平成1179日目

1992/03/31

この日のできごと(何の日)

【ロシア連邦条約】調印

ロシア連邦内の各共和国、州などの相互関係、権限分担を規定する「ロシア連邦条約」の調印式が31日、クレムリン宮殿で行われ、ロシアと全20共和国中の18共和国の指導者が署名した。

だが、3月の国民投票で独立の意思を確定した石油産地のタタルスタン、同じく独立を宣言したチェチェンの両共和国は調印を拒否。資源管理を中心に共和国の権限拡大を求める、金、ダイヤモンド産地ヤクート・サハ(旧ヤクート)も条件付きの調印にとどまるなど、連邦体制の前途には依然、多くの不透明要因が残されている。こうした中で、いわば、「見切り発車」の形で行われた調印式は、連邦分裂への兆候を封じるためのエリツィン政権の政治意思表明といった色彩が強い。

一方、同条約はロシア人民代議員大会での承認を経て、新たなロシア連邦憲法の一部に組み込まれる予定だが、4月6日からの大会で、エリツィン政権が新憲法採択にこぎつけられない場合、条約自体が「名目化」してしまう恐れもある。

条約は国防、金融・通貨、エネルギーの政策分野をロシア政府の管轄とする一方、土地を含む所有権を共和国に認めるなど、自治権拡大を盛り込んでいる。先に条約調印拒否を表明していたバンコルトスタン(旧バシキール)は、結局調印に参加した。《読売新聞》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【JA、さくら銀行】お披露目

「農協」から「JA(ジェイエイ)」へ―。全中は1日から、CIを導入し、新しい愛称を採用した。日本のJ(ジャパン)と農業のA(アグリカルチャー)の組み合わせで、戦後間もない昭和23年から使用してきた農協のシンボル「麦穂マーク」にピリオドをうった。

記念式典は午前10時ら、東京・大手町のJAビルで開かれ、新入職員による新旗掲揚が行われた。

一方、太陽神戸三井銀行は、この日から、「さくら銀行」として、再スタートを切った。東京・九段南の同行本店前では、末松謙一頭取ら役員14人が出席し、新看板のテープカットなどが行われた。

末松頭取は「名称変更を機に、気持ちも新たに、新時代に相応したリーディング・ユニバーサルバンクを目指し、改めてスタートします」と述べた。《読売新聞》

【ボクシング】

世界ボクシング協会(WBA)ジュニアフライ級タイトルマッチ12回戦は31日、北九州市立総合体育館で行われ、チャンピオンの井岡弘樹(グリーンツダ)が挑戦者で同級10位のノエル・ツニャカオ(フィリピン)に3−0の判定で勝ち、初防衛に成功した。

井岡は序盤から得意の左を突いて前に出る攻めで着実にポイントを稼いだ。中盤からはカウンター狙いで後ろに下がるツニャカオを深追いするのを避けるうまい試合運び。終盤はリードを守るため手数が減り、ややラウンドを失ったが、前半の貯金が効いて危なげなく逃げ切った。《共同通信》

【スピードスケート・橋本聖子選手】引退を否定

仏アルベールビル冬季五輪で銅メダルを獲得、引退がうわさされていた女子スピードスケートの橋本聖子選手(27)(富士急行)31日、山梨県富士吉田市内のホテルで開かれた同県など主催の祝賀会で、「このままでは納得いかない。次のオリンピックで完全燃焼します」と、きっぱりと引退を否定、2年後のノルウェー・リレハメルで行われる第17回冬季五輪を目指して、現役生活を続けていく決意を明らかにした。

この日の祝賀会であいさつした堀内光雄・同社会長は「(アルベールビルから)帰国後、橋本選手や両親と今後のことを話し合ったが、本人の強い希望もあり、リレハメル・オリンピックで再び頑張ることになった」と披露。その瞬間、会場から一斉に拍手と歓声がわき、同社の黄色いユニホーム姿の橋本選手は深々と頭を下げた。

橋本選手は祝賀会後に記者会見し、“続投”決意の理由を「ヒザの故障で本番前の調整が半分しかできなかった。大会終了後も、ほっとした気分よりも、どうしたらもっと速く滑れるかで頭がいっぱいになった。このままでは納得できないので、今度こそ、最善をつくして燃え尽きたい」と神妙な表情で語った。また引退説については「いつもこれが最後だという気持ちで頑張ってきた。それが誤解されたみたい」と苦笑いした。《読売新聞》

