平成980日目

平成3年9月14日(土)

1991/09/14

【台風17号】西日本に爪あと

台風17号は14日午前、中型で強い勢力を保ち九州北部を縦断した後、衰えながら速度を上げ、山陰、北陸沿岸を通って東北地方に再上陸した直後の同日午後9時、山形県米沢市付近で温帯低気圧に変わった。

警視庁の14日午後8時現在のまとめによると、台風が通過した九州北部を中心に13日から22県で民家の倒壊などの被害が出、9人が死亡、2人が行方不明となった。《共同通信》

【JR瀬戸大橋線】強風で90分立ち往生

台風17号の通過に伴う強風で、14日午後2時58分、JR瀬戸大橋線で、高松発岡山行き「マリンライナー4号」(6両)が北備讃瀬戸大橋にさしかかった所で最大瞬間風速が通行規制の25メートルを超えたためストップ。約300人の乗客を乗せたまま、海上65メートルの同大橋脚付近で1時間29分、立ち往生した。

JR西日本の観測では、当時、瀬戸大橋上の最大瞬間風速は35メートルに達していた。

左右に激しく揺れる車体。10分おきに車内放送があったが、乗客らは不安を募らせた。午後4時27分、運転再開が告げられ、ゆっくり動き出すと車内では「やった」と喜びの声が上がったという。同列車は約90分遅れて午後5時10分、岡山駅に到着。

高松市で合唱団の合宿を終えて大阪に帰る途中の大学生(23)は疲れた様子で「止まると横揺れが激しく、波乗りをしているようで本当に怖かった。“落ちる”と思っていたが無事で、少しほっとした」と話していた。《読売新聞》

【大相撲秋場所7日目】若貴兄弟また土

大相撲秋場所7日目(14日・両国国技館)快調に勝ちっ放していた平幕の大翔山に土がつき、全勝力士が消えた。大翔山はもろ差しとなった琴錦の速攻相撲に敗れて初黒星。幕内は琴錦と大翔山の2人が6勝1敗でトップに並んだ。

今場所元気な若花田は寺尾に押し出されて2連敗。注目の貴花田は水戸泉に寄り切られ4連敗で3勝4敗と黒星が先行した。大関霧島は久島海を寄り切り、小錦は物言い、取り直しの末に琴富士を下し、ともに2敗を守った。

十両はハワイ出身の武蔵丸が6勝1敗でトップに立った。《共同通信》

【全日本テニス】伊達公子選手が初優勝

テニスの第66回全日本選手権第9日は14日、東京・有明コロシアムで女子シングルス決勝を行い、第1シードの伊達公子(ヨネックス)が昨年優勝の岡川恵美子(とうきゅう)を6−1、6−3で下して初優勝、賞金200万円を獲得した。

8月のバージニアスリムズ・ロサンゼルス大会で世界3位のガブリエラ・サバティーニ(アルゼンチン)を破って準優勝している伊達は、世界30位台へアップしたランキング通りにテンポの速いストロークと好サーブとネットプレーで岡川のフォアの強打を封じ、わずか1時間7分でストレート勝ちした。《共同通信》

【自民党・三塚博元政調会長】総裁選「竹下氏出馬に期待」

自民党の三塚博・元政調会長は14日、遊説先の鹿児島、川内両市内でそれぞれ講演し、10月末の党総裁選について、「オープンに公選を基本にやればよい。海部さん(首相)も続投を決心するなら出ればよい。各グループ5人が出れば、だれも過半数を取れないから、1、2位で決選投票で決めればよい」と述べ、改めて公選論を強調した。

これに関連して、三塚氏は、「自民党の派閥は準政党だ」と指摘した上で、「経世会(竹下派)は竹下さん(元首相)、私は清和会(三塚派)、そのほか宮沢さん(喜一・元副総理)、渡辺さん(美智雄・元政調会長)と、党首である以上、明確な責任を持たなければいけない」と述べ、竹下派が竹下元首相を擁立するよう期待感をにじませた。

