平成902日目

平成3年6月28日(金)

1991/06/28

【ユーゴスラビア】連邦軍が戦闘停止

ユーゴスラビア連邦軍との衝突が続くスロベニア共和国で、連邦軍は28日、首都リュブリャナのプルニク国際空港、第二の都市マリボル空港、各地の国境検問所を戦闘機などで爆撃し、地上でも共和国の郷土防衛隊などと各地で衝突、多数の死傷者を出した。連邦軍は同日午後(日本時間同深夜)「スロベニアのすべての対外国境検問所を制圧したため、戦闘行為を停止する」と発表、連邦政府のマルコビッチ首相も連邦軍の軍事行動停止を確認した。

これに対しスロベニア共和国のヤンシャ国防相らは直ちに、連邦政府の停戦発表は「連邦側の策略であり、認めれば、これまでわれわれが得たものを失うことになる」と拒否するとともに、連邦軍が停戦発表後も攻撃を続けていると非難した。

連邦軍の停戦発表の背景には、欧州共同体(EC)など西側の非難で国際的孤立の恐れが強まったこともあると見られる。しかし、スロベニア共和国政府は、連邦軍の全部隊が所属する駐屯地に撤退することを和平交渉の前提にしており、状況は楽観できない。

スロベニア共和国政府や目撃者の情報によると、オーストリア国境のセンティリ検問所では、28日の連邦軍機の爆撃で5人が死亡した模様。また連邦軍戦闘機4機がリュブリャナの空港を爆撃、航空機などを破壊。マリボル空港にも機が飛来して爆撃した。

スロベニア共和国のバフチャル内相は、連邦軍が国境検問所で民間人の車の列を爆撃したと激しく非難した。

連邦軍と郷土防衛隊などの地上での衝突も各地で断続的に続き、オーストリア・ブライブルク近くの検問所で死者2人、マリボルでスロベニア警察と連邦軍の銃撃戦で警官1人の死亡が伝えられる。イリルスカ・ビストリッツァでは、郷土防衛隊員2人と、連邦軍兵士1人が負傷した。《読売新聞》

【NTT】市内通話の赤字大幅減

日本電信電話(NTT)は28日、91年3月期の電話サービス部門別収支を発表した。加入電話サービスの市内外収支では、市内通話の赤字を市外通話の黒字でカバーする構造は変わらないものの、前期に比べて、市内通話の赤字と市外通話の黒字がともに減少、とくに市内赤字の大幅減が目立った。

市内外収支はNTTの市内部門と市外部門を分けて別会社にするかどうかという分割論議を進める上での基礎数字として注目されている。

金融収支を含まない営業損益ベースでみると、市内通話部門の赤字は、合理化努力によって、前期の138億円から32億円と大幅に縮小した。高収益部門だった市外通話部門は、9543億円の黒字となったものの、新電電との競争や料金値下げの影響を受けて、黒字幅は前期に比べて9%減少した。

NTTによると、市内部門の赤字幅は減ってきているとはいえ、別に会計処理されている電話の設置工事などをまかなう基本料の収支は1899億円の赤字となっており、番号案内サービスなどを加えると、赤字幅はさらに拡大するという。

基本料金なども含めた加入電話サービス全体の営業損益は前期比14%減の7429億円の黒字。加入電話に公衆電話や自動車電話などを含めた電話サービス全体の収支は同10%減の5449億円の黒字になった。《読売新聞》

【丸大脅迫事件】公訴時効成立

グリコ・森永脅迫事件(警察庁指定114号)で、犯人グループが昭和59年6月28日、丸大食品(本社大阪府高槻市)に対し現金5000万円を脅し取ろうとした恐喝未遂事件の公訴時効(7年)が、28日成立した。「キツネ目の男」はこの事件で初めて捜査員に目撃された。《共同通信》

