平成914日目

1991/07/10

この日のできごと(何の日)

【天皇皇后両陛下】雲仙を慰問

天皇、皇后両陛下は10日午前、長崎県の雲仙・普賢岳噴火の被災者を見舞うため、島原入りされた。天皇一が災害のさなかに被災地を訪問されるのは戦後初めて。 宮内庁は「災害規模が大きく生活への影響も深刻」として両陛下の現地訪問に踏み切ったが、定期便の飛行機での日帰りにするなど異例ずくめの日程で、災害に苦しむ地元民への気遣いも示した。

両陛下の島原到着は午前10時10分。長崎空港から政府専用ヘリコプターで県立島原工業高校グラウンドに降り立ち、まず近くの旅館「南風楼」で、先月3日の火砕流で亡くなった消防団員の遺族34人の出迎えを受けられた。 天皇陛下は「どうぞお元気で」「残念なことになりましたね」と激励。元気なころの夫、安男さん(37)の写真を手にした大町寿美さん(34)に、皇后さまは「ご主人ですか」と声をかけ、「みなさんのために大変でしたね。おさみしいでしょう…。子供さんを健やかに育てて下さいね」と寿美さんの手をにぎられた。

この後、両陛下は避難所へ向かわれたが、天皇陛下は背広の上着とネクタイをとられ、腕まくりのワイシャツ姿。最初の霊丘公園の仮設住宅では、約25分間にわたってプレハブの仮設住宅6軒を戸外から慰問、同市天神元町から避難している板金業佐藤国義さーん(59)方では、天皇陛下が「大変でしたね」、皇后さまも「暑いから気をつけて頑張って下さい」と声をかけられた。

ご訪問施設は同市内のほか水無川南側の深江町、布津山の仮設住宅、小中学校体育館など計7か所。お見舞い時間は一か所当たり平均20分程度、午後4時半までに休憩は一回だけというハードスケジュールだった。地元住民は「わざわざ来て下さってありがたい」という受け止め方が大半だったが、中には「両陛下のお見舞いはともかく一刻も早い政府の援助も必要だ」と言う商店主もいた。

溶岩ドームの崩壊進む長崎県雲仙・普賢岳の地獄跡火口東側斜面で成長を続けている溶岩ドームは10日午前、前日より20メートル斜面を下り、切り立った先端部でさらに崩壊が進んでいることが、中田節也・九州大理学部助手(火山岩石学)の上空からの観察でわかった。《読売新聞》

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【前田敦子さん】誕生日

【大相撲名古屋場所】4日目

大相撲名古屋場所4日目(10日・愛知県体育館)2横綱1大関が敗れる大波乱。全勝の北勝海は立ち合いから攻め込みながら、突き返され栃乃和歌に逆転負け。霧島も新小結貴花田の力強い相撲に完敗した。大乃国は大翔山の下手投げに横転し2敗となったが、小錦は苦手の安芸ノ島を破り1敗を守った。

旭富士は若花田の挑戦を退けた。琴錦にも土がつき、勝ちっ放しは平幕の琴富士だけ。《読売新聞》

【大蔵省】蔵相、次官ら減給処分

橋本龍太郎蔵相は10日、臨時閣議後の記者会見で、大手証券会社による大口顧客への損失補てんや暴力団との不明朗な取引など、一連の証券不祥事に対する責任をとって、蔵相が俸給月額の10%相当分を7月から9月までの3か月間、国庫に返納するほか、保田博事務次官、松野允彦証券局長、中平幸典大臣官房審議官(証券局担当)、堀田隆夫証券局業務課長の4人を10日付で訓告処分とする大蔵省としての処分を発表した。

これに伴い保田次官、松野局長の2人も自発的に、俸給月額の10%相当分を7月から9月まで返納する。さらに、再発防止へ向けて、証券会社、銀行など、金融機関に対する大蔵省の検査体制を全面的に見直すことを決め、省内に篠沢恭助官房長を長とするプロジェクトチームを設置した。

不祥事にからんで、現職の閣僚や事務次官が実質的な減俸となるのは、これが初めて。

一連の証券不祥事をめぐっては、8日に、証券大手四社に対する営業自粛などの行政指導、各社の社内処分が発表されている。しかし、平成元年12月に大蔵省が損失補てんを禁じる通達を出した後も、補てん行為が行われていたことから、同省が補てんを黙認していたのではないかとの疑念が生じているのをはじめ、同省の監督責任を問う声が強まっていた。《読売新聞》

【ボリス・エリツィン氏】初代ロシア共和国大統領就任

ソ連ロシア共和国の最高機関、共和国人民代議員大会の臨時大会が10日、クレムリンで開幕、ボリス・エリツィン現共和国最高会議議長(60)が、国民の直接選挙による初代共和国大統領に正式に就任した。人口、面積、資源ともソ連最大のロシアに、連邦大統領と匹敵する権限を持つ公選大統領が誕生したことで、85年以来のゴルバチョフ体制は大きな節目を迎えた。

大統領就任式は代議員大会の冒頭、午前10時(日本時間午後4時)に始まり、エリツィン氏が壇上で右手を胸に「ロシア憲法を順守し、主権を守り、市民の権利と自由を擁護し、国民からゆだねられた義務を誠実に果たす」と宣誓した。

エリツィン氏は続いて最初の施政方針演説を行い、先月12日の大統領選でロシア国民は「急進改革と民主化の推進とロシアの再生を選択した」と強調。「個人の尊厳よりも国家の利益」が優先された」過去と決別し、「あらゆるイデオロギーの独裁」を断ち切る脱イデーオロギー化を基本政策に掲げていくと表明した。

式典にはゴルバチョフ大統領、各共和国代表らと並んで、ロシア正教会のアレクシー総主教が出席、「(ロシア革命後)七十余年の歴史は精神の崩壊の過程だった」と共産党批判演説を行った。また、宣誓の前後にはファンファーレとロシア国民楽派の祖グリンカの禁止されていた曲「皇帝にささげた命」の合唱が響くなど、就任式は「共産党色」の一掃されたものとなった。《読売新聞》

【海部俊樹首相】米へ出発

海部首相は、日米首脳会談、先進国首脳会議(ロンドン・サミット)、日ソ首脳会談などに臨むため、10日午前11時30分すぎ、羽田発の日航特別機で出発した。

首相は11日(現地時間)、米国メーン州のケネバンクポートのブッシュ米大統領の別荘で、日米首脳会談を行う。この後、首相は15日(同)から開かれるロンドン・サミットに出席。17日(同)には、日ソ首脳会談などに臨む。《読売新聞》



7月10日 その日のできごと(何の日)