平成1126日目
1992/02/07
この日のできごと(何の日)
【水俣病東京訴訟】チッソに賠償命令
首都圏や鹿児島県の水俣病未認定患者と遺族が「行政の無策が被害を拡大させた」などとして、国や熊本県、チッソ、チッソ子会社3社に1患者あたり一律1980万円の損害賠償を求めた「水俣病東京訴訟」で、64患者分(原告は遺族を含め74人)の判決が7日、東京地裁であった。
荒井真治裁判長は「チッソの過失は明らかだが、当時の法律では国や県が漁業規制、排水規制をすることはできず、行政指導の義務もなかった」と、国・県の賠償責任を否定し、チッソ本社だけに43患者分1億6800万円(1人一律400万円)の支払いを命じた。
同時に判決は「国や県には被害拡大を十分に防止できなかった政治的責任がある」との異例の見解を示し、改めて和解による解決を促した。原告側は「行政追随の不当判決」として控訴する方向で検討を始めた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【欧州連合条約】調印
欧州共同体(EC)加盟12カ国は7日夕、オランダのマーストリヒトで、EC基本法であるローマ条約を抜本的に改正した歴史的な「欧州連合条約」に調印した。新条約は1992年末に完成する市場統合の次の目標である経済・通貨統合、政治統合の道筋を定めており、これによりECは経済を軸にした共同体から、政治、外交、防衛、社会面でも統合を強めた欧州連合へと生まれ変わる。
調印式は午後5時半(日本時間8日午前1時半)から、新条約に合意した昨年末のEC首脳会議の会場と同じマーストリヒトの州庁舎で開会。現議長国ポルトガルのカバコ・シルバ首相、前議長国オランダのルベルス首相、ドロールEC委員長らが新条約の歴史的意義などについて演説、加盟12カ国の外相、蔵相が条約に調印した。《共同通信》
【仏ロシア条約】調印
フランスのミッテラン、ロシアのエリツィン両大統領は7日午前(日本時間同日夜)、パリで開かれた第二回首脳会談後、両国の友好協力条約である「仏ロシア条約」に調印した。一方が脅威にさらされた場合、相互の連絡を規定した安全保障分野での緊密な関係を強調した内容になっている。「ロシアがこの種の条約を結んだのは独立国家共同体(CIS)成立後、初めて。
北大西洋条約機構(NATO)の軍事機構に加盟していないフランスが、ロシアとの調印をテコに、欧州独自の安保体制作りを目指す姿勢が鮮明になった。今後、米国が警戒感を強める恐れも出てこよう。
条約は両国が保有する核兵器を最小限にとどめる「最小限の抑止力保持」の原則のほか、核拡散防止方野での両国の協力をうたっている。また両国関係を「新しい協力関係」と位置付け、「欧州安全保障条約」締結に向け、両国が機関車役となって取り組む意思を明らかにしている。
また仏ロ首脳の年一回の定例会談、年二回の定例外相会談開催も盛り込んでいる。
ミッテラン大統領は、エリツィン大統領とともに臨んだ共同記者会見で、最近の米、ロシアによる軍縮提案に触れ、世界の軍縮潮流を尊重、ドゴール政権以来の独自防衛政策を「緩和する」と語った。同時にミッテラン大統領は、米、ロシア両国が「相当量の核兵器を削減した時」との条件を付け、仏も核兵器削減の交渉に加わる用意があるとの立場を強調した。《読売新聞》
【宮澤喜一首相】平和条約締結に意欲
「北方領土返還要求全国大会」が「北方領土の日」の7日、東京・九段の九段会館で開かれた。
宮澤首相はあいさつの中で「ロシアとの戦後の時代に終止符を打ち、日ロ両国関係の抜本的解決を図ることが不可欠」と指摘し、首相が提唱した世界平和秩序の構築のためにも平和条約締結の必要性を改めて強調。
さらに「新しいに日ロ関係を構築するため”法と正義”に立脚した最大限の努力と、勇気ある決断を求めていく」と述べ、10日からモスクワで始まる平和作業部会や、9月中旬のエリツィン・ロシア大統領来日を通じて、北方四島一括返還を前提にした平和条約締結への道筋をつくることに強い決意を表明した。《共同通信》
【渡辺秀央郵政相】リ社から800万円
渡辺秀央郵政相は7日、閣議後の記者会見で、一部週刊誌にリクルート社から政治献金を受けていたとの報道に対し、総額800万円の献金を受け、うち300万円を返却していなかったことを認めた。
同相によると、リクルート社から献金を受けたのは87年11月の300万円と、88年8月の500万円。このうち500万円については、リクルート事件発覚後であったことから、同社に返却したが、最初の300万円は、事件発覚前だったため、「浄財として受け取り、政治資金規正法にのっとり、3団体に分けて処理した」と語った。
同相は週刊誌の報道で再調査したところ、300万円が未返却だとわかった、とし、「大変に申し訳ない」と陳謝した。《読売新聞》
【JR西日本】新幹線「500系」概要発表
JR西日本は7日、最高時速350キロに向けて5月から走行テストを始める新型新幹線「500系」の概要を発表した。約25億円をかけて製作している実験車両(6両)は車体を塗装中で、完成は3月末。平成6年春には山陽新幹線にお目見え、新大阪―博多間を現在より30分以上短い2時間20分程度で結ぶ。
「500系」は上半分がやや灰色がかった明るい薄紫色、下半分が明るい灰色で、中央部分にJR西日本のシンボルカラーの青い帯が入る。車体はアルミ合金製。1両の重さも従来車の約3割減の40トンとなっている。風切音を小さくするために高さが50−70センチ低くなった。走行テストは博多車両所を基地に徳山―新下関間で行う。
また、大阪—金沢間を今より約20分短い2時間20分台で結ぶ「ハイスピード雷鳥」(仮称)の概要も発表。7月末に完成、夏の臨時列車として使う一方、在来線の高速化実験に使う。《読売新聞》