平成1200日目
1992/04/21
この日のできごと(何の日)
【北朝鮮・金正日書記】元帥に
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の朝鮮労働党中央軍事委員会、同中央委員会、同国国防委員会、同中央人民委員会は21日午前、金正日書記に元帥の称号を与えるとの決定を発表した。決定は同日朝、ラジオを通じて全国に公表された。
金書記は昨年12月、人民軍最高司令官に就任。今月13日、それまで元帥だった金日成主席が大元帥になっており、元帥称号の授与はこれに伴う措置。25日には人民軍創立60周年を迎え、盛大な行事が予定されている。
金日成主席は国家主席と党総書記の二大ポストを依然維持しているが、かつてない盛大な国家行事となった今月15日の金主席生誕80周年の祝賀祭は子息の金正日書記が取り仕切っており、同書記が事実上、国政のすべてを担当する後継体制に穏やかに移行しつつある。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【民社党・大内啓伍委員長】PKOで公明と妥協へ
民社党は21日午前、東京・九段会館で3日間の日程で第37回定期大会を開いた。
大内委員長はあいさつの中で、国連平和維持活動(PKO)協力法案をめぐる公明党の平和維持軍(PKF)凍結論に対し「他党の立場についてもできるだけ配慮し、次善の策として法案成立のため努力する」と述べ、今国会成立へ向け公明党と妥協を図る考えを改めて強調した。
連立、連合論議については「新政治勢力結集」のための4原則として(1)腐敗政治との決別(2)基本政策の一致(3)国民生活向上への新たなビジョンの提示(4)国際貢献への積極的貢献――を掲げ、特にその前提として「PKOなど平和目的の自衛隊活用は合憲であるという合意」を指摘した。
PKO修正問題、さらに路線問題でも社会党を排除し、「自公民路線」を再構築する意欲を示したものとして注目される。《共同通信》
【警視庁】荒木経惟氏の写真展を摘発
警視庁保安一課は21日までに、有名写真家・荒木経惟氏の写真展を、わいせつ図画陳列容疑で家宅捜索、小さな写真のコマ8点を証拠品として押収し、荒木氏やスタッフなどから事情を聞いている。同課では昨年6月、下半身のヘアが一写っている荒木氏の作品を掲載した美術月刊誌について、「わいせつ性が高い」として編集責任者に警告、さらに始末書を提出させている。同課では、今回の写真展では、ヘアだけでなく、女性の性器が写っている小さな写真を公開するなど、わいせつ性が一段とエスカレートしていることを重視、写真展への異例の家宅捜索に踏み切った。
捜索を受けた写真展は、今月1日から13日まで東京都渋谷区神南のギャラリーで開かれた「写狂人日記、荒木経惟写真展」。ヘアが写った写真のほか、入場者がルーペを使って見られるように性器を撮ったコマも展示されていた。
同課によると、荒木氏は「スタッフがやったことで、自分は(写真展について)知らなかった」と説明し、スタッフも「自分たちでやったこと」と供述しているという。《読売新聞》
【宮澤喜一首相】変身願望第2弾
宮澤首相は21日、首相官邸で自民党の衆院当選一回議員と懇談し、「首相になって、毎朝起きて考えるのは、一度首相になったのだから、思い切ってやろうということだ。自分に毎日そう言い聞かせている」と語り、今後、リーダーシップを発揮していく決意を改めて強調。首相は、若手議員との対話第一弾の10日、「これからは、はっきりものを言っていく」と、変身宣言をしたが、この日も、「首相は、いつ辞めてもいいという気迫でコトに当たってほしい」(杉山憲夫氏)などと指導力を求める声は相変わらず。
