平成823日目

平成3年4月10日(水)

1991/04/10

【東北新幹線】東京〜上野間で営業車による訓練運転開始

6月20日に開業するJR東北・上越新幹線東京ー上野間(3.6キロ)で10日午前、乗務員の訓練運転が始まった。電気・軌道総合試験車による軌道点検などは2日未明に始まっていたが、営業運転用の列車が入線するのは初めて。《共同通信》

【自民党・小渕恵三幹事長】PKO成立を目指す

自民党の小渕幹事長は10日、共同通信社とのインタビューに応じ、当面の政治課題について所信を明らかにした。小渕氏は国連の平和維持活動(PKO)への協力について「自公民3党の合意がある。これを基にまず幹事長・書記長の話し合いを進めたい。今国会にできれば願いたい」と述べ、3党間の結論が得られれば今国会に提出、成立を目指す姿勢を明らかにした。

海部内閣の公約である政治改革については「首相が政治生命をかけてと言っている以上どうしても成就させなければならない。可及的速やかに法案をまとめる努力をしたい」と強調した。そのための臨時国会の時期について「より慎重に、より理解を深める努力をして一気呵成に臨時国会を開いてやるべきだ」と述べたが、具体的な日時への言及を避けた。

最近自民党内で関心を集めている中曽根元首相の復党問題では「一般的に選挙結果は評価されるべきだ。自民党にとって大きな功績を残した方であるのも事実だ」と前向きの発言をした。《共同通信》

【海部俊樹首相】コメ部分開放に含み

海部俊樹
https://www.kantei.go.jp/

参院予算委員会は10日午前、平成三年度予算案について各党の質問が一巡する締めくくり総括質疑を行った。

海部首相は先の日米首脳会談についてブッシュ米大統領から「日本のコメ市場に参入したいとの発言があった」ことを紹介する一方、コメ開放問題への対応について①関税貿易一般協定(ガット)ウルグアイ・ラウンド(新多角的貿易交渉)全体を成功させなければならない②農業問題は米国でウエーバー条項(自由化義務免除)、ECの可変課徴金などを含めて率直に話し合う中で解決するとの基本的立場を表明、将来の部分開放に含みを持たせた。社会党の佐藤三吾氏の質問に答えた。

5月連休中に予定している東南アジア諸国連合(ASEAN)5カ国歴訪に関連して首相は、これら各国で湾岸戦争により出稼ぎ者が多数帰国し、経済的な被害が出ていることを指摘、「日本はアジアの一員の立場で貢献をしなければなら一ない。損害を受けた各国の要請を踏まえながら協力したい」と述べ、政府開発援助(ODA)をてことした救済策が主要な議題になるとの考えを示した。

ゴルバチョフ・ソ連大統領の来日について首相は「大統領のペレストロイカ(改革)の正しい方向を認め、成功するよう協力したい」との立場に立ち「虚心坦懐に共通の土壌で納得のいく(日ソ関係の)前進の基礎をつくりたい」との決意を強調した。

参院予算委の予算案審議は10日夕で終了、各党討論の後採決され、野党各党の反対多数で否決される見通し。予算案は11日午前の参院本会議でも否決される見込みだが、両院協議会を経て憲法の衆院優位の規定に基づき11日午後には成立の運びだ。《共同通信》

【海部俊樹首相】「桜を見る会」開催

海部首相主催の恒例の「桜を見る会」が10日午前、東京・新宿御苑で開かれた。あいにくの曇り空の下、中山外相夫妻、アマコスト駐日米大使をはじめ政財界、文化、芸能、スポーツ関係者ら約1万人の招待客は、ソメイヨシノなど1900本の満開の桜を楽しんだ。

首相は開会のあいさつで「春らんまんの花盛りという言葉があるが、今日はその言葉通り桜が咲きそろっている。(曇り空の)天気が一つだけ残念だが、花曇りという言葉もある」と花づくしのスピーチで会場をわかせた後、招待客の握手攻めにあった。

だが、参院予算委員会の締めくくり総括質疑と重なったこともあって約30分で早々に会場を後にした。《共同通信》

【政界談話室】国会優先、花見に心残り

○…海部首相は10日、東京・新宿御苑で各界代表約8000人を招いて恒例の「桜を見る会」を開いた。会場に向かう車中で桜吹雪の絵柄入りのネクタイを締め直す力の入れようで、桜の木の下では「まさに春らんまんだ」「八重もしだれも見事なもんだ」と上機嫌で、あたかもわが世の春、をおう歌しているふう。

