平成945日目
1991/08/10
この日のできごと(何の日)
【海部俊樹首相】中国・李鵬首相と会談
海部首相は10日午後、北京の人民大会堂で李鵬・中国首相と約2時間半にわたり会談を行った。海部首相は軍縮、軍備管理問題に関し、1.核拡散防止条約(NPT)に加盟する 2.日本の提唱している、武器輸出入の国連報告制度について国連総会で共同提案国になるーことを要請。これに対し李鵬首相は「中国は原則的にNPT参加を決定した」と述べ、中国の核拡散防止条約加盟を決定したことを初めて明らかにした。
海部首相が日中関係について「良好な関係の発展はアジア太平洋のみならず世界の平和と安定にも重要。今回の訪中でさらに安定させたい」と述べたのに対し、李鵬首相は「1989年(の天安門事件)以来、日中関係は一部後退したが、双方の努力で回復している。日本政府、とりわけ海部首相が日中関係、中国と西側諸国の関係促進に努力したことを高く評価する」と答え、日中関係の本格的修復を強調した。《共同通信》
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【自民党・小沢一郎前幹事長】退院
狭心症と診断され、都内の病院に入院していた自民党竹下派会長代行の小沢一郎・前幹事長が10日午前、約1か月半ぶりに退院した。 小沢氏は病院の玄関先で報道陣のインタビューに応じ、「いろいろみなさんに迷惑をかけて申し訳なく思っている。約40日間、医者の言う通りやっていたから身も心もきれいになった。久し振りの休養にもなった」と述べた。小沢氏は9月半ばごろまで、東京・世田谷の自宅を始め、都内で静養を続ける。
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自民党竹下派会長代行の小沢一郎・前幹事長は10日午前、都内の病院を退院後、都内の事務所で記者団と懇談し、今国会での政治改革関連法案の取り扱いについて、「国会に(法案が)出た以上は、通す通さないは各会派、各党間の審議にゆだねるしかない。(法案が)継続になれば海部首相(続投)で、廃案なら海部首相は辞めなければというような次元ではない」と述べ、秋の総裁選をにらみ、政治改革関連法案の成否を政局に絡めようとする動きをけん制した。
また小沢氏は、国連平和維持活動(PKO)協力のための新組織「平和維持活動協力隊」(仮称)の政府案とともに、「条件が満たされない事態が生じた時はわが国は撤収する」などの平和維持軍参加五原則が示されたことについて、「国際社会(の常識)でもおかしい」と批判した。《読売新聞》
【栃木県警】乳児を略奪した40歳主婦を逮捕
栃木県黒磯市の産婦人科病院から9日夕、生後4日の男児が女性に連れ去られた。黒磯署は10日午後3時40分ごろ、未成年者略取誘拐の現行犯で同県西那須野町の主婦(40)を自宅で逮捕、一緒にいた赤ちゃんを21時間ぶりに保護した。主婦は今年1月に流産したことを夫に隠しており「子供が欲しかった」と供述しているという。《共同通信》
【中国、ベトナム】正常化で一致
中国、ベトナム両国は10日夜、さる8日から3日間にわたって北京で行われた中越次官級協議を受けてコミュニケを発表、この中で両国が「平和共存5原則に基づいて中越関係正常化を実現することは両国人民の願望に合致し、この地域の平和、安定と協力に有利である」との認識で一致したことを明らかにした。また、コミュニケは両国間の最大の懸案だったカンボジア問題でも早期政治解決を図ることで合意したとしており、78年のベトナム軍のカンボジア侵攻以来、悪化していた両国関係は早期完全正常化に向けて大きく動き出す見通しとなった。
新華社通信などを通じて公表されたコミュニケによると、双方は二国間問題に関して、関係正常化と、経済・貿易、交通、通信、郵便などの各業務関係の早期回復を巡って意見交換し、平和共存五原則(主権・領土の保全と相互尊重、相互不可侵、内政不干渉、平等互恵、平和共存)を基礎とした正常化実現で意見の一致をみた。これは、両国が関係正常化で原則合意したものと言え、今秋にも実現すると見られるド・ムオイ・ベトナム党書記長の訪中で正常化が正式に発表される可能性が強まった。《読売新聞》
【都はるみさん】成田で熱唱
成田空港の二期工事用地内にある未買収地で10日夜、歌手・都はるみさんの屋外コンサートが開かれ、約4000人がはるみ節をたんのうした。
反対闘争が25年を迎えたのを機に、空港反対同盟熱田派有志が企画し、周辺自治体などが後援。畑の中の会場には、成田問題への賛否の枠を超えて観客がと集まり、空港公団も管理地を駐車場に提供した。空港建設をめぐっては今秋、闘争史上初の対話の場となる公開シンポジウムが開催予定。
約20曲を歌い終え、感想を聞かれたはるみさんは、「私も(成田)空港を利用していますし、複雑(な気持ち)ですね」。
コンサートを運営した農民の一人は「この近くでかつて逮捕されたことがあります。対決から対話への流れを感じます」と感慨深げだった。《読売新聞》