平成1178日目

1992/03/30

この日のできごと(何の日)

【加勢大周さん】芸名使用「ノー」

人気タレントの加勢大周さん(22)の専属契約をめぐって、デビュー時の芸能プロダクションが、加勢さんと現在のプロダクションを相手取り、芸名の使用差し止めなどを求めた訴訟の判決が30日、東京地裁民事33部であった。宮崎公男裁判長は「芸名使用を許可する権利は元のプロダクションにある」として、「加勢大周」という芸名でテレビなどに出演することを禁じる判決を言い渡した。

訴えていたのは、加勢さんをスカウトし平成2年6月に専属契約を結んだ「インターフェイスプロジェクト」(東京都目黒区)。その後、加勢さん側が「契約は切れた」として、両親が設立したプロダクション「フラップ・プロモーション」(同)と契約を結んだため芸名の使用権が争われた。

宮崎裁判長はまず、芸能人の芸名について「商品の販売促進をもたらす財産的権利の一つ」と述べたうえで、加勢さん側とイ社との間でギャラをめぐるトラブルがあったものの、最初の専属契約は続いていると判断。このため、同契約に従い、「加勢大周」という名の商標登録もしているイ社側には現在も芸名使用の許諾権があると結論づけた。しかし、芸名使用は禁じたものの、今後加勢さんをテレビなどに出演などをさせてはならないという請求は、退けた。《読売新聞》

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【カンボジア難民】帰還始まる

13年に及ぶ内戦で故国を追われ、タイ領内で避難生活を送ってきた38万人余のカンボジア難民に対する国連による本格帰還作業が30日開始された。第一陣521人は収容先の難民キャンプ・サイト2からバスに分乗して同日正午ごろ、タイ東部国境の町アランヤプラテートからカンボジア側の町ポイペトに入った。

国連史上最大規模となる今回の帰還作業の成否は、最近始動したカンボジア暫定統治機構(UNTAC)の和平計画の行方に大きな影響を与える。しかし、資金や準備の不足のほか戦闘の発生も伝えられており、不安材料を抱えながらのスタートとなった。《共同通信》

宮澤首相が30日、カンボジア難民の帰還が始まったことに関連し、「難民の方が(国外に逃げ出すことのできなかった人よりも)裕福なんだってね」と、カンボジア難民から反発を招きかねない発言を行い、直後にあわてて取り消すひと幕があった。

同日午後、国会内で記者団が難民の帰還後の厳しい生活について質問したのに対し、首相が「(戦火のカンボジアから)逃げられた人はまだ良かったそうだ。そういう意味では、難民の一方が裕福なんだってなあ」と“分析”したものだ。しかし、さすがにまずいと思ったのか、この後、首相官邸に移ると、「裕福だなんて言ってない」と発言を全面否定。その上で、再度、記者団の前に真意の説明に現れ、「(裕福との)言葉が不適切なので取り消します」と釈明した。《読売新聞》

【宮澤喜一首相】衆院補選勝因「一生懸命やったから」

宮澤首相は30日朝、就任後3度目の国政選挙でようやく白星となった衆院群馬2区補選の勝因について記者団に「皆さんが一生懸命やったからでしょう。それに尽きる」とひと言。しかし「社会党の敗因は佐川急便事件と関係があるか」「自民党への逆風は止まったか」とたたみかけても、出てくるのは「一生懸命やったから」と同じ答えばかり。

通常は笑顔の多い首相だが、表情はむしろ硬く、周辺でも「まだまだ難問山積で笑うどころではないのでは……」「本当はうれしいのでは」と見方は二分。《共同通信》



3月30日 その日のできごと(何の日)