平成900日目

1991/06/26

この日のできごと(何の日)

【雲仙・普賢岳】中規模火砕流相次ぐ

溶岩ドームの成長が続く長崎県雲仙・普賢岳(1359メートル)は26日午後5時過ぎ、中規模の火砕流が相次いで発生、先端は火口から約3.3キロの四合目付近に達した。けが人などは出ていないが、気象庁仙岳測候所は、臨時火山情報を出して厳重な警戒を呼びかけている。また、火山火予知連絡会(下鶴大輔会長)は同日、火山活動で噴出したマグマは910万立方メートルと算定し、マグマ供給は一日30万立方メートルのペースで依然衰えておらず、活動は当分続くと発表した。

雲仙測候所では午後5時1分から4分10秒間、同11分からは3分間、火砕流とみられる震動波形を観測した。27日午前0時までの火山性地震は8回、火山性微動72回、火砕流とみられる震動波形は19回だった。島原市内では、火山灰に見舞われた。

一方、連絡会によると、マグマの量は、5月末までは日当たり約10万立方メートルだったが、同29日以降、30万立方メートルに増えている。総量は今月24日までに910万立方メートルに達している。火砕流などでたい積した溶岩片や火山灰は700万立方メートル、溶岩ドームは約205万立方メートル(いずれも24日時点)。一日当たりの成長率は、8日に住宅73棟を焼いた最大規模の火砕流で同点岳東側斜面が削られて傾斜が緩やかになり、以後、約13万立方メートルになった。

国立大学合同観測班による地殻変動の調査や重力測定、地震計、傾斜計などのデータに変化がないことからしばらくは同じ供給畳が続くと見られている。

26日午後、上空から観察した中田節也・九州大理学部助手(火山岩石学)によると、溶岩ドームは幅200メートル、長さ250メートル、厚さ90メートルと24日に確認された時よりもひと回り大きく、これまでで最大になっている。 成長は南側で目立ち、青いガスを上げていた。不不安定な状態は変わらないが、火口南側にはドームより高い尾根があり、崩落する心配はないという。

雲仙・普賢岳の噴火活動で被害を受けている島原市と深江町は、26日タ、それぞれ災害対策本部会議を開き、きょう27日正午に期限が切れる立ち入り制限措置がとられている「警戒区域」の指定期間を7月12日正午までの15日間、延長することを決めた。一方、水無川河口海上は、フェリー航路の確保などのため、現在の「河口から2.5キロ」を「半径2キロ」に縮小することになった。 警戒区域は、現在、水無川流域を中心に島原市が17地区にまたがり、対象住民は1871世帯、6545人。深江町は13地区、869世帯、3597人。

普賢岳の噴火で、島原市と小浜町を中心とする雲仙の観光客のキャンセルが約14万人に達していることが、長崎経済研究所(城谷俊輔社長)の分析でわかった。同研究所は長崎市の十八銀行系列。県の統計資料をベースに、独自の情報を分析した。 雲仙観光客の97.6%は島原市と、普賢岳西側の小浜町に宿泊しており、平成2年度は年間約152万人。県全体の28.4%を占めていた。《読売新聞》

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【中山太郎外相】中国・銭其琛外相と会談

来日中の銭其琛外相と中山太郎外相による日中外相会談が、26日午前9時半過ぎから、東京・麻布台の外務省飯倉公館で約3時間行われた。

会談ではまず二国間関係について話し合われ、海部首相の訪中日程を確定するとともに、銭外相は、国交正常化二十周年にあたる来年、天皇、皇后両陛下が中国を訪問されるよう招請した。同外相はこの中で「明年の都合の良い時期に訪問されることを非常に歓迎する。実現できれば熱烈な歓迎を受け、中日両国の友好にとって大きな原動力となり得る」と述べた。これに対し、中山外相は「注意して承った。日本政府において十分検討したい」と述べ、今後政府部内で検討する姿勢を示した。また、来年の国交正常化二十周年を記念して、要人の相互訪問のほか、文化行事などの開催準備を進めて行くことで一致した。

