平成1210日目

平成4年5月1日(金)

1992/05/01

【ロサンゼルス暴動】沈静化

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黒人青年を集団暴行した白人警察官への無罪評決に端を発した米暴動は、30日夜から1日未明にかけ、これまでのロサンゼルス市、サンフランシスコ市、アトランタ市(ジョージア州)の3都市から新たにラスベガス市(ネバダ州)にも飛び火した。ウィルソン・カリフォルニア州知事は30日夜、急きょロス入り、連邦軍の派遣を要請した。

これを受け、ブッシュ大統領は1日、4000人の連邦軍の待機出動命令を出し、ロサンゼルス地域に投入する態勢を整えることを決め、西部の一都市で発生した暴動が、ついに連邦政府レベルに直接的な影響を及ぼす事態となった。

この決定に先立ちブッシュ大統領は同日早朝からパウエル統合参謀本部議長ら側近と緊急会議を開き、暴動へのハード面での対応を協議。また、有力黒人指導者をホワイトハウスに招き、意見を聞くなど黒人感情の慰留に努めた。《読売新聞》

ブッシュ米大統領は1日午後9時(日本時間2日午前10時)、ホワイトハウスの執務室から全米に向け黒人暴動に関してテレビ演説し、秩序回復の重要性をまず訴え、「あらゆる力を使ってでも秩序回復を図る」と言明、計4500人の連邦軍を派遣すると語った。大統領はさらに、ロドニー・キング事件の無罪評決には、「怒りと痛みを感じた」と黒人感情への理解を示し、「連邦司法当局が迅速で公正な行動をとる」と、本格捜査を開始した点を強調。「評決への不満を暴力にぶつけるのは筋違いた」と国民に協力を訴えた。《読売新聞》

3日目の夜を迎えた米ロサンゼルスの暴動は1日、ブッシュ米大統領の強硬措置を受け、連邦軍がロサンゼルス南郊60キロにある海兵隊基地で出動態勢に入るなど、沈静化に向けて大きく動き出した。

今回の暴動は各地に飛び火し死者40人、負傷者1900人という史上最悪の事態となった。ロサンゼルスでは一部で散発的な発砲や放火が起こっているが、これまでの2日間のような大規模な暴動事件に発展する気配は見られず、市民はやっと安ど感を取り戻しつつある。《共同通信》

【ロドニー・キング氏】暴動、略奪行為の中止を訴え

ロサンゼルス大暴動の引き金になった警察官暴行事件の被害者、ロドニー・キング氏が1日、市内の弁護士事務所で記者会見、涙ながらに暴動、略奪行為の中止を訴えた。

キング氏は「皆に言いたいのは、“仲良くやれないのか”ということだ。恐ろしいことはやめてくれ。ロサンゼルスはこんなに灰になってしまった。どうか放火をやめてほしい」と訴えた。

事件関係者はいずれも暴動に大きなショックを受けているようで、30日夜、テレビとの電話インタビューに匿名で登場した女性陪審員の1人は、感情の高まりをようやく抑えながら「12人の陪審のうち4人が警繁に行き過ぎがあったとの意見だった」と、弁解がましく証言した。《読売新聞》



【渡辺美智雄外相】キルギスタン・アカーエフ大統領と会談

独立国家共同体(CIS)のキルギスタンを訪問中の渡辺美智雄外相は1日午前(日本時間同日午後)、ビシュケク市内の大統領府でアカーエフ大統領と、前日に続き2回目の会談を行った。

外相は北方領土問題について「先進主要7か国(G7)からも全部ではないが、米国を中心に領土問題の『法と正義』に基づいた解決という日本側の主張や、対CIS支援で日本が占める重要性などについて理解を得ている」と述べ、北方領土問題の解決へ向けたキルギスの側面支援を求めた。

これに対し大統領は「(北方領土問題の)歴史的、法的な日本の主張は十分理解している。ロシアは日本に対し、ある意味で道義的責任を持っていると思う。できるだけのことはやっていきたい」と述べ、協力を約束した。

また大統領は日本からの経済、技術協力、特に農業の個人経営化推進へ向けた農耕機械や種子などの援助を要請。外相は、キルギスなどCISの中央アジアの国々を政府開発援助(ODA)対象国とする方向で経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)で積極的に働きかけていく方針を表明した。《読売新聞》

