平成1069日目

平成3年12月12日(木)

1991/12/12

【ロシア共和国】最高会議が共同体を批准

ソ連ロシア共和国最高会議は12日、ソ連消滅と独立国家共同体創設を決めたスラブ系3共和国首脳によるブレスト協定を審議し、同協定を賛成188、反対6、棄権7の圧倒的多数で批准した。また、1922年にソ連を成立させた現連邦条約を破棄する決議も採択した。

これで、3共和国の議会すべてが協定を批准したことになり、ソ連が成立以来69年ぶりに、3共和国を軸とした極めて緩やかな国家共同体である「独立国家共同体」として再編成されることが事実上決まった。

同協定を「違法」としていたゴルバチョフ・ソ連大統領も、スラブ3共和国議会の批准で、協定成立を食い止めることは不可能となり、連邦大統領からの退陣が確定的となった。《共同通信》



【ソ連・ゴルバチョフ大統領】辞意表明

ソ連のゴルバチョフ連邦大統領は12日、「独立国家共同体」構想が実現した場合、「自分の役割はなくなるので辞任する」と、初めて明確に辞任の意思を表明した。一方、ロシア共和国最高会議は、同日、「独立国家共同体」創設協定を圧倒的多数で批准し、1922年の現行連邦条約の破棄を決議した。これにより、ロシア、ウクライナ、ベラルーシのスラブ3共和国の共同体加盟手続きが完了した。

イスラム系5共和国もこの日、同構想を支持する方向で協議に入り、モルドワ共和国も加盟に前向きの姿勢を示した。この結果、ソ連は、エリツィン・ロシア共和国大統領らの主導する連邦(中央)政府を持たない「独立国家共同体」へと移行することが確実となった。7年近くにおよんだゴルバチョフ時代は、数日中にも名実ともに幕を閉じることになる。《読売新聞》

【宮沢喜一首相】証人喚問要求を拒否

参院予算委員会は12日、平成3年度補正予算案に対する質疑を行った。社会党の佐藤三吾氏は、宮沢首相のリクルートコスモス未公開株取引に絡む株式購入代金の調達先や売却代金の使途が不明として「首相自身も国会証人喚問に進んで出て真相を明らかにすべきだ」などと迫った。

これに対し首相は「(株取引の)3点セットを提示し、最善を尽くしている。事態の真相は理解してほしい」と述べ、証人喚問を拒否する考えを示した。《共同通信》

【自民党・宮沢派】阿部事務総長が辞任

東京地検特捜部に摘発された鉄骨メーカー「共和」からの巨額献金が問題となっている自民党宮沢派の阿部文男・事務総長は、12日、同派の斎藤邦吉・会長代行に事務総長辞任の意向伝えた。宮沢派も、同日昼の総会で阿部氏の辞任を了承した。同派としては、当面後任は置かず、丹羽雄哉事務総長代理が代行する。

阿部氏は、「共和」からの献金にまつわる疑惑について一貫して否定、当初は、事務総長辞任は疑惑を認めることになるなどとして、辞任する意向のないことを強調してきた。しかし献金をめぐる疑惑が連日のように報道され、政治問題にも発展しかねない事態になっていることなどから、宮沢政権への影響を最小限に食いとめるためにも辞任に踏み切らざるをえないとの判断を固めたものと見られる。

しかし、宮沢派幹部をめぐる疑惑、事務総長辞任が、同派のイメージダウンにつながることは避けられず、宮沢政権に打撃を与えることは必至だ。《読売新聞》

【南北首相会談】実務代表が作業入り

韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による第五回南北首相(高位級)会談は12日午前10時(日本時間同)からソウル市内のホテルで二日目の会談を非公開で始めた。しかし、会談は約15分間で休会、双方が作成で合意している「南北間の和解と不可侵および交流協力に関する合意書」の文案調整のため、実務代表者による最後の詰めの作業に入った。詰めが終わり次第本会談を続開するが、今会談で最終合意に達する可能性が強まっている。

合意書をめぐっては、初日の会談で、南北が大幅な譲歩案を提示したことから大きく進展、11日夕の実務代表接触で対立点が①休戦状態の平和状態への転換問題②不可侵保障措置の取り扱い③合意書が採択された場合、南北が第三国と締結している条約などに優先させるかどうか―の三点にまでせばめられていた。

本会談休会後、韓国側のスポークスマンは記者団の質問に答え、「今日の本会談の前に事前に北側と交渉し、合意書について本会談ではなく、実務代表接触で詰めることにした。(いい結果が出るかは)少し待ってほしい」と話し、南北は合意書採択へ向けて最後の詰めの段階へ入っていることをうかがわせた。

一方、焦点である核問題をめぐっては、韓国が初日の会談で、北朝鮮側の主張してきた「南北同時核査察」を全面的に受け入れるとともに、「モデル査察」を1992年1月31日までに実施し、北朝鮮側が在韓米軍の核兵器の有無を確認する一方、北朝鮮が核兵器を開発中とされる寧辺核施設などへの査察を求めた。

また、南北間の合意書採択のための代表接触について、韓国・統一院の当局者は「北朝鮮は今回、合意書については核問題とは切り離して扱おうと言った。これは、北朝鮮が今回、合意書採択を目指している意思と受け止めることができる。今回、採択される可能性は高い」と述べた。《読売新聞》

【南北首相会談】平和共存、統一へ協力

韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は12日午後、ソウル市内のホテルで第五回南北首相(高位級)会談・実務代表接触を続行、この結果、「南北間の和解と不可侵および交流協力に関する合意書」に完全妥結した。相互の体制尊重、武力の不使用などがうたわれた「合意書」は、今後の南北関係を規定するもので、南北自らが対立にピリオドを打ち、「平和共存」の実践をうたう歴史的文書となる。

南北代表団は13日午前9時(日本時間同)、首相会談を再開、鄭元植・韓国、延享黙・北朝鮮両首相が「合意書」に署名する。

南北間で相互関係を規定した文書に調印するのは1972年、統一のための三原則を打ち出した「七・四南北共同声明」以来19年ぶり。東西冷戦体制の崩壊により世界情勢が劇的に変動する中、南北が今年9月の国連同時加盟に続き、当事者間で緊張緩和と新たな関係を公式化したもので、南北関係史上、画期的な文書と言える。《読売新聞》

【インド、中国】関係を強化

中国首脳として31年ぶりにインドを訪問中の李鵬首相は12日、ニューデリーの首相府でナラシマ・ラオ・インド首相と一回目の会談を行い、国際情勢や二国間の領土問題などについて話し合った。

両首脳は冷戦終結後の国際情勢について「(国家間の相互不干渉をうたった)平和共存五原則に基づくべきで、どのような大国も世界政治を操ることが許されるべきではない」との見解で一致、米国主導の新世界秩序構築に強い反感を示した。また、南北間の政治・経済的格差がますます拡大していることを指摘した。

一方、二国間最大の懸案である領土問題については、「領土問題は両国関係を深めていく上での障害とはならない」という点で両首脳が合意、事実上、領土問題を棚上げしたまま友好関係促進を行うことになった。《読売新聞》



12月12日のできごと