経済協力問題で銭外相は、中国が進めている石油・天然ガス田開発のため、第三次エネルギー借款供与について日本側の協力を改めて要請、中山外相は協議を進めていく考えを示した。

ひき続く国際情勢をめぐる論議では、軍備管理・軍縮問題で中山外相が、中国の武器輸出抑制を促すとともに、核拡散防止条約(NPT)への加盟などを要請。また、銭外相は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国際原子力機関(IAEA)の核査察受け入れ問題で、「北朝鮮には核開発の意思も能力もないとみている」と述べた。《読売新聞》

【自民党・奥田敬和氏】「海部首相続投の目はある」

自民党竹下派の奥田敬和事務総長は26日、名古屋市内のホテルで講演し、今秋の党総裁選について「海部首相(総裁)の続投の目はあると断言できる」と改めて続投の可能性を指摘するとともに、竹下派(経世会)としても「話し合いの中で、続投を求める世論が強くなれば、十分対応できる用意がある」と述べた。《共同通信》

【プロ野球・ヤクルト】13連勝ならず

巨人が土壇場の九回に苦手川崎を攻略。3点差を跳ね返して逆転サヨナラ勝ちし、ヤクルトの連勝を「12」で止めた。岡崎の本塁打による1点に抑えられていた巨人はこの回、2四球と安打で一死満塁と川崎を攻めた。ここで代打福王、篠塚、川相がいずれも右へ連続適時打して同点。そして駒田が右中間安打を放ち、サヨナラ勝ちした。《共同通信》

【千葉県市原市】化学工場で爆発、12人死傷

26日午前10時15分ごろ、千葉県市原市八幡海岸通、油脂、化学メーカー、ライオン千葉工場で、メタノールを蒸留する精留塔が爆発、作業中の千葉市、ライオンビルメンテナンス社員Aさん(54)、同県市川市、関連会社社員Bさん(51)の2人が爆風に吹き飛ばされた金属片などに当たり即死、ガラスの破片などで1人が重傷、9人が軽いけがで病院に収容された。

同工場や消防などによると、精製されたメタノールに何らかの原因で引火、爆発したらしく、市原署と同市消防局で詳しい原因を調べている。《共同通信》

【クロアチア】銃撃戦

ユーゴスラビアからの独立を宣言したスロベニア、クロアチア両共和国で26日夜(日本時間27日未明)の独立記念式典を前に、民族衝突やテロの報が相次いでいる。連邦軍、両共和国の武装部隊も共和国国境など要所に展開、内戦が懸念されるユーゴ情勢は緊迫感を増している。 現地からの報道によると同日、クロアチア共和国首都ザグレブの南約80キロのセルビア人地区の都市グリナで、25日深夜から26日未明にかけ、クロアチア人とセルビア人の間で銃撃戦が発生、女性1人を含む6人が死亡、9人が重軽傷を負った。セルビア人がグリナの警察署を襲撃したのがきっかけとされ、事態鎮静化のため連邦軍が出動して周辺の交通を規制、戦車が市街に入った。 またザグレブでも26日未明、市中心部の連邦軍所有の共産主義者同盟ユーゴスラビア運動(共産党)ビルで強力爆弾が爆発し、二階部分などが壊された。死傷者はなかったが、クロアチア民族主義過激派が犯行声明を出した。また各種情報では、連邦軍はセルビア共和国の対クロアチア国境を中心に軍を増強、ヘリコプターの飛来も活発になっている。これに対しスロベニア、クロアチア両共和国側も警察や郷土防衛隊など独自の武装組織を動員、対抗の構えを見せている。

26日のベオグラード放送によると、ユーゴスラビア・クロアチア共和国スラボニア地方のブルーシャディン村で同日、クロアチア警察とセルビア系住民の銃撃戦が発生、セルビア人1人が死亡したほか、4人が負傷した。《読売新聞》



6月26日 その日のできごと(何の日)