平成835日目

平成3年4月22日(月)

1991/04/22

【海部俊樹首相】ペルシャ湾への掃海隊派遣を決断

海部俊樹
https://www.kantei.go.jp/

政府、自民党は22日の首脳会議で、ペルシャ湾の機雷除去に協力するため海上自衛隊の掃海艇を派遣することを決めた。首脳会議で海部首相は掃海艇派遣の必要性を説明するとともに「ぜひ実現させたい」と公式に最終決断を示した。

派遣は特別な立法措置はとらず、現行の自衛隊法99条(機雷等の除去)に基づき実施される。自民党はこの決定を受け党内手続きに着手、23日の役員会、政調審議会、総務会で坂本官房長官が説明。さらに同日午後の与野党党首会談で野党側の理解を求める。

派遣は24日の安全保障会議、臨時閣議で正式決定される運びで、26日午後に掃海艇などはペルシャ湾に向けそれぞれ出発する。訓練、親善訪問、南極観測などを除いて自衛隊の本格的な海外派遣は初めて。

掃海艇派遣には社会、公明両党などが強く反対しており、自民党は終盤国会での法案処理に影響を与えないよう全力を挙げる方針だ。また首相も27日からの東南アジア諸国連合(ASEAN)歴訪の際、アジア各国の懸念を解消するよう努める考えだ。

22日の首脳会議では首相が「掃海艇を出したい。党側の意見を聞きたい」と口火を切った。これに対し小渕幹事長は「一日も早い決断を望むが、党の方はよく知らされていない」と、政府に詳細な報告を求めた。西岡総務会長も「掃海艇派遣によって会期末のいろいろな法案処理、自公民路線、国連の平和維持活動(PKO)協力問題に影響を与えないか」と懸念を示した。

これに対し首相は「12日に湾岸戦争の停戦が確定し、イラクは機雷を遺棄した。戦闘行為に巻き込まれる心配もなく、法的にも問題ない。国民生活の安定と発展のためにも船舶の安全航行は必要だ。現状において掃海艇を出すことに何ら問題はない」との判断を明らかにした。《共同通信》

【社会党・山口鶴男書記長】重ねて辞意示唆

統一地方選で惨敗した社会党は22日午前、党本部で臨時三役会議を開き、党再建に向けた党改革論議を本格化させた。後半戦では長崎市長選で推薦候補が当選するなどの成果を上げたが、東京都知事選でのもたつきと大敗、道府県議選での大幅な後退による痛手は大きく、党内から執行部の責任論が噴出するのは必至の情勢。今のところ土井委員長は、秋以降に予定される党大会まではとどまる見通しだが、山口書記長は連休明けの全国代表者会議で正式に辞意表明するとの見方が有力だ。

三役会議に先立って記者会見した山口書記長は後半戦の結果について「前半戦敗北の危機感で党内が決起し、一定の成果を得て踏みとどまった」との受け止めを強調。党内で取りざたされている書記長自身の責任問題については「政治家が辞めるときは自分自身の決断で決めるもの。これから考え、自分の考えで対応する」として、自身の責任の所在は認めながらも、既に示唆している辞任の時期については明言を避けた。《共同通信》

【鹿児島県伊仙町】町長選で不在者「316票」が死票に

不在者投票の扱いをめぐり町民が開票所に押しかけた鹿児島県・伊仙町(徳之島)町長選は22日朝になっても騒ぎが収まらず、同町選管は不在者投票316票を「不受理」とし開票作業を終了した。この結果、樺山資敏氏(54)が盛岡正博氏(47)に104票差をつけ3004票で当選した。不在者投票分は死票の形となり、盛岡氏は同選管に異議申し立てを行った。

同町では、不在者投票の方法に不審を抱いた町民約1000人が21日夜から開票所の役場に押し掛け「不在者投票の名簿を見せろ」などと要求。投石などの騒ぎが続いたため、不在者投票の投票箱の移動ができなくなった。《共同通信》

【政界談話室】無用な波風は避けたい?

