平成915日目

平成3年7月11日(木)

1991/07/11

【海部俊樹首相】米・ブッシュ大統領と会談

海部首相とブッシュ大統領による日米首脳会談は、11日午後3時半(日本時間12日午前4時半)過ぎから、米メーン州ケネバンクポートの大統領別荘で約1時間30分行われ、15日からの先進国首脳会議(ロンドン・サミット)を控えて、対ソ金融支援や関税・貿易一般協定(ガット)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)などについて意見交換、終了後に両首脳が共同記者会見した。

会談で両首脳は、日米欧の利害が対立、難航している新ラウンドについて成功裏に年内、または来年初めに終結させることを再確認した。しかし焦点の農業問題ではコメの市場開放で首相の決断を求める米国と日本の間に依然大きな隔たりがあることが浮き彫りになった。また、対ソ金融支援では、ソ連が市場経済システムの導入な政治、経済両面の三項目にわたり改革を達成させることが条件、との認識で一致した。

会談には、日本側から小和田恒外務審議官(政治担当)、米側からブレント・スコウクロフト大統領補佐官(国家安全保障担当)が同席しただけで、実質的には二人だけの会談となった。大統領と首相はその後一の夕食会でも意見交換を行った。

新ラウンド全体では、「年内の成功裏の終結が、世界経済の発展に重要」との認識で一致、コメを含む農業問題や知的所有権、貿易関連投資など四分野を中心に、日米協調を強めることを確認した。

コメ市場開放問題では、大統領は、「コメ問題が合意に達すれば、ウルグアイ・ラウンドの農業交渉を前進させることができる」と述べ、農業保護政策を続ける欧州共同体(EC)を譲歩させるためにも、日本のコメ市場開放が不可欠との認識を表明した。

さらに大統領は、農業では、アメリカも、輸出奨励策や輸入割り当てなどの問題を抱えていることを認めたうえで「(各国が)テーブルに問題を乗せ合って解決する必要がある」と強調。首相にも政治的決断を求めた。しかし、サミット前という時期から、「コメの関税化による市場開放」を直接的に要求することは避け、一定の配慮も示した。

これに対し、首相は「コメ問題は、アメリカ、ECの持つ困難な問題とともに、ウルグアイ・ラウンド一の中で解決に努力する」と従来の主張を繰り返すにとどめた。《読売新聞》

【西武・清原和博内野手】球宴ファン投票で31万2420票獲得

プロ野球オールスターゲーム運営委員会は11日、東京・内幸町のコミッショナー事務局でファン投票の最終結果を発表し、両リーグ通じての最多得票は2年連続でパ一塁手・清原(西武)の31万2420票だった。

初めてファン選出されるのはセの捕手古田(ヤクルト)とパの外野手佐々木(ダイエー)の2人で、ともに球宴出場は2度目。外国人選手が1人も当選しなかったのは1982年以来9年ぶり。《共同通信》

【大相撲名古屋場所5日目】2横綱3敗

大相撲名古屋場所5日目(11日・愛知県体育館)2横綱が敗れる連日の波乱となった。大乃国は攻め込みながら、貴闘力に回り込まれて押し出され連敗。旭富士も曙に完敗、ともに3敗となった。

北勝海は琴錦に快勝。小錦、霧島の両大関は安泰で、1敗を保った。平幕の琴富士はただ1人、初日から5連勝。《読売新聞》

【サウジアラビア】巡礼機が墜落

サウジアラビア紅海岸ジッダからの報道だと11日朝(日本時間同午後)、248人のアフリカ人メッカ巡礼者を乗せたカナダ航空のDC-8型旅客機が、ジッダ郊外のアブデル・アジズ王国際空港を離陸直後火災を起こし墜落した。同機はナイジェリア航空がチャーター、ナイジェリアのソコトへ向かう予定だった。

