平成1102日目

平成4年1月14日(火)

1992/01/14

【宮沢喜一首相】慰安婦問題「衷心からおわび」

宮沢首相は、16日からの韓国訪問を前に、14日、首相官邸で、韓国の在京報道各社との共同インタビューに応じ、朝鮮人従軍慰安婦問題について、旧日本軍の関与を公式に認めた上で、「衷心よりおわびと反省を申し上げたい」と述べ、韓国側に謝罪を表明した。

朝鮮半島情勢では、わが国として「南北対話」促進を支援していく考えを強調。韓国側が是正を強く求める貿易不均衡問題についても「長い目でみれば一時的な困難だ」として、日韓双方の努力で解決されるとの見方を示した。

従軍慰安婦問題について、首相は「旧日本軍が直接関与していたことは否定できない」と首相として初めて、日本軍の関与を認めた。その上「従軍慰安婦として言葉に言い表せない辛苦をなめられた方々に対し、心よりおわびと反省の気持ちを申し上げ、おわびしたい」と韓国側に謝罪を表明した。

この問題では、加藤紘一官房長官が13日、謝罪の談話を発表したが、首相自身が韓国国民に伝わる形で明確に謝罪の意を明らかにしたのは初めて。

ただ、この問題に対する補償問題については、「(日韓基本条約関連)協定で国と国との請求権は解決された。しかし、個々人の訴訟のための権利は有効であろうと言うのもその通りと思う」と述べ、提訴されている裁判の行方を見守るとの考えを示すにとまった。《読売新聞》



【加藤紘一官房長官】「慰安婦」新たな措置

加藤紘一官房長官は14日、日中戦争から太平洋戦争にかけての朝鮮人従軍慰安婦の補償問題について、「(日韓間の)条約、協定上決定済みだが、訴訟が提起されているので司法の判断を待ちたい」としたうえで、「何らかの気持ちの表し方、事業のようなものができないか(検討したい)と述べ、今後、補償に代わる措置を検討していく意向を示した。

社会党の山花委員長が同日、首相官邸に加藤長官を訪ね、宮沢首相の訪韓に際し、(1)韓国の戦争犠牲者の補償請求を正当な権利とすることを表明するべきだ(2)日本の戦争責任について、韓国国民に対し公式に謝罪するとともに、犠牲者らの個人補償に応じる意向を表明すべきだ(3)強制連行者や従軍慰安婦ら日本軍国主義のすべての人々の実態調査に積極的に取り組むことを約束すべきだ–などを申し入れたのに答えた。《読売新聞》

【大相撲初場所3日目】横綱旭富士、引退

大相撲初場所3日目(14日・両国国技館)剣が峰の横綱、旭富士は、投げの打ち合いで若花田に力負けして3連敗、ついに引退した。霧島も栃乃和歌に不覚をとり、役力士の勝ちっ放しは、武蔵丸を落ち着いてさばいた小錦だけになった。琴錦は水戸泉に敗れて3連敗。若花田の金星は、昨年秋場所の旭富士戦以来2個目。《読売新聞》

“津軽のじょっぱり(意地っぱり)”の再起は、ついにならなかった。14日、在位9場所目で引退を表明した横綱旭富士。「体力、気力の限界。力も出なかった」と淡々と土俵人生を振り返った。

初日から2連敗で迎えた結びの一番。終始攻め続けたが、相撲巧者の面影はすでになく、若花田の下手投げにあっさりとした。

国技館から大島部屋へ引き揚げたあと、親方と話し合って、15分後には報道陣の前で引退発表「前日、ダメだったらやめる、と妻に話した。泣いて『がんばって』と言われたが…。負けて花道を引き揚げる時も頭の中はカラッポだった」。コケシのような穏やかな頸が、この時だけは一瞬かげった。

近畿大を中退し、昭和56年に初土俵を踏んで2年後には入幕を果たしたが、持病のスイ臓炎で、大関昇進は後進の小錦らに先を越された。綱とりも七度目の挑戦の末、30歳でやっと手に入れた遅咲き。「けいこ嫌い」といわれる反面、「苦労人」とも評された。

昨年秋場所の途中から連続休場し、進退をかけて臨んだ今場所。千代の富士、大乃国と同様、“引導”を渡したのは藤島部屋の若手人気力士だった。世代交代の波に、「苦労人」もあえなくのまれた格好だが、「けいこができず、焦りもあった。しかし、土俵に対する悔いは一切ない」と言い切った。《読売新聞》



1月14日のできごと