1991 平成3年12月13日(金)

平成1070日目

平成3年12月13日(金)

1991/12/13

【韓国、北朝鮮】「和解・不可侵」合意書に調印

韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は13日午前9時(日本時間同)からソウル市内のホテルで第五回南北首相(高位級)会談を続開、前日妥結した「南北間の和解と不可侵および交流協力に関する合意書」に韓国の鄭元植、北朝鮮の延亨黙両首相がそれぞれの国名とともに署名した。南北はこれにより不可侵・交流を正式に約束し合い「平和共存時代」が実質スタートすることになった。

会談では、焦点の核問題も協議され、「南北が朝鮮半島に核兵器があってはならないということで認識が一致した」と表明、今月中に板門店で代表接触を開くことを決めた。核問題でも南北で初めて直接対話が始まることになり、南北朝鮮は平和共存の定着に向けて重大な転換点を迎えた。《読売新聞》



【関西新空港】着工から1778日、埋立工事が終了

大阪湾で建設が進む関西国際空港は13日、最後の揚土作業が終わり、着工から1778日で埋め立て工事がすべて終了した。今後、空港島内では、平成6年夏の開港に向け地盤改良工事を経てターミナルビルや島内道路などの建設が急速に進む。

この日、大阪・阪南丘陵と和歌山・加太地区から採取した土砂を運んだ運搬船2隻が空港島南東の護岸に着き、最後の土砂を運び込んだ。《共同通信》

【西武・秋山幸二外野手】1億4000万円で更改

西武の秋山幸二外野手(29)は13日、所沢市の球団事務所で契約更改に臨み1億4000万円で来季の契約を結んだ。年俸3億円の落合選手(中日)に次ぎ日本人選手の球界ナンバー2。パ・リーグでは1億3000万円の門田選手(ダイエー)を抜いてトップに立った。この日で全員が契約を更改した西武はデストラーデ、石毛、辻、清原、伊東、郭と合わせ、来季は7人もの1億円プレーヤーを擁することになった。《共同通信》

【経済審議会】報告書を宮沢首相に提出

経済審議会(首相の諮問機関、会長・平岩外四東京電力会長)は13日、首相官邸で総会を開き、現行の経済運営5カ年計画「世界とともに生きる日本」(1988−92年度)の推進状況と、今後の課題をまとめた報告書を宮沢首相に提出した。

計画機関が大型景気と重なったこともあって「内需主導型の成長を達成し、産業構造の高度化も進んだ」と評価する一方、「依然として東京一極集中の傾向に大きな改善がみられない」「土地価格の高騰などで資産格差が拡大し、経済の健全性を損なった」などと反省点を挙げている。《共同通信》

【自民党・小沢一郎元幹事長】東京都・鈴木知事と会談

自民党の小沢一郎元幹事長(竹下派会長代行)と、東京都の鈴木俊一知事が13日、都内のレストランで昼食を共にしながら約1時間会談した。保守分裂となった今春の都知事選以来、両氏が親しく話を交わすのは初めて。出席者によると、会談はなごやかなムードで行われ、二人が並んで記念撮影という場面もあり、自民党幹事長(当時)として自公民路線を優先して“鈴木おろし”の中心となった小沢氏と、これに反発して四選を目指した鈴木氏の「和解」を印象付けた。

この日の会談は、都の小笠原空港建設計画が国の第六次空港整備計画に盛り込まれたのを受け、幹事長当時、同空港建設計画推進に尽力した小沢氏に対するお礼という名目で都側が小沢氏らを招待したもの。金丸信元副総理(竹下派会長)はじめ、奥田敬和運輸相、村岡兼造・前運輸相ら竹下派の面々が同席した。

会談後、金丸氏は、「わだかまりなどもともとない。党が決めたからああなった」と周辺に漏らしたが、党幹事長として党中央で磯村尚徳氏をかついだのは小沢氏。一応の“手打ち”はしたとはいえ、これで選挙戦当時のしこりがすべて氷解したかどうか—。《読売新聞》

【インド、中国】国境貿易再開へ

中国、インド両国は13日、李鵬・中国首相の31年ぶりの訪印を受けて①国境貿易再開に関する覚書②総領事館(上海、ボンベイ)の再開合意③領事協約④92年の貿易議定書⑤宇宙空間利用協力合意―の5文書に調印した。

中印国境貿易は59年のチベット動乱で両国関係が悪化して以来、停滞していたが、再開の覚書調印により、双方の経済交流拡大、強化に大きく弾みがつく見通しとなった。総領事館は29年ぶりの再開となる。

