平成1955日目

1994/05/16

この日のできごと(何の日)

【参院本会議】

国会は16日午前10時すぎから参院本会議で、羽田首相の所信表明演説に対する最終日の各党代表質問を行った。羽田首相は政治姿勢について「歴史認識や集団的自衛権などについても極めて穏当な姿勢を打ち出しており、細川前政権と基本的に違わない。与野党の協力と理解を得て改革の推進という歴史的な使命を遂行した。対話を十分尊重していく」などと述べ、強権的手法は取らないとの立場を強調した。

その上で首相は、税制改革についても「(前内閣で)増税に対する国民へのPRが足りなかった。国民の理解を得るため、今後各地でヒアリングをするなど率直に訴えていきたい」などと、手順を重視する姿勢を示した。首相は国会での不戦決議案については「(国会の)判断にゆだねたい」とした。

社会党の浜本万三参院議員会長の質問に対する答弁。浜本氏が内外政策全般にわたり、首相の姿勢を厳しくただしたのに対し、羽田首相は先の永野前法相発言について「極めて遺憾」としながらも「前法相が発言を撤回し自認した。政府もあらためておわびと反省の歴史認識を示したのでおおかたの理解を得られたと考えている」と述べた。

浜本氏が来年に戦後50年を控え反省と不戦の誓いを盛り込んだっ国会決議を行うよう提唱したのに対し、首相は「私自身、決議を重ねて主張してきたことなので、よく理解できるが、対応は国会にゆだねたい」と述べ、その上で「戦後50年は1つの区切りなので皆さんの知恵を借りたい」として何らかの対応を取る意向を示した。

このほか首相は、国連について「冷戦終えん後、国連の役割は高まるとともに新しいニーズが生まれている。安保理で環境、人口問題などいろいろな問題の方向が定められている。(これまでは)戦勝国でやってきた。(今後は敗戦国だった)わが国が参加することが新しく求められている」と述べ、あらためて安保理常任理事国入りに強い意欲を示した。

公明党の黒柳明副委員長が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の疑惑に関する対応をただしたのに対し首相は「北朝鮮が査察を受け入れるのが重要だ。今後の措置は米、中、韓などとともに粘り強い対話の努力を続けていく」との考えを示した。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【サッカー】

日本サッカー協会は16日、キリンカップに出場する日本代表22人を発表した。オランダ留学から帰国した小倉隆史(名古屋)が初めて代表メンバーに名を連ね、けがのために第2次強化合宿のメンバーから外れていた黒崎比差支(鹿島)、山口素弘(横浜F)が復活した。

ファルカン監督は「各選手がそういうプレーができるのか見極めたい。守備は連携プレーと中盤の絡みを、攻撃ではクリエイティブで速いサッカーを目指す」と抱負を語った。《共同通信》

【大相撲夏場所】9日目

大相撲夏場所9日目(16日・両国国技館)横綱曙が成長株の小城錦を落ち着いて寄り切り、9戦全勝で首位の座を守った。1差で追う二子山部屋の両大関も快勝して勝ち越し決定。貴ノ浪は琴の若を寄りで退け、貴ノ花も肥後ノ海を右上手出し投げに下した。大関武蔵丸は関脇琴錦を送り出して7勝2敗。関脇武双山は貴闘力の押しに完敗し、3敗目を喫した。十両は蒼樹山が1敗を保ち単独トップに立った。《共同通信》

【社会党、新党さきがけ】トップ会談

社会党の村山医院町と新党さきがけの武村代表は16日午後、国会内で会談し(1)税制改革の対案づくり(2)朝鮮民主主義人民共和国の核問題への対応を中心とした安全保障(3)コメ問題への対応—の3テーマについて政策協議を開始することで合意した。

予算を除いて羽田政権に「是々非々」の立場を取っている両党が、政策問題の重点である税制改革などについて可能な限り共同歩調を取り、連携を深める狙いがあるものとみられる。《共同通信》

【与党統一会派・改新】社会党復帰なら撤回

与党の統一会派「改新」結成を推進した民社党の米沢書記長と日本新党の松岡代表幹事が16日午後、国会内で会談し、「改新」が社会党の政権復帰の障害なら白紙撤回してもいいとの方針を確認、羽田首相に報告し理解を得た。

これを受け首相は17日の村山社会党委員長との党首会談で両党の立場を正式に伝え、政権復帰を要請する。《共同通信》

【羽田孜首相】小選挙区割り「周知期間短縮は可能」

羽田首相は16日午前、衆院の小選挙区区割りの周知期間について「新しい区割りを理解してもらいのに何カ月もの期間が必要かどうかだ」と述べ、周知期間は短くてもよいとの考えを示した。開府内閣当時の法案で規定していた周知期間「3カ月」は短縮可能との認識を強く示唆したものだ。

新党さきがけの武村代表が中選挙区での解散・総選挙に含みを残す形で「一定の周知期間が必要」と表明したことに対し「(新しい)政治資金規正法も止まってしまうが、そんなことでいいのか。新しく当選してきた人は中選挙区で出てくることになるから、こんなのは必要ないと言い出したらどうなるのか」と批判した。首相官邸で記者団の質問に答えた。《共同通信》

【政界談話室】

○…羽田首相は16日午前、官邸内で開かれた行革審作業部会であいさつした後、突然、官房長官室に足を運び、熊谷長官と約10分間“会談”。首相の方から長官室に出向くのは珍しいだけに、記者団が内容を尋ねると「官房長官とは一年中話しているんだから…。何を話したとか、長官室に入ったとか(首相執務室への)人の出入りなんて、いちいち書かなくていいよ」と、一気にぶちまけて執務室に。記者団の質問に足を止めて笑顔で対応するなど、これまで人柄の良さをアピールしてきた首相だが、早朝から深夜まで密着される毎日に早くもうんざりか。

○…この日結成された、自民党の新政策集団「グループ新世紀」の代表に就任した加藤紘一元官房長官は「党改革の中心的マグマになる」と決意を強調。さらに「日本社会にはビジョンやフロンティアはあるのか、考えていかなければならない。過去にとらわれることなく、開かれた気持ちで党の活性化に取り組みたい」と熱っぽく語った。もっとも「離党はごうも考えていない。執行部どう支えていくかを考えていきたい」と執行部への恭順の意を示し、新集団は河野総裁に対抗する加藤氏の“私兵”との見方を懸命に否定した。《共同通信》



5月16日 その日のできごと(何の日)