平成938日目

1991/08/03

この日のできごと(何の日)

【富士銀行不正融資事件】橋本蔵相の秘書が仲介

富士銀行赤坂支店を舞台にした不正融資事件で、橋本蔵相の東京事務所の統括責任者で元都議の小林豊機秘書(50)が、女性料理店主や男性俳優ら3人に約14億円にのぼる融資の仲介をしていたことが、3日明らかになった。橋本蔵相も同日、記者会見して事実関係を説明、「秘書の監督不行き届きだった」と陳謝した。

関係者によると、小林秘書は、富士銀行赤坂支店のB元渉外課長(38)(懲戒解雇)に関連した不正融資をノンバンクから受けていた21社のうち、東京都中央区内のA社の社長の知人で、この社長を通じてB元課長と知り合った。

その後、小林秘書は以前からの知り合いの東京・赤坂の女性料理店主(46)と実業家としても知られる俳優(51)から融資の相談を受け、B元課長を紹介した。B元課長はA社に、架空預金証書を発行して、ノンバンクから多額の融資を引き出させ、このうち料理店主に10億円、俳優に1億5000万円を無担保で融資したという。

さらに、B元課長は山梨県上野原町のスポーツクラブ社長に2億5000万円を融資した。他に2人も小林秘書が紹介したが、これは結局、融資話がまとまらなかったという。

一方、橋本蔵相によると、小林秘書から蔵相に融資仲介の説明があったのは、ロンドン・サミットの直後の先月25日。同秘書はB元課長が告訴されたことを知って困り果てた様子だったが、蔵相は、「(客を集める)渉外係だけでなく、(審査する)融資係にまで話がつながっているかどうかを確認していれば、今度のような問題は防げたはずで、依頼者に対して誠意ある対応ではなかった」と同秘書をしかったという。

融資を受けた俳優は、蔵相が代議士に当選して以来30年来の交際。女性店主が経営するてんぷら屋も蔵相自身、私的な会合にたびたび利用しているが「今年になってから行ったことはない」(蔵相)という。

小林秘書は、橋本蔵相が代議士に当選した当初からの古い付き合いで、橋本事務所では中心的存在。自らも昭和46年から52年まで練馬区議を2期務めたあと、都議に転じ、新自由クラブに所属して56年までの1期を務めた。この間、水道や交通問題を扱う公営企業委員長。蔵相の有力政治団体の一つ、「新政治問題研究会」の代表者でもある。B元課長とは、最近までパーティーや事務所で何度か会っていたという。《読売新聞》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【自民党・小渕恵三幹事長】「陳情伝達したあっせん行為」

自民党の小渕幹事長は3日昼、党政経文化パーティー出席のため訪れた那覇市内のホテルで記者会見し、橋本蔵相の秘書が富士銀行の不正融資に絡んでいた問題で、「蔵相から聞いていない」とした上で、「陳情の要請があって金融機関に伝達したということだと思う。政治に携わる者の正常なあっせん行為だと思うが、実情を調べた上でコメントしたい」と述べた。《共同通信》

【自民党・小渕恵三幹事長】「証券問題、早急に結論」

自民党の小渕幹事長は3日、那覇市内のホテルで記者会見し、5日に召集される臨時国会への対応などについて所信を明らかにした。小渕氏は「証券問題に早急に結論をつけて、その後は堂々と本旨に戻って政治改革問題に取り組んでいきたい」と述べ、証券不祥事への対応を急ぎ、会期末(10月4日)までの政治改革関連法案の成立をめざし、全力を挙げる方針を明らかにした。

小渕氏は、証券会社の損失補てん問題などをめぐる国会審議について、「ある一定の期間を定めて濃密な議論を展開して、できれば適切な法律を可能な限り速やかに成立させることが必要だ」と述べ、具体的に①証券取引法の改正②監視機関の設置—などの対応策を例示。

さらに、集中審議のための特別委員会設置にも重ねて前向きな姿勢を示し、最近の証券、銀行業界などの不祥事について、「日本の自由主義経済、資本主義経済のさらなる発展のため、ウミを出せるものは出してしまう必要がある」と語った。《読売新聞》

【北海道拓殖銀行、横浜銀行】集金・両替を有料化へ

都市銀行の北海道拓殖銀行と地方銀行トップの横浜銀行は3日、集金や両替などの業務の無料サービスを廃止し、今年秋から段階的に有料化することを明らかにした。金利自由化が進み、収益環境が厳しい中「規制金利時代の非効率サービスを見直し、サービスコストに見合った料金を取る必要に迫られたため」(拓銀)で金融界では初めて。利用者にとっては、自由化で預金金利が上がった反面、金融サービスに代価を払わなければいけない時代になる。

集金、両替サービスは現在、鉄道会社、電話局、スーパーなどから商店、個人客に至るまで、金融機関の職員が訪問して無料で行っている。規制金利時代には、集金したお金を普通預金や通知預金に預けてもらえば手間をかけてもコストに見合っていたが、金利自由化の進展で資金調達コストが上がり、「採算が合わなくなってきた」(横浜銀)という。《読売新聞》



8月3日 その日のできごと(何の日)