空港筋によると、乗客と15人の乗員全員、計263人は死亡したもよう。在ジッダ日本総領事館が確認したところによると、乗客に日本人はいなかった。

空港当局者によると、事故機が離陸した直後、パイロットが管制塔に「テクニカル・トラブル」が発生し空港に戻ると、報告して来た。また、目撃者によると、事故機は離陸直後出火したもようで、滑走路を低く飛ぶ事故機からは煙と炎が噴き出していたという。ある目撃者は、「事故機が地面に墜落し、炎が六階建てのビルの高さにまで噴き上がった」と墜落の状況を語っている。

乗客は、イスラム教の最高聖地メッカへの大巡礼(イスラム暦の巡礼月に行う巡礼)を終えて、帰国する途中だった。今年の巡礼月(6月13日から7月12日まで)には、全世界から約200万のイスラム教徒がメッカ、メジナを訪れた。

メッカ大巡礼で、大事故・事件が発生することが多く、昨年は、メッカのトンネル内で停電のため巡礼者の将棋倒しが発生、1426人が死亡した。《読売新聞》

【長崎県島原市、深江町】警戒区域を15日再延長

長崎県雲仙・普賢岳の噴火活動で、島原市と隣接の深江町は、「警戒区域」の指定期限が12日正午で切れるのを受け、11日、それぞれ災害対策本部会議を開き、「火砕流や土石流発生の危険は以前にも増して強い」として、今月27日正午までの15日間、継続することを決めた。

対象となるのは、島原市が17地区の1871世帯、6545人、深江町が13地区、869世帯、3597人。長い地区では、避難生活が一か月以上に及んでおり、警戒区域指定の再延長で住民のいら立ちはさらに募りそう。

一方、九州大と東大地震研究所は、普賢岳のマグマ供給量について、5月20日の溶岩ドーム出現以来、8日までに噴出した総量は1290万立方メートルと算出、「島原大変」と呼ばれた約200年前の噴火の噴出畳(約2200万-2300万立方メートル)の半分を超えたことが、11日わかった。

総噴出量の内訳は、溶岩ドームの体積が420万立方メートルが、火砕流やドーム崩落によるたい積物が870万立方メートルで、ドームの成長は一日当たり約22万立方メートル(6月30日以降)としている。

中田節也・九州大助手は「マグマは一定レベルで供給されており、火山活動がヤマを越えたとはいえない」と分析している。《読売新聞》

【米政府】クラーク基地放棄検討

フィリピンのラウル・マングラプス外相は11日、記者団に対し、米比基地交渉のリチャード・アーミテージ米側代表から「クラーク米空軍基地の放棄を米政府は検討している」との正式通知があったことを明らかにした。

米側はこれまで在比米軍基地協定が切れる今年9月以降も、クラーク米空軍、スビック米海軍基地を10-12年にわたって存続したいとしていた。しかし、先月10日のピナツボ火山の大噴火で、クラーク基地の諸施設が大きな被害を受けたため、放棄検討の通知をしたものとみられる。

ニコラス・プラット駐比米大使は同日、「クラーク放棄の決定は聞いていない」としながらも「被害は深刻で基地内は荒野のようだ」と被害の大きさを強調した。

また、米ABCテレビは10日、国防総省筋の話として、クラーク基地の撤去費用は1億ドルだが、被害修復には5億ドルがかかるため国防総省は基地放棄を政府に進言した、と報じている。さらに、ピナツボ火山は現在も噴煙を噴き上げており、比国立火山・地震学研究所では、今後3年間は噴火活動が続く可能性がある、と警告している。

以上の点から、アーミテージ代表が、15日から始まる第7回米比基地交渉で、クラーク基地放棄か、大幅な同基地縮小を提言する可能性が高くなった。

マングラプス外相は同日、「クラーク基地返還は、わが国の最初の要求である。ただ、基地を噴火以前の形にして返してもらいたい」としており、交渉での新たな争点となりそうだ。《読売新聞》



7月11日のできごと