【社会党、公明党】同日選反対で一致

社会党の田辺委員長と公明党の石田委員長が31日夜、都内の料理屋で会談した。両氏は「衆参同日選は憲法上も疑義があり、やるべきでない」との認識で一致した。 また後半国会の焦点である政治改革について①政治改革実現への決意を示すため与野党党首会談を早期に開催する②企業・団体献金の禁止を軸とする野党共同改革案を作成する―ことで合意した。このほか予想される1日からの公定歩合引き下げに伴い、年金生活者らに配慮した政策が必要であるとの認識でも一致した。

田辺、石田両氏の会談は、さる3月9日の熊本市内での会談以来。今回は、両党の書記長、副委員長、国対委員長、政審会長が同席、石田氏らが昨年9月に田辺氏の委員長就任祝いの席を設けたことへの返礼という趣旨で開かれた。《読売新聞》

【竹下登元首相】帰国

韓国を訪れていた竹下元首相は31日午後、成田着の日航機で帰国した。

竹下元首相は31日夕、都内の事務所で渡辺美智雄外相と約40分間会談した。竹下氏はこの中で韓国の盧泰愚大統領との会談(30日)も踏まえ、韓国の総選挙後の政治情勢についての見解を示すとともに、日韓の技術移転問題、漁業問題などについても説明した模様だ。 このほか、竹下氏は今年5月の沖縄返還20周年記念行事に対する外務省の協力を求め、渡辺外相も積極的に支援することを約束した。《読売新聞》

【政府(宮澤内閣)】緊急経済対策を決定

政府は31日午前、首相官邸で経済対策閣僚会議を開き、1992年度公共事業の前倒し執行や中小企業対策などを柱とする7項目の緊急経済対策を決めた。公定歩合についてはこれまでの3次にわたる引き下げを踏まえ「金融政策の機動的運営」との表現で日銀の機動的な対応を求めている。日銀は政府の決定を受けて1日にも公定歩合(現行年4.5%)の引き下げに踏み切る見通しだ。

経済企画庁は「国や地方自治体の92年度上期の公共事業は91年度上期に比べて4兆7000億円の増額になる」とし、電力など公益事業の前倒しを含め5兆円規模の経済浮揚効果が期待できるとしている。《共同通信》

【新潟水俣病第二次訴訟】新潟地裁、国の責任認めず

熊本に次ぐ第二の水俣病を発生させたのは有機水銀廃液をたれ流した昭和電工に加え、国にも責任があるとして、新潟県の阿賀野川流域に住む水俣病認定申請者らが、一人一律2200万円の損害賠償を求めた「新潟水俣病第二次訴訟」で、結審済み原告94人(うち3人は既認定患者、死者16人は遺族が承継)の判決が31日、新潟地裁民事一部で言い渡された。

吉崎直弥裁判長は、「当時は汚濁原因物質が特定されていなかったことなどから、水質二法による規制をする義務があったとはいえない。行政指導をする合理的根拠もなかった」として最大の争点だった国の行政責任は否定した。しかし、原告のうち88人は「水俣病と認定できる」として、昭電のみの賠償責任を認め、一人当たり800万円から300万円、総額5億7800万円の支払いを命じた。

初めて行政書任を認めた昭和62年の第三次訴訟熊本地裁判決(控訴)からは大きく後退。国、県の責任を否定した水俣病東京地裁判決(控訴)と同様の判断が示されたが、患者認定に当たっては、「感覚障害のみの水俣病もある」と司法救済の範囲を広げ、今後の国の被害者対策にも影響を与えそうだ。《読売新聞》

【国会】導入の米国車試乗会

国会公用車として導入された2台の米国車の試乗会が31日、議事堂の前庭で行われた。国会が米国車を購入したのは、戦後の混乱期以来、約45年ぶり。今回は、さる1月のブッシュ米大統領来日の際、政府が約束した米国車の輸入拡大に一役買うのが狙い。

試乗したのは専用車としての割り当てが決まった山村新治郎・衆院予算委員長と原健三郎・元衆院議長。車から降りた原氏が「国際親善に役立つ」と感想を一言もらすと、すかさず自民党の綿貫幹事長が「日米経済協力車というステッカーを張ったら」と合いの手。山村氏は「経済摩擦解消車だね」と、こちらは衆院商工委員長経験者らしい解説をしてみせた。《読売新聞》

【戦艦ミズーリ】退役

太平洋戦争の降伏文書調印の場となり、最近では湾岸戦争にも出動した米海軍最後の大型戦艦「ミズーリ」号の退役式が、31日、ロサンゼルス近郊のロングビーチ米海軍基地で行われた。

国防予算の大幅削減で、年間約3000万ドルの維持費のねん出が困難になったためで、戦後史の“生き証人”は東西冷戦の終焉とともに、その48年間の生涯の幕を閉じた。《読売新聞》



3月31日 その日のできごと(何の日)