平成944日目

1991/08/09

この日のできごと(何の日)

【長崎】46回目の原爆忌

長崎市は9日、46回目の原爆忌を迎えた。市主催の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典は同市松山町の平和公園で開かれ、全国から集まった被爆者、遺族ら約2万5000人が犠牲者のめい福を祈り、平和への誓いを新たにした。

本島等市長は平和宣言の中で「湾岸戦争の教訓を学ぼう」と呼びかけ、平和憲法の理念に立った独自の国際貢献の必要性を強調。連合軍捕虜を含むすべての外国人被爆者、核実験や原発事故などの被害者援護のため、政府に国際医療センター設置を求めた。

式典は午前10時45分から始まり、初めて男女中学生が司会を務めた。遺族らが、この一年間に亡くなったり死亡が確認された2430人の名簿を平和祈念像前の奉安箱に納め、殉難者の総計は9万856人になった。

原爆投下の同11時2分、全員が黙とう、一分間の深い沈黙に包まれた。

本島市長は、平和宣言のかなりの部分を湾岸戦争に割き、中東地域に大量の武器輸出を続けてきた国連安全保障理事会常任理事国を批判、国連主導の武器移転禁止と軍縮を訴えた。さらに「核兵器の恐ろしさを心に刻んで」と子供たちへアピール、「長崎を世界最後の被爆地に」と結んだ。

下条進一郎厚相が読み上げた首相あいさつは、広島とほぼ同じ内容で、被爆者援護法には触れなかった。《読売新聞》

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【日本相撲協会】立ち合いの「待った」に罰金

日本相撲協会は立ち合いの乱れをなくすため「待った」に罰金を科すことを決め、9日、巡業先の札幌市で十両以上の関取に通告した。同協会が罰金制度を導入するのは初めてで、秋場所までに「規定」で明文化する。

罰金制度の対象となるのは幕内、十両の全力士。立ち合いが合わなかったり、「待った」で目に余るものについて担当の審判部長が裁定を下し、幕内では両力士に各10万円、十両では各5万円を科す。《共同通信》

【社会党・田辺誠委員長】野党党首会談を提言

社会党の田辺委員長は9日、東京・内幸町の日本プレスセンターで記者会見し「お盆明けに国会が再開されれば、証券問題究明と政治倫理法、政治資金規正法の問題について、野党間の話し合いを提唱したい。しかるべき時期に党首間でざっくばらんな話し合いが必要だ」と述べ、証券、政治改革問題などで公明、民社、社民連の3党に党首会談を呼びかける意向を明らかにした。

これに関連して田辺氏は、小選挙区比例代表並立制導入を柱とした政治改革関連法案について「この国会で十分な審議をする余裕はない。会期の大幅延長に手を貸すつもりもない。私は廃案必至と言っている」と述べた。

証券問題では、大蔵省とは別個の日本型監視機関創設の必要性を強調、「できるだけ早く、社会党としても日本型SEC(証券取引委員会)の法案要綱を作りたい。これはこの国会のケジメだ」と語り、国会として、監視機関創設を中心とする再発防止策に取り組むべきだとの見解を示した。《読売新聞》

【自民党・渡辺美智雄政調会長】総裁選出馬を明言

自民党渡辺派会長の渡辺美智雄元政調会長は9日夜、札幌市内のホテルで講演し、秋の総裁選について、「海部続投という人があるが、(自民党総裁としての)任期が切れるというのは契約期間が切れるわけだから、本人が続投させてくれと言わない限り続投はあるはずない。当然に任期が来れば退任すると思っている」と述べ、海部首相の続投論を強くけん制した。

また、自らの総裁選出馬について、「私は必ず出ますと言っている」と述べ、改めて出馬の決意を表明。正式の出馬表明については、10月6、7日の同派研修会で行う考えを示した。《読売新聞》

【海部俊樹首相】政治改革法案の早期審議を指示

海部首相は9日昼、国会内で自民党の小渕幹事長と会い、「衆院政治改革特別委員会の審議を一日も早く行えるようにしてほしい」と述べ、証券・金融不祥事問題の早期決着を図った上で、政治改革関連三法案の成立に向け、実質審議入りを急ぐよう、党側としても努力するよう指示。小渕氏もこれを了承した。《読売新聞》

【海部俊樹首相】大蔵官僚の天下り規制も

国会は9日の参院本会議で、3日間にわたる海部首相の所信表明演説に対する各党代表質問の最終日の質疑を行った。

海部首相は証券不祥事を招いた要因として指摘されている大蔵官僚の証券業界への天下り問題について「行政への信頼を損なうことのないよう、今後は厳正に対処したい」と述べ、天下り規制に取り組む考えを示した。《共同通信》

【オリックス・長谷川滋利投手】プロ初完封

西武0−4オリックス◇9日◇神戸 七回まで四度の得点圏走者を生かせなかったオリックスは八回、先頭元西が左越え3号ソロ。動揺した渡辺久に松永、石嶺が連続タイムリーを浴びせて計4点。新人長谷川は再三走者を出しながらも緩急を織り交ぜ西武打線を6安打に抑えてプロ初完封。このカード五度目の先発で初白星を飾った。チームは6月28日以来の5連勝で借金を「2」とし三位に浮上。 西武は四回一死二塁でクリーンアップに一打がなく、先制機を逸したのが痛かった。

西武戦五度目の挑戦で初白星。しかもプロ初完封とあってオリックス・長谷川は内、外野のファンに両手を上げて笑顔を振りまいた。 二回から六回まで毎回走者を背負ったが、ここで力を発揮したのがシンカーなどの緩急。要所を締めた123球に「いつもカーッとなるところで冷静にいけた。コースを丁寧につく。これが自分の投球と思い返した」。《読売新聞》

【ノーマン・シュワルツコフ米中央軍司令官】退官式

湾岸戦争最大のヒーローとなったノーマン・シュワルツコフ米中央軍司令官(大将)の退役式が9日、同軍の拠点、フロリダ州マックディル空軍基地で華々しく行われた。

「ベアー(熊)」の異名を持つ巨体の同司令官は、「いかに有能な雄弁家や詩人であっても米国歌を聞きながら星条旗に宣誓する時の軍人の深い心を表現し尽くすことは不可能だ」と、時に涙を浮かべながらお別れ演説。これに対しチェイニー国防長官が、「危機にあっては、一人の人間が命運を左右する。同司令官こそがその人間であり、われわれに勝利をもたらした」と、送別の言葉を贈った。パウエル米統合参謀本部議長も「ペルシャ湾の砂に、空に、そして海に、君が描いた勝利の物語に感謝をささげたい」とたたえた。

同司令官の正式退官日は今月31日。ジョセフ・ホアー海兵隊大将にポストを譲るが、回顧録の著作料としてすでに500万ドル(約7億円)を手に入れたともいわれ、次は上院議員か実業界に転身、というウワサも。《読売新聞》



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