公明党の石田委員長は6日夕、バンコク市内のホテルで、現地紙「バンコク・ポスト」のインタビューに応じ、PKO協力法案におけるPKFの参加凍結の範囲に関連して、医療、輸送などPKF後方支援での自衛隊の活用は容認されるべきだとの見解を表明した。

公明党首脳がPKF凍結の範囲について具体的に言及したのは初めて。同時に、石田氏はこの分野での自衛隊の派遣は、「今国会中に法案が成立すれば、訓練など3カ月程度の時間が必要で、秋も深まるころだろう」との見通しを明らかにした。

石田氏は「PKF本体はまだ出せないが、後方支援の面での自衛隊の活用を考える必要がある」と強調し、「後方支援は軍事活動とは言えない。容認されるべきだ」として、具体的に医療、通信、輸送、復旧などの分野を挙げた。《共同通信》

【渡辺美智雄外相】北方領土「過度な期待困る」

渡辺美智雄外相は6日、衆院外務委員会で、今回のロシア訪問による北方領土問題の進展について「着実に前進している」と評価しながらも、「40年間動かなかった問題なのだから半年や一年で解決というわけにはいかない。過剰な期待は困る」と述べ、問題解決まではなお時間がかかるとの見通しを重ねて示した。

また、外相はいわゆる政経不可分論について「一つの考え方だがそれでは歩み寄りがない。ロシアがもとのソ連に逆もどりしたのでは世界平和のためにもよくないので、(ロシアが)苦しい立場を切り抜けられるよう支えてあげなければならない」と述べ、民主化、市場経済化へ向けての経済援助は進めていく考えを改めて示した。上原康助氏(社会)の質問に答えた。《読売新聞》

【竹下登元首相】中国・江沢民総書記と会談

中国訪問中の竹下元首相は6日夕(日本時間同)、北京市内の人民大会堂で江沢民・共産党総書記と約25分間会談した。この中で竹下氏は、環境問題に触れ、「(8日に北京で起工式が行われる)日中友好環境保全センターが、将来の中国の公害対策に有益となることを期待する。これを通じ、二国間だけでなく、地球規模の環境対策につながることを期待する」と述べ、同センターを中心に、今後の中国の環境、公害対策に協力する姿勢を強調した。

また、竹下氏は、大連工業団地への日本企業進出を「奨励することを約束、(同団地では)公害問題を十分念頭に置きたい」と述べた。《読売新聞》

【自民党・小沢一郎元幹事長】PKO法案「自公民で成立の公算」

自民党の小沢一郎・元幹事長(竹下派会長代行)は6日午後(日本時間同)、香港市内のホテルで同行記者団と懇談し、当面の政治課題や政局の展望について見解を明らかにした。

この中で、小沢氏は終盤国会の最大の焦点となっている国連平和維持活動(PKO)協力法案について「公明党、民社党が(事前承認などをめぐり)かなり歩み寄っているから、成立する可能性が出てきた」と述べ、自民、公明、民社の3党で今国会成立の公算が大きくなっているとの見方を示した。

これに関連して、小沢氏は社会党が提唱しているカンボジア問題に限っての時限立法や「非軍事・民生・文民」の原則については、「自衛隊を活用するかどうかというポイントがあいまいで、論議にならない。そこをハッキリとすべきだ」と批判した。

また、小沢氏は衆参同日選の可能性について「衆院を解散する理由は乏しい。同日選となれば、なおさら大義名分がいる」と否定的な見解を表明。その上で、小沢氏は夏の参院選の勝敗ラインとして改選議席の過半数の「64議席」をあげ、「過半数をとれば政権「うんぬんということにはならない」と述べた。

ただ、小沢氏は同時に、「政治改革など重要な政治課題が遂行できない状態、つまり政権が機能しない状態になれば政局(流動化)に発展する可能性がある」と述べ、参院選後の政局が不安定になる場合もあり得るとの考えを示唆した。

さらに、小沢氏は、衆院定数是正問題について「四増四減は当たり前だ。もし首相が自分の考えを打ち出して協力を求めるなら、それに従う」と述べ、首相が「四増四減」以上の定数是正を行うことを決断すれば、これを支援する考えを明らかにした。《読売新聞》

【毛利衛さん、向井千秋さん、土井隆雄さん】宮沢首相を表敬訪問

日本人宇宙飛行士として9月にも米国のスペースシャトル「エンデバー(努力の意味)」に乗り込む毛利衛さん(44)が、宇宙から首相官邸の宮沢首相と交信する見通しになった。

6日午後、訓練中の毛利さん、向井千秋さん(44)、土井隆雄さん(37)の3人が官邸に首相を表敬訪問した際、同席した山野正登宇宙開発事業団理事長が、計画を直接首相に説明する形で明らかにした。