そこで、記者団が「昨年に比べると、招待者の混雑が少なかったようだ」と水を向けると、首相はキッとした表情で「だって(開催の)時間帯が違うもん」と反発。それでも、大人げないと思ったのか「もっとゆっくり桜見物をしたかったが、国会優先。仕方ないな」と半ばつくり笑い。

○…社会党の大出国対委員長は記者会見で、日米構造協議の合意に基づき、政府が提出している大規模小売店舗法改正案について「対案を出すので(政府、自民党も)修正に応じるだろう」と述べ、修正案を政府側がのめば社会党も法案賛成に回ると受け取れる発言。

ところが2時間後、大出氏は大慌てで緊急会見し「さっきの説明は、ちょっと間違った」「現場(衆院商工委)理事とのやりとりにミスがあった…」と釈明に次ぐ釈明。元気印を誇った大出氏も、最近の国会では自公民路線が定着したこともあり、生気はいまひとつ。“勇み足”会見に周辺からは「さらに落ち込しまなければいいが」と心配の声も。《共同通信》

【ソ連グルジア共和国】全土で反連邦ストへ

ソ連グルジア共和国最高会議プレスセンターによると、最高会議の多数派を占める共和国政治勢力の主流派「自由グルジア円卓会議」は10日、ソ連内務省軍が9日共和国内の南オセチア自治州に入って出入りを管理し始め、グルジア側の警察官21人を逮捕したことを「内政干渉」として、全土で反連邦政治ストを実施することを決めた。

記者会見したガムサフルディア共和国最高会議議長によると、既に南西部を中心に鉄道がスト入り、バツーミなどの港湾労働者もストに入るという。議長は「これらの輸送機関は石油や石炭の積み出しに当たっており、ソ連経済に大きな打撃を与えるだろう。ストはさらに中央直轄の工場、企業や空港に波及するはずだ」と語り「われわれは今(中央と)戦争状態にある」と言明した。

グルジアは9日、公式に「独立宣言」を採択、国民の独立志向が燃え上がっている。

一方、タス通信によると、ソ連内務省軍は9日夜、グルジア側が南オセチアの州都ツヒンバリの出入り口に設置した「経済封鎖ブロック」を排除、ツヒンバリに駐屯を開始した。10日までにグルジア人25人、オセット人12人の身柄を拘束、オセット人1人が死亡している。内務省軍はまた、グルジア武装勢力から武器、弾薬多数を押収した。

南オセチアをめぐる紛争は、共和国への昇格を決めた南オセチア自治州と、逆に同自治州の廃止を決めたグルジアの対立が続いているが、今回の連邦内務省軍の投入で、連邦対グルジア共和国の対立も強まっている。

グルジアの政治ストが拡大すれば、ゴルバチョフ政権はさらに強硬措置に出る可能性があり、グルジアの独立宣言の処理も絡んで、事態は一層複雑化しそうだ。《共同通信》

【エジプト・ムバラク大統領】米国務長官と会談

イスラエルから10日カイロ入りしたベーカー米国務長官は同日夜、エジプトのムバラク大統領と約1時間40分会談した。会談後ベーカー長官とともに記者会見したメギド・エジプト外相は、米、イスラエル両国が原則合意した国連を主催者としない「中東和平地域会議」構想について、明確な立場を表明するのは慎重に避けながらも、国連主催にはこだわっていないと述べた。

国連主催の「国際会議」を主張していたムバラク大統領が米、イスラエルの立場にやや歩み寄りを見せた可能性がある。

ベーカー長官も「実りある会談だった。古くからある克服困難な問題に取り組んでいるためまだまだ問題が多いが、イスラエルとエジプトの立場は近付いているようにみえる。(シリアなど)他の当事者も合流してきてほしい」と述べた。

メギド外相は「和平につながるならどんな提案にも応じる。国連安全保障理事会の5常任理事国がすべて和平会議に同席しろともいっていない。これをエジプトの立場の後退と思ってもらっては困る」と歯切れの悪さを残した。

消息筋によると、イスラエルが国連主催に反対しているのは、イスラエルの占領地からの撤退を求めた国連安保理決議242、同338の枠に縛られるのを嫌っているからだ。今回浮上した「地域会議」は、米国ないし米ソ両国が主催するだけなので安保理決議に基づかない合意もあり得る。《共同通信》



4月10日のできごと