○…海部首相は22日、自民党優勢で終わった統一地方選の結果について聞かれると「皆さんの支援をいただいて、よかったと思います」。初の女性市長誕生に水を向けられても「男女平等の時代なんだし、大いに手腕を発揮してもらいたいものですね」とエールを送りながらも型通りの答えばかり。

日ソ首脳会談を何とか乗り切り、一息つく間もなく今週は掃海艇派遣論議がヤマ場を迎えるだけに、統一地方選の結果については、取りあえず無難なコメントでお茶を濁し、無用な“波風”を立てないことが何よりとの思いがちらり。

○…社会党の山口書記長は統一地方選敗北を受けての執行部責任問題に関して午前と午後の二回、国会内で記者会見したが「土井委員長に責任はない。都知事選の結果については選対本部長であった私の責任が重い」と繰り返すばかり。

会見の終わり間際には「いつどうするかは私自身が決めたいと思う。(気持ちは)きょうの天気みたいにカラッとしている」と見えを切ったが、記者団が「要するに辞めるのか」と単刀直入に聞いても「私が決めること」「ノーコメント」とのらりくらり。梅雨時のような湿っぽい受け答えに終始した。《共同通信》

【大阪府】新旧知事が引き継ぎ

22日で任期が満了となる大坂府の岸昌知事は同日午前9時40分から、後任で初当選した中川和雄前副知事と府庁内で事務引き継ぎをした。岸知事がかつての“女房役”中川さんと府庁内で会うのは、中川さんが知事選出馬のため辞任した2月5日以来。

引き継ぎ書の署名の前に「(当選)おめでとう」と岸さんが声を掛けると、中川さんは「ありがとうございます」と答え、がっちりと握手。引き継ぎ式は約5分で終わったが、岸知事が改めて「懸案事項をたくさん残して申し訳ないが、よくご存じのことばかりだから勇断を持って解決してください」と激励。

岸知事はこのあと府庁職員や府議会関係者へあいさつし、正午すぎ職員が拍手で見送るなかを3期12年間過ごした大阪府庁を離れた。《共同通信》

【台湾】中国敵視条項を廃止へ

台湾の国民大会(総統選出、憲法改正機関)は22日、中国共産党政権を反乱団体と規定した憲法の「動員・反乱鎮圧時期」臨時条項の廃止を決議した。李登輝総統は決議を受け、5月初めまでに臨時条項の廃止を宣言する予定。

国民党政権は国共内戦に敗れ1949年、台湾に移った後も憲法臨時条項(48年、南京での第一期国民大会で採択)を根拠に、台湾島内で一党支配と権威主義的な政治体制を敷き、大陸関係では交戦状態を維持してきた。臨時条項が廃止されると、台湾と中国の内戦状態が法律上は正式に終結、双方が42年ぶりに平和共存へと踏み出す一大転機となる。-

87年7月の戒厳令解除、同11月の台湾住民の大陸への親族訪問解禁で「脱内戦化」が進み、最近の中台関係は年間の往復貿易額40億ドル、台湾企業の対中投資2500社、推定投資額20億ドル、台湾から大陸への年間渡航客90万人(昨年)と大きく発展している。臨時条項廃止はこうした時代の変化に現実的に対応したもの。

台湾は今後「国家統一綱領」と、近く正式採択される「両岸人民関係条例」に基づき中台関係に対処する方針だが、中国側は5月以降、さまざまな形で統一攻勢を強めると予想される。

国民大会は同日、臨時条項廃止に伴う「憲法追加・修正条文」も採択した。その内容は①第二期国民大会代表選出の定員枠、選挙区など法的枠組みの明記②総統の緊急命令権を立法院の同意付きで承認③国家安全会議、国家安全局を(“時限立法”で)残すーなど。《共同通信》



4月22日のできごと