平成878日目
1991/06/04
この日のできごと(何の日)
【雲仙普賢岳火砕流災害】死者33人に
長崎県雲仙・普賢岳(1359メートル)地獄跡火口からの大規模な火砕流に襲われた同県島原市北上木場町、南上木場町地区では、4日午後、ヘリコプターによる上空からの捜索に加えて、自衛隊による地上での捜索活動が始まり、同日夕までに、行方不明者31人のうち28人の遺体があるのを確認、このうち4遺体を収容した。
同夜、一体はフリーカメラマンのAさん(58)(北九州市門司区)と確認された。やけどで病院に収容されていた19人のうち、さらに、九州管区警察局機動隊員ら4人が死亡して死者は5人となり、これで、確認された犠牲者は33人と、昭和以降最悪の火山災害となった。
島原市災害対策本部では残る行方不明者の捜索、遺体の収容を急いでいるが、地獄跡火口では、同日午後3時半ごろにも、新たな火砕流が発生するなど、いぜん活発な活動が続いており、捜索、収容作業は難航しそうだ。
自衛隊、県警のヘリコプターによる上空からの捜索は、午後も続行され、最終的に、畑や道路に倒れるなどした28人の遺体を確認した。残る3人については、いぜん手がかりは得られていない。
自衛隊では当初、大型ヘリコプターで隊員を地上に降ろして捜索する予定で隊員1000人を待機させたが、回転翼が巻き上げる火山灰で作業が困難なため、地上からの捜索に切り替えた。《読売新聞》
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【広島大】初の成人肝移植
広島大医学部第二外科(土井雪彦教授)のチームは4日午前から、59歳の母親の肝臓の一部を、38歳の肝硬変の娘に分け与える成人間の生体部分肝移植をした。
小児への生体肝移植は、京大病院、信州大病院などこれまでに国内で24例実施されているが、成人間は初めて。《共同通信》
【イトマン事件】近畿放送など捜索
イトマン事件で、大阪地検特捜部は大阪府警捜査二課と合同で4日午前、絵画取引の特別背任容疑に関連し、近畿放送(KBS京都、本社京都市)をはじめ同事件の中心人物許永中氏(44)の関連会社など大阪、東京、京都の二十数ヶ所の家宅捜索に着手した。
同事件の捜査当局による大掛かりな一斉捜索は、4月下旬に続き2度目。《共同通信》
【社会党】初の地方公聴会
社会党の党改革委員会(委員長田辺誠・党副委員長)は4日、札幌市内のホテルで「社会党に提言する札幌公聴会」を開き、設革について、初めて地方の一般有識者から意見を聞いた。参加者からは、「これまでも党改革の処方せんは山積するほどあるが、実行されなかった」とし、改革の実現を疑問視する声が出るなど、同党の従来の姿勢への批判が相次いだ。
4日の公聴会は、党改革に広く国民の声を吸収するため、教育界、経済界、市民活動グループなどの代表8人から意見を聞いたもので、同委員会が今後、横浜、福岡などで実施する公聴会の第一弾。
これまで意見聴取した国会議員や労組関係者などと違って、同党と直接かかわりがないだけに、「社会党は、これまでボロ着の破れた個所をつくろってきただけ。肌ざわりが悪く、一度着た人は二度と買わない」「現状に甘え、敵失に甘え、イデオロギーに寄りかかってきた」「社会党にも、政治哲学がない」—など、辛口の批判が続出した。
同党では、これらの意見も踏まえた上で、5日にシャドーキャビネット(影の内閣)の設置問題など政務に関する改革方針を、7日には党務についての改革案をまとめ、10日過ぎから委員会としての具体的な改革案作りに着手する。《読売新聞》
【自民党・小渕恵三幹事長】韓国・盧泰愚大統領と会談
4日昼過ぎ(日本時間同)、韓国入りした自民党の小渕幹事長は、同日午後ソウル市内の青瓦台(大統領官邸)で盧泰愚大統領と会談した。
大統領は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が韓国との国連同時加盟の方針を明らかにしたことについて、「北朝鮮が従来の態度を変えたのは、日朝関係(の進め方)について日本と韓国が約束したことを日本側が守ってくれたためであり、(日本の側面支援に)感謝している」と述べ、日朝国交正常化交渉に対する盧大統領の五項目要請を日本側が順守していることに感謝の意を明らかにした。
また、大統領は、「南北の関係改善、平和増進のために(日本側と)しっかり話し合っていきたい」と語った。その一方で大統領は、「北朝鮮が挑戦的、好戦的、侵略的な気持ちを捨てないままに友好関係を築くことは困難だ」と指摘した。《読売新聞》