一方、李鵬首相とインドのナラシマ・ラオ首相は13日午前、約2時間にわたって第二回会談を行い、両国が設置している国境問題合同作業部会を通じて国境問題の公平かつ合理的解決に努力していくことで合意。これに関連して次回(第四ラウンド)の同部会を来年の早い時期にニューデリーで開催することを決めたほか、両国が現在、実効支配している国境係争地の平和と安定を双方が維持していくことでも意見の一致をみた。

このほか、両首相は国際経済秩序、人権問題などをめぐっても意見交換。首脳会談終了にあたって李首相はラオ首相の中国訪問を招請、ラオ首相はこれを受諾した。李鵬首相はこれで訪印の実質的日程を終え、両国は最終日の16日、共同コミュニケを発表する。《読売新聞》

【中国・李鵬首相】ダライ・ラマ師と対話の用意

インドUNI通信によると、インド訪問中の李鵬首相は13日午後ニューデリー市内で行った演説の中で、チベット問題をめぐって、「中国はチベットの独立問題を除き、すべてのテーマについてダライ・ラマと対話する用意がある」と述べ、インド亡命中のダライ・ラマ師に話し合いによる解決を呼び掛けた。

李鵬首相は中国指導部はいつでも対話に応じられると指摘する一方で、チベットは中国の不可分の領土であると強調。李鵬首相の対話呼び掛けは、今回の中印首相会談でインド政府のチベット問題での中国の立場への支持を再確認したことを受けての言及と見られるが、ダライ・ラマ師はこのほどメージャー英首相と会見した際、改めてチベット独立の決意を表明しており、ダライ・ラマ師側が独立問題を除外しての対中協議に応じる可能性は低いとみられる。《読売新聞》

【TBS】謝礼払い“ナチ的行為”撮影

ネオナチによる外国人襲撃が社会問題となっているドイツで、日本のテレビ局の取材チームが、現金を払って極右青年にナチス式ポーズをとらせた疑いで公安当局から捜査されていることが、13日明らかになった。

調べによると、この取材チームは、ベルリン市リヒテンベルク地区で9日、スキンヘッズ(頭をそりあげた極右青年)のグループを取材中、300マルク(約2万4000円相当)を支払い、「ジーク・ハイル(ナチスの号令)」と叫んだりナチス式敬礼をしてもらい、これを撮影した。ドイツでは、公衆の前でのこうしたナチス式示威行為を法で禁じており、軽微なものでは罰金、場合によっては実刑を受けることもある。このため、これを目撃した公安当局係官が極右青年たちを告発した。取材チームに対しては、教唆の疑いで捜査を開始した。

この取材を行ったのは、TBS(東京放送、東京都港区赤坂)の番組を制作している制作会社「タキオン」のスタッフであることがわかった。TBS側では、「要求されて金は支払ったが、何かを頼んでやらせたことはない」と“やらせ”との指摘を否定している。

同社報道局の市村元・特別報道センター長によると、「タキオン」から、統一ドイツ後の旧東ドイツの現状にスポットをあてる企画が持ち込まれ、同局が毎週日曜日の午後6時から放映している「報道特集」で取り上げることに決め、12月初めから、「タキオン」のスタッフが現地入りして取材に入っていた。

取材班はネオナチグループのリーダーと接触、この人物の紹介で、グループのたまり場となっている旧東ベルリンのレストランを訪れ、外から13人の若者が集まっている様子を取材した。その際、メンバーの1人が路上に出て、問題のポーズをとり、やや離れた場所からこの模様を撮影したが、「ジーク・ハイル」と叫んだかどうかは、わからなかった。取材終了後、リーダーから一人あたり20マルクを支払うよう要求され、260マルクを渡したという。

市村センター長は「敬礼シーンは、取材の中で偶発的に起こったもので、こちらから何かを依頼したり、事前に謝礼の支払いを約束したりしたことはないと聞いている。一般的に報道取材で金を支払うことはなく、軽率な行為だが、国情によってはやむを得ないこともある。放映するかどうかは、事実関係をよく調べて今後検討するが、“やらせ”を疑われるようなことがあった以上、このまま放映するのはつらい」と話している。

TBSでは、昨年3月、夜のバラエティー番組「ギミア・ぶれいく」で、暴力団の債権取り立てシーンが放映され問題化。同10月には同じ番組の取材同行者が持ち出しが禁じられている。巨鳥「モア」の骨をニュージーランドから持ち出そうとして発覚する騒ぎがあ取り、番組が放映中止になった。

また、今年1月、同局が放映した芸能人によるカーレース番組が警察の許可を得ずに常磐自動車道で撮影されていたことがわかり、番組制作会社の関係者が書類送検されている。《読売新聞》



12月13日のできごと