これに対し、首相は「楽しみにしています。ぜひとも元気で頑張って下さい」と激励した。毛利さんと首相との交信計画は8月中に正式決定するが、通常英語で行われている宇宙との交信は首相との交信が実施される場合は、特に日本語になるという。

一方、これに先立ち毛利さんは同僚の米国人飛行士らと記者会見し、初飛行にのぞむ抱負を語った。「エンデバー」の搭乗員と支援要員10人全員が日本で顔をそろえたのは、これが初めて。

一行を代表し、R・ギブソン船長が「日本国内でのきめ細かい実験準備状況を視察し、深い感銘を受けた。本番はきっとうまくいくだろう」とあいさつした。

打ち上げ前最後の里帰りとなる毛利さんは「胸をわくわくさせながら訓練を続けている。スタッフも実験装置もずいぶん待たされたが、どちらも順調だ」と自信に満ちた表情だった。《読売新聞》

【ゴルバチョフ元ソ連大統領】米で講演

訪米中のゴルバチョフ元ソ連大統領は6日、第二次大戦直後にウィンストン・チャーチルが有名な「鉄のカーテン」演説で冷戦到来を告げたゆかりの地、ミズーリ州のフルトンで冷戦終了を記念する演説を行い、日本、ドイツその他の国連安保理常任理事国就任など、国連の拡大強化を呼びかけた。

ゴルバチョフ元大統領は、「特定の国家や国家グループが国際舞台を独占できるとの考えはもう通用しない。世界共同体のすべてのメンバーが参加する地球政府と言ったものが必要だとの認識が広がっている」として集団行動のための手段を求めなければならないと強調。①現在核兵器を保有しているすべての国が、核兵器削減・廃棄手順を定める協定を結ぶ②国際原子力機関(IAEA)を強化し、国連の主宰で、著しく危険な原子力発電施設の整理、近代化の費用をまかなう強力な国際借款団を創設する―など広範な提案を行った。

そして、国連憲章の敵国条項を直ちに削除して、日本、ドイツ、インド、さらにはイタリア、インドネシア、ポーランド、メキシコなどの諸国を安保理常任理事国にすること、国連平和維持軍をより多く、効果的なものにすることなどを呼びかけて、演説を締めくくった。

故チャーチル英元首相は、1946年3月、フルトンで演説、できたばかりの国連に、(世界の)平和と進歩を守るよう訴えている。《読売新聞》

【マレーネ・ディートリヒさん】死去

「嘆きの天使」「モロッコ」などの映画に主演、妖艶な魅力で一世を風廊したドイツ出身の米女優、マレーネ・ディートリヒさんが6日午後、パリの自宅で死去した、と孫のピエール・リバさんが明らかにした。死因は明らかにされていない。ベルリン生まれで、90歳だった。

ディートリヒさんは女優としてばかりでなく歌手としても活躍、特に第二次大戦中歌った「リリー・マルレーン」は戦闘中のドイツ軍兵士の間でも愛唱され、その士気をそいだという伝説が残されている。

ディートリヒさんの名声を一挙に高めたのはジョゼフ・フォン・スタンバーグ監督のドイツ映画「嘆きの天使」(1930年)。ディートリヒさんがシルクハット姿のキャバレーの踊り子役として見せたその美しい肢体は、“100万ドルの脚線美”として世界の映画ファンの心を奪い、アメリカ進出のきっかけとなった。

同作品は、欧州文化の中心地としてのベルリンを象徴する作品で、ヒトラーが政権を掌握する直前に封切られた。その後、ヒトラーは、この作品を気に入り、1937年、すでにハリウッドに招かれてドイツを去っていたディートリヒさんを第三帝国のスターとして迎え入れようとした。しかし、ディートリヒさんがこれに応じなかったため、逆上したヒトラーはドイツにある同作品のプリント、ネガすべてを焼却した。

1939年に米国籍を得たディートリヒさんは、第二次世界大戦中に一貫してナチズムに反対し、戦場の兵士たちのために歌い続けた「リリー・マルレーン」は、反ナチ活動のシンボルでもある。

スタンバーク監督は、その後も「モロッコ」「上海特急」「間諜X27」などの作品でディートリヒさんのけだるさを漂わせた退廃的魅力を引き出すのに成功した。1970年、大阪万博のゲストとして来日、日本人ファンの熱い歓迎を受けた。

報道によると、ディートリヒさんはこのところ心臓障害のため、ベッドで寝たきりになっていた。

第二次世界大戦後も、ビリー・ワイルダー監督の「情婦」(58年)などに出演。78年に旧西ドイツ映画「ジャスト・ア・ジゴロ」に出演したのが、最後の映画となった。《読売新聞》



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