平成908日目

1991/07/04

この日のできごと(何の日)

【レバノン軍】PLOと停戦成立

南レバノン・サイダからの報道によると、サイダ南東のパレスチナ難民キャンプを舞台に、民兵の武装解除を求めるレバノン軍と、それを拒否するパレスチナ解放機構(PLO)の間で続いていた戦闘は4日、レバノン政府とPLO代表の交渉で、PLOが政府軍の南レバノン配備を受け入れたのに伴い停戦が成立した。

1日からの戦闘で、総勢1万人の政府軍は約6000人のPLOゲリラを追って2つの難民キャンプに猛攻をかけ、4日には歩兵部隊がミエミエ・キャンプの一部に突入。これまでに確認されただけでも民間人を含む65人が死亡、数百人が負傷した。

両キャンプに住む計約6万人のパレスチナ人は、ベイルートの難民キャンプで1000人以上の民間人がキリスト教民兵に虐殺された82年の事件の再現を恐れてパニック状態に陥った。

このためアラファトPLO議長はハラウィ・レバノニン政権の背後にいるシリアをはじめ、アラブ諸国に仲介を要請していた。

レバノン政府代表のアミン国務相は停戦交渉に入る。直前、「PLOはゲリラを難民キャンプ内に撤退させることに同意した」と述べており、その方向で事態を収拾した模様。

だが、PLOを無力化し、南レバノンからイスラエルへのゲリラ攻撃を根絶した上で、レバノン南端の「安全保障地帯」に居座るイスラエル軍の撤退を要求しようとするハラウィ政権の覚悟は固く、たとえ停戦になっても、PLOは重火器を一政府軍に引き渡し、キャンプ内に封じ込められるめ、武装組織として重大な打撃は避けられない。《読売新聞》

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【社会党委員長選挙】田辺誠氏が出馬を表明

社会党の田辺副委員長は4日夕、当本部で土井委員長との会談や三役懇談会などの席上、後継委員長公選に立候補することを正式に表明した。

出馬理由について田辺氏は「党の改革と再生の道筋をつける」とし、土井社会党路線を継承するとともに、護憲の理念を生かすための現実的方策を示していく決意を強調した。《共同通信》

【宮城沖】航空自衛隊ブルーインパルス2機墜落

4日午後、宮城県・金華山の東南東約10キロ沖の太平洋で訓練飛行をしていた航空自衛隊松島基地第四航空団所属のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」のT2ジェット練習機2機が墜落した。

松島基地のヘリコプターや捜索機など9機と巡視船2隻が捜索していたが、午後3時すぎ、巡視船「まつしま」が金華山の東方約17キロの海上で遺体の一部とヘルメット、T2のものとみられる翼の一部などを見つけ、収容した。《共同通信》

【ユーゴスラビア】停戦で合意

スロベニア共和国内で交戦を続けていた同共和国防衛隊とユーゴ連邦人民軍は3日午後、戦闘停止の状態に入った。

同日夜から4日未明にかけての徹夜の停戦交渉で最終合意が成立、共和国国境および各戦略拠点に展開していた連邦人民軍(推定兵力約8000人、戦車、装甲車約400台)は4日朝から本格的な撤退を開始した。

これにより6月26日から続いていたスロベニアでの軍事衝突は9日ぶりに終息した。《共同通信》

【ユーゴスラビア連合軍】兵士にえん戦広まる

連邦軍とスロベニア共和国防衛隊の緊張状態が続く中で、連邦軍から脱走したり共和国側に進んで投降する兵士が続出している。

スロベニア当局に投降した連邦軍兵士によると、オーストリア国境に近いマリボルの連邦軍兵舎からは、4日午前だけで、3分の1にあたる約150人が脱走した。中には将校も含まれていたという。

ベオグラード出身の脱走兵デアンさん(19)は、「私が知っている限りでは、もう軍隊の形をなしていない。最初は、引き止められそうになったが、途中からは(残った将校たちも)止める気をなくしたようだ」と士気の低さを証言した。マリボルの市中心部では、のんびりひなたぼっこをする若い脱走兵のグループもいたという。

また、セルビア共和国のクルセバツ出身の兵士は、「銃撃戦が始まった時は、空に向けて銃を撃った。だれも傷つけたくなかったのだ」と、兵士の間でえん戦気分が広まっていることをうかがわせた。《読売新聞》



7月4日 その日のできごと(何の日)