【橋本龍太郎蔵相】野村証券前社長発言を批判

橋本龍太郎蔵相は、28日の閣議後の記者会見で、27日に開かれた野村証券の株主総会での田淵義久前社長の発言に対し、「内容的にも表現的にも極めて不適切だ。これだけ大きな関心を持たれている問題の当事者として、もう少し事態を深刻に見据えてほしい」と厳しく批判した。

田淵前社長は、株主総会で、大口投資家への損失補てん問題に関し「補てんではなかった。大蔵省にも了承してもらっていることだ」などと発言したもので、野村証券では同日夜、酒巻英雄新社長が会見、「舌足らずった」と田淵前社長の発言を修正している。

また、平成元年12月に大蔵省が損失補てんを禁じる通達を出してから、証券各社が補てん状況の報告を終えた翌年3月までの間、補てん行為を大蔵省が黙認していたのではないか、とされている点について、蔵相は、「法律に規定されていないことを通達で規制するには、限界がある」と説明した。《読売新聞》

【皇太子殿下】母校で特別講義

皇太子さまが母校の学習院大で特別講師を務められることになり、28日午前、一回目の講義があった。中世交通史がご専門の皇太子さまは、これまで国際経済史学会で発表の経験があるが、教壇に立たれるのは初めて。

講座は経済学部の三、四年生を対象にした「交通と流通の国際比較歴史と理論」。秋篠宮紀子さまの父親、川嶋辰彦教授らも持ち回りで講師を務め、皇太子さまは来春までに四回を受け持たれる。

午前10時50分すぎ、教室に姿を見せた皇太子さまは、約100人の学生を前に「わたくしはこのような経験は初めてで、万が一まずい講義になったら、終わった後よけにおいしい食事をしてがまんして下さい」と切り出し、約1時間半にわたって日本の原始から鎌倉時代にいたる交通と流通の歴史的変化を講義された。

この日の講義には、同大四年生の紀宮さまも出席、兄の初講義に耳を傾けられた。終了後、皇太子さまは、「研究の一端を、かねて夢見ていた大学で講義することができ、大変うれしく思っています」と感想を語られた。《読売新聞》

【自民党三塚派】新体制発足

自民党三塚派(会長、三塚博・元政調会長)が28日の総会で新体制を発足させた。新体制の最大の特徴は、会長代行、事務局長の両ポストを新設して派閥組織の機能強化を図ったこと。三塚会長が「派内融和」を掲げながら主導権の確保を狙った布陣になっている。

同派の陣容は、①三塚会長の相談役として長谷川峻座長、塩川正十郎代表世話人の両氏②同派執行部として、会長補佐役の森喜朗会長代行(衆院議運委員長)、派内のとりまとめや他派との折衝役の大野明事務総長(前運輸相)、塚原俊平事務局長(前労相)―となる。

会長代行に就任した森氏は三塚氏と同盟関係を結んで、「三塚会長」誕生に向け、長老議員の説得、若手議員のとりまとめなどに奔走した。会長代行就任は、その「功績」を認められたものだが、三塚氏が、あえて会長代行ポストを新設してまで森氏を処遇した裏には、三塚氏の派内基盤がまだ強固ではなく、森氏を「派内でにらみをきかせる地位につける必要があった」(同派幹部)とみられる。

三塚氏は当初、事務総長に、三塚—森陣営の小泉純一郎・事務総長代理の昇格を考えていた。これに対し「三塚会長」に最後まで反対した加藤六月政調会長支持グループが、「森氏の会長代行と小泉氏の事務総長就任は、公平な人事ではない」と反発。27日、都内のホテルで開かれた三塚、長谷川、塩川三氏の協議で、塩川氏が、大野氏の就任を強く求め、三塚氏も了承したいきさつがある。

三塚—森陣営側としては森氏の会長代行就任を最優先させるべきだと判断、事務総長ポストを加藤氏支持グループに譲ることで、派内融和を図ることにした。その代わりに、事務局長ポストを事務総長の下に新設、これに三塚—森陣営の塚原氏を起用して主導権の確保を図っている。《読売新聞》



6月28日のできごと