平成782日目

平成3年2月28日(木)

1991/02/28

【湾岸戦争】多国籍軍、イラク軍に対する戦闘を停止

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湾岸戦争は多国籍軍が現地時間で28日午前8時(日本時間同午後2時)戦闘を停止したのを受け、フセイン・イラク大統領も同日、イラク軍に対して戦闘停止を命令したことで、全面的に戦火が終息、開戦以来43日目で終結の局面を迎えた。ブッシュ米大統領が戦闘停止のテレビ演説をした直後から、イラクの首都バグダッドでも兵士が空に向かって銃を撃ち、喜びで沸き立った。

これに先立ちイラクのアジズ外相は、国連のデクエヤル事務総長と安保理議長に書簡を送り、安保理による計12のイラク関連決議受諾を表明した。安保理は日本時間3月1日未明、緊急協議を開き、対応を協議する。

昨年8月2日イラク軍の電撃的なクウェート侵攻をきっかけに、ことし1月17日に始まった湾岸戦争はイラク敗北という形でついに本格的な解決に向かって大きく動き出した。 ベーカー米国務長官は来週、解放されたクウェート市を訪問する予定だ。今後はフセイン体制が存続できるかどうか、中東地域の新たな安全保障体制など戦後処理が焦点となってきた。《共同通信》

イラク軍スポークスマンは28日、イラク時間同日午前11時6分(日本時間同午後5時6分)の国営放送を通じて声明を発表し、前線のイラク軍兵士に対し、停戦命令が出された、と語った。 イラク軍が米側の多国籍軍の戦闘停止発表を受けて、停戦命令を公式に伝えたのは初めて。米大統領は48時間以内に現地で正式な停戦取り決めを行うことを提案しているが、イラク側声明はこれに言及していない。

湾岸戦争が結果的にはイラク側の惨めな軍事的敗北に終わったことにより、フセイン大統領が今後とも軍部を掌握し、政権を維持できるかが、当面の焦点となった。

声明は、多国籍軍側の侵略性を厳しく批判し、侵略者は、イラク指導部のクウェートからの撤退後、イラク軍を辱めることができると考えたと強調した。 またイラク第二の都市バスラなどイラク領内で起きた一連の戦闘の結果、イラク軍は、軍事、政治的に多国籍軍側に不安を与え、このためブッシュ政権は停戦を決定した、と強気の姿勢を示した。 その上で、わが息子たちの流血を避け、イラク国民を救うため「われわれは喜んで停戦する」と述べ、イラク側が主導権を握った形での停戦であると誇示した。《共同通信》



【政界メモ】待ち望んだ“追い風”か

海部俊樹
https://www.kantei.go.jp/

○…海部首相は28日、湾岸戦争終結に向けたブッシュ米大統領の停戦発表に「ほっとしています。本当にほっとしています」と安どの表情を見せた。窓越しに官邸の外に目をやりながら「暖かい風が吹いているし、和平の知らせも来たし」「できることならイラクがすべて(の提案)にこたえてほしい」と、笑顔で久々の冗舌ぶり。

昨年8月にクウェートが侵攻されて以来、国際貢献策をめぐってがけっぷちに立たされ続けてきただけに、折から関東地方を吹き抜けた春一番に乗って届いたようなニュースは、首相にとて待ち望んだ“追い風”となった?

◯…この日、都内で開かれた全電通中央委員会では、都知事選候補擁立や国連平和維持活動の新組織をめぐる社会党の対応に批判が集中。園木全電通委員長が、「政権政党への自己脱皮に強い疑念を持つ。思い切った外科手術が必要」と口火を切ると、山岸連合会長も「万年野党の立場で政策を論じる社会党の責任は重い」と言いたい放題。

これに米沢民社党書記長も「野党を束ねる度量を」と追い打ちをかけたため、初めは笑顔さえ見せていた山口社会党書記長も「私はこういう場で党の名前を挙げて批判したりしないという哲学を持った人間である、と申し上げておく」と憤然。《共同通信》

【中日・落合博満内野手】「夢売るスポーツ」

中日・落合博満選手(37)の年俸についての第一回調停委員会は28日午前10時から東京・銀座の日本野球機構会議室で開かれた。

吉国コミッショナー(委員長)、川島セ、原野パ両リーグ会長で構成する調停委は落合から2時間、中日・伊藤球団代表から1時間半にわたってそれぞれ事情を聴取した。

吉国コミッショナーは委員会後記者会見し、「きょうは二人の考え方を説明してもらった。結論を出すまでもう少し時間がほしい」と語った。

今後は3月4日に第二回調停委を開き、5日に三者会談の後、早ければ3月8日に開かれる第三回調停委で調停額が発表されるものとみられる。

日本人選手で球界最高年俸の落合は昨季の1億8000万円から9000万円アップの2億7000万円を要求。球団は2億2000万円の提示額を譲らず、同選手は2月15日、川島会長に調停を申請していた。

この日の調停委で落合は「夢を売るスポーツに見合う金額として50%増」と要求額を説明。一方、伊藤代表は「査定のポイントなどあらゆる角度からはじき出した金額」と提示額の妥当性を主張した。

両者とも調停額には従うとしているが、もし落合が拒否した場合は任意引退選手となり、球団が拒否した場合には自由契約選手となる。

日本のプロ球界で調停に持ち込まれたのは過去1973年のマックファーデン(阪神)の例があるだけで、日本人としては初めて。(金額は推定)《共同通信》

調停結果が出たわけでもないのに、落合の表情は妙にすっきりしていた。「どんな話をしたかと聞かれても…」と苦笑しながら、調停という未知の世界に足を踏み入れたこと自体に意味がある、とでも言いたげな顔つき。だが「もめさせようとかじゃない。出た金額に対しては必ず判を押す」と、あくまでも契約が前提にあることを改めて強調した。

肝心の事情説明では、元巨人のクロマティを引き合いに出して「あの3億円の選手に比べ、どれだけそん色があるのか」と問い掛けたそうだ。要求額の2億7000万円については「50%アップが数字の根拠」と言い「プロ野球は夢を売るスポーツなんだから」を「一番の理由に「決して法外な値段とは思わない」と話した。

さすがに“時の人”、は忙しい。前日に上京したばかりだが、2時間の事情説明を終えると「あと残っている仕事は判を押すだけ」と言い残し、再びキャンプ地の沖縄へ戻った。《共同通信》

【独・コール首相】旧東独への支援強化

ドイツのコール首相と連邦を構成する16州の州首相は2月28日、ボンで会合を開き、財政破たんに直面する旧東ドイツ地域への支援を強化することで合意した。

ザイタース首相府長官によると、協議の結果、旧東ドイツ地域の新5州は総額1150億マルクのドイツ統一基金から、ことし新たに100億マルクを受けるなど今後四年間に計340億マルクを割り当てられることになった。

また、売上税収の新5州への配分率をことし初めにさかのぼって引き上げ、94年末までに計170億マルクの歳入増加を図るという。

旧東ドイツ地域では深刻化する治体財政も急速に悪化しており、ドレスデンやライプチヒなどの市当局は公務員給与さえ支払えなくなる恐れがあると訴えていた。

ボンの連立政府与党は2月26日、ことし7月から1年間に限り個人所得税を一律7.5%引き上げるなどの緊急措置で合意したが、コール首相はこの日の各州首相との会合に先立ち、改めて「増税は不可避」と述べ、国民の理解を求めた。《共同通信》



2月28日のできごと