さらに「選ばれなかった方(立候補者)はそっぽを向かず、挙党体制で重量内閣、ベストな内閣を作りあげなければいけない」と述べた。《読売新聞》

【自民党・渡辺美智雄元政調会長】「実力者の内閣を」

自民党の渡辺美智雄・元政調会長は14日夕、福岡市内で講演し、10月末の党総裁選について、「もう少ししっかりした政権を作って実力者を全部配置するよう党も内閣もやらせようと思っている」と述べ、海部内閣に代えて実力者による政権を作るべきだとの考えを明らかにした。

さらに、この実力者内閣に関連して、「政治家のことだから、何から何まで欠点が一つもない者はいない。人によって道徳の尺度が違うが何で決めるかと言えは選挙で決める以外にない。選挙にパスすれば合格だ。前に小さな傷があるからといって『けしからん』と言っていたら(政治は)活性化しない」と述べた。これは、同氏を含め、リクルート事件にかかわった党内実力者を排除するべきではないとの考えを強調したものだ。

また、渡辺氏は、現在の社会党のあり方について、「全く社会主義と違うことをやるというならば、解党して人を代えて出直すべきだ」などと、厳しく批判した。

渡辺氏は、世界的に社会主義、共産主義の退潮が進む状況を指摘。その上で、「社会党は社会主義政党として、社会主義社会をつくるためにできた政党だ。共産党は共産主義社会をつくるためにできた政党だ。名は体を表している。違うというならば、(社会党から分裂してできた)民社党のように分裂して出直せばいい」と述べた。

さらに、渡辺氏は「看板だけちょこちょこっと直して出直すというわけにはいかない」とし、「影の内閣」の組閣など党改革を進める田辺社会党の現状を強く非難した。《読売新聞》

【クロアチア】「全土が戦争状態」

ユーゴスラビア国営タンユグ通信によると、連邦軍第一軍管区は14日午後、クロアチア共和国による連邦軍駐屯地の封鎖を解除するための軍事行動を開始したとの緊急声明を発表した。これに対し同共和国は同日、首都ザグレブに「特別防衛措置」を指令した。

軍事行動の内容は不明だが、ザグレブのムラデン・ヘドリス市長は、クロアチア・ラジオを通じ、クロアチア全土が「戦争状態にあり、自らの手で我々の領土を守らなければならない」と市民に訴えた。ザグレブに通じる道路は、クロアチア警察隊が同日朝から、検問を実施している。

軍の声明は、連邦軍部隊がクロアチア側の電力や水道、食糧輸送の切断で職務遂行を脅かされていると指摘し、軍は部隊を見捨てるか、救出のための措置を取るかの決断を迫られた、と述べ、「午後1時半に開始した限定的行動は防衛目的である」としている。

また、同通信によると、連邦軍の空軍機1機が同日午後、セルビア共和国ボイボジナ自治州のバツ村の農業、工業施設を空爆。この爆撃で、2人が死亡、少なくとも15人が負傷したという。

バツは激しい戦闘が繰り広げられているクロアチア共和国のブコバルからドナウ川をはさんでわずか数キロしか離れていない。このため、連邦軍機が同村を誤爆した可能性が高い。《読売新聞》

【米・ベーカー国務長官】エストニア入り

ベーカー米国務長官は14日、リトアニアなど独立を達成したばかりの沿バルト3か国を訪問。最初の訪問地、エストニアの首都タリンでの記者会見で、総額1400万ドルの経済援助を今月中に3国に供与する方針を表明した。

ベーカー長官は会見でまず、米国が沿バルト3か国を「中・東ヨーロッパ民主化援助プログラム」の対象に含めた事実を明らかにするとともに、当面1991会計年度(9月で終了)分の同プログラム基金から1400万ドルを供与。さらに92年度分についても「早急に米議会との協議を開始する」と明言した。

また、3か国の国際通貨基金(IMF)など国際機関加入を積極的に推進するとともに、米国がこれまでにソ連と締結した軍縮・軍備管理関係の諸条約についても、3国の独立をうけて、見直しをし、必要があれば適切な修正を行う意向であることを明確にした。

米高官の沿バルト訪問は、過去半世紀余でこれが初めて。ベーカー長官は、モスクワでの全欧安保協力会議(CSCE)人権会議に出席後、サンクトペテルブルク(旧レニングラード)に一泊、14日午前、まずタリンに入ったが、旧市街にあるエストニア政府庁舎に到着すると、市民たちから盛んな歓迎を受けた。《読売新聞》



9月14日のできごと