【米・カリフォルニア州】猟銃男が高校を占領9時間

米カリフォルニア州都サクラメント市の北60キロの町オリーブハースト(人口約1万人)で1日午後から銃を持ち、戦闘服に身を固めた若い男が授業中の高校に押し入り、約9時間立てこもり、人質4人を射殺して警察に投降した。逮捕されたのは、事件の現場・リンドハースト高校を1989年に退学したA容疑者(20)。A容疑者が投降した後、警察が校舎内で男性教師1人、男子生徒2人と女生徒1人の射殺体を発見した。このほか、少なくとも10人がA容疑者に撃たれ負傷し、うち1人は重傷という。

A容疑者は教師、生徒ら約60人を人質に取り、立てこもっていた間、自分の食べるピザと引き換えに10人を解放するなど小出しに人質を解放していたが、20人ほどは最後まで人質として残った。

目撃者らの話では、ヒューストン容疑者は1日午後2時ごろ銃を乱射しながら同高校に押し入った。警察によると、同容疑者は立てこもっている間、説得する警察官らに、同校を退学になったことと、在学中に不当に扱われたことへの抗議行動だと、犯行動機を説明していた。

A容疑者は警察の電話による説得に応じ、午後10時40分ごろ校舎を出て、投降した。《読売新聞》

【草場良八最高裁長官】「死刑は残癪な刑にはあたらず」

最高裁の草場良八長官は1日、施行45周年の憲法記念日を前に記者会見し、約2年半、日本で死刑が執行されていないことについて「死刑制度はその国の犯罪現象、国民の死刑に対する法意識などの総合の上に立って国民が決めていく問題だ」との考えを示した上で「裁判所は死刑が憲法の禁止する残虐な刑罰には当たらず、違憲ではないとの判断は繰り返している」と述べた。《共同通信》

【日本テレビ、テレビ東京】ロック調「君が代」にNG

ロック調に編曲した「君が代」をバックグラウンドミュージックに使った家庭教師派遣会社のテレビCMについて、テレビ東京と日本テレビが「一企業のCMに、君が代を使うのはまずい」などの理由で、放送を延期したり、中止したりしていたことが1日、明らかになった。

このCMは、「日本家庭教師センター学院」(東京都豊島区)の「相撲人形編」。「禁多浪富士」という力士の人形が、「難解山」を投げ飛ばすというコミカルなもので、バックに「君が代」が流れる。

「現代っ子にはなじみのうすい君が代を、親しめるものにしたい」という同学院の古川隆学院長が発案。民間放送連盟の放送基準では「国および国の機関の権威を傷つける取り扱いはしない」との規定があるが、製作を依頼された日本テレビのCM部も「君が代の尊厳を傷つけるものではない」と判断し、ゴーサインを出した。ロック調にアレンジされており、聴いてもすぐにそれとは分からないという。

これについて、テレビ東京広報部では「君が代を特定の企業のコマーシャルで使うのはまずいのではないかと判断し、とりあえず放送を中止した。連休明けに幹部が集まって正式な結論を出したい」と話している。

一方、日本テレビでも、1日朝の放送で1回流したものの、「好ましくない」(同社広報部)と判断し、同日、放送中止を決めた。《読売新聞》

【棋士・小池重明さん】死去

アマチュア将棋界で伝説的な強さを誇った放浪の棋土小池重明さんが、1日午後4時25分、心不全のため一茨城県石岡市の病院で亡く、なった。44歳。

小池さんは名古屋市出身、高校中退後、20歳でアマ名人戦愛知県代表に。その後、各地を転々としながらカケ将棋や若手プロとの対戦で将棋の腕を磨いた。

昭和55、56年とアマチュア名人、57年にはアマ将棋日本一決定戦で優勝。この前後、プロ中堅や高段者にも平手(ハンデなしの勝負)で勝ち越して“プロ殺し”とも呼ばれ、アマ棋界のスターとして、もてはやされた。

そのずばぬけた才能が認められ、特例でプロ入りする話も起こったが、定職を持たず、酒、競馬などにのめりこんだため金に困り、各地で寸借的な借金を重ね、プロ入りの話も消えた。

ここ数年は生活も落ち着いたが、浴びるほど飲んだ酒のため既に肝臓を悪くしており、昨年秋から生活保護と、わずかに残った友人の好意を受けつつ病院暮らし。85キロあった体重も半分に減っていた。《読売新聞》



5月1日のできごと