これに対し、「自分としては、船の後ろから船を見ていく形がいいと思っていたが、ここで心掛けを変えてみたい。変身しようと思う」と、大見えを切ったものだが、わざわざ「自分に毎日言い聞かせている」というあたり、「まだ完全に変身しきれていない証拠」(自民党若手議員)との声も…。《読売新聞》
【ゴルバチョフ元ソ連大統領】池田大作氏と会談
来日中のゴルバチョフ・元ソ連大統領は21日、東京・千代田区内のホテルで創価学会の池田大作名誉会長と約30分間、会談した。両氏の会談は約1年ぶり2回目。
池田氏がゴルバチョフ氏に政治復帰の意思をたずねたのに対し、ゴルバチョフ氏は「私はまだ、政治の舞台に残っているので、どのような仕事をするか、私のこれからを見ていてほしい」と述べ、第一線への復帰に強い意欲を示した。
また、池田氏が「中国の現状と社会主義をどう考えるか」と見解を求めたのに対しゴルバチョフ氏は「中国情勢の分析と評価は慎重に行うべきだ」と前置きしたうえで、「中国では最初に経済改革から始まり、今になって民主化、政治改革を無視できなくなっている。私は彼ら(中国国民)を信頼しており、愛情を持って見守っていきたい」と述べ、中国での民主化の進展に期待感を表明した。
さらに、ゴルバチョフ氏は国際情勢全般に触れ、「現在、民族的紛争や分離主義的傾向があらわれているが、その流れが主流にならないことを望んでいる」と憂慮の念を示した。《読売新聞》
【ゴルバチョフ・ソ連元大統領】「さようなら、すべてはこれからだ」
読売新聞社と歓迎委員会の招きで来日中のゴルバチョフ元ソ連大統領とライサ夫人は、きょうの離日を前に、21日夕、東京・内幸町のホテルで開かれたフェアウェルパーティーに出席した。
パーティーには歓迎委員会委員長の中曽根康弘元首相、副委員長の海部俊樹前首相のほか、平岩外四・経団連会長、山下勇・日ソ経済委員会委員長、八尋俊邦・ソ連東欧貿易会会長、渡辺恒雄読売新聞社社長、水上健也・同副社長ら約50人が出席した。
歓迎委側を代表してまず中曽根元首相が「これほど国民が親愛感を持って歓迎した政治家は数少ない。日本とCIS、ロシアとの関係が非常に接近したことは間違いない。何度も訪日されて友情を温めていただきたい。それが世界の平和のためにつながると思います」とあいさつ。これを受けてゴルバチョフ氏は「今、私もライサも大変感極まっている」とした上で「私はこれまでいくつもの国を訪れたことがあるが、今回ほど、政治家、財界人、若者の方々と心を開いて語り合った旅はない」と今回の訪日を振り返った。
そして、「いま最も重要なことは(日ロ)両国民の接近が現実の政治に生かされることだ。政治家の間にも国民の声に耳を傾ける兆しがあり、今回の訪問で、両国の関係をつなぐ橋をつくるための石を積み重ねることができたと思う。日本は大変苦しみに満ちた模索を続けてきたが、日本が他国との協力を考え、国際的な民主化の道を歩んでいることをうれしく思う。私は日本の選択を歓迎する」と述べた。
続いて海部前首相の音頭で乾杯。歓談のあとは、チャイコフスキー・コンクールで入賞したこともあるパイオリニストの佐藤陽子さんが徳江陽子さんのピアノ伴奏でサラサーテのツィゴイネルワイゼンなど3曲を披露、夫妻は感慨深げに耳を傾けた。
最後にゴルバチョフ氏は「訪問を通じ、希望がわいてきた。新しい友人ができ、今後、協力し合っていくことを確認できたことは意義深かった。さようなら。すべてはこれからだ」と別れのあいさつを述べた。ライサ夫人も「この数日間に出会った数百の人々の顔が浮かんでいます。心からお礼を言います。訪問期間中、理解と信頼をひしひしと感じました。善が善を生むことを確信しました。人間の心はそのようにできているのです。これが未来を照らす光になることを望みます」と語った。夫妻は出席者一人一人と握手を交わし、会場を後にした。《読売新聞》