平成757日目

1991/02/03

この日のできごと(何の日)

【ボクシング・畑中清詞選手】WBC王座獲得

世界ボクシング評議会(WBC)ジュニアフェザー級チャンピオン、ペドロ・デシマ(アルゼンチン)に同級5位の畑中清詞(松田)が挑戦したタイトルマッチ12回戦は3日、名古屋市国際展示場第一展示館で行われ、畑中が8回TKO勝ちし、新王者となった。畑中は1988年9月のWBCジュニアバンタム級に続く二度目の世界タイトル挑戦で王座獲得に成功した。日本の世界チャンピオンは通算29人目、デシマは初防衛に失敗した。これで日本の世界王者は、世界ボクシング協会(WBA)フライ級のレパード玉熊(国際)と2人になった。

2月3日のできごと(何の日)【WBCジュニアバンタム級タイトル戦】畑中清詞選手が王座獲得
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畑中は1回、デシマのワンツーを食ってダウンするなど、序盤は劣勢だった。しかし、4回、右フックから攻勢に出てこの回計4度、デシマをダウンさせた。フリーノックダウン制のため、この時点でKO勝ちとはならなかったものの、流れを取り戻した畑中は7回、左カウンターで再びダウンを奪うと、8回終盤にも同じ左でダウンさせ、レフェリーがTKO勝ちを宣した。

畑中 皆さんの声援のおかげです。後半は倒すことだけを考えていました。(名古屋からの初チャンピオンに)そのことが一番うれしいです。慌てずにいけば、(相手は)後半バテると思っていた。《共同通信》

観衆は総立ちになり声を限りに「キヨシ」コールを繰り返し、世界のヒーロー誕生を祝った。その歓声にリング上から両手を高々と上げてこたえる畑中。もう東海のローカルスターではない。押しも押されもせぬ世界の王者なのだ。

畑中の王者への道程は厳しいものだった。3年前世界に初挑戦した時、完敗し散々たたかれ、心身ともに傷ついた。「悔しかった」。それをバネにこの試合に臨んだ。

「ラストチャンス」−。もう後がない。すべてを苦しい練習につぎ込んだ。そして強打を誇るデシマの前に立ちはだかったのである。

勝負の予想は7−3で王者有利。1%でも可能性があれば戦うのがボクシング。まさに玉砕覚悟のリングであった。

だれの目にも悪い予感が的中したかに思えたのは3回を終わった時。立ち上がりの1回に右ストレートでダウンさせられ、以後も中間距離から放つ右ストレート、フック、アッパーという多彩なパンチに畑中のパンチは空転するばかりだった。

だがボクシングは一発のパンチが形勢を変える。4回、フックの打ち合いから畑中の右のショートフックがデシマのテンプルに突き刺さった。左足から崩れダウンするデシマ。右、左フック、さらに右ストレートで3度目のダウンを奪った畑中は3ノックダウン制と勘違いし宙返りをして勝ち名乗り。ところが、フリーノックダウン制で4度目のダウンを奪ったところでゴング。畑中は執ように食い下がるデシマを7回に左の軽いストレートでダウンさせ、8回にも左ストレートでとどめをした。

ファンにもみくちゃにされながら控室に帰ってきた畑中は母の紀子さん(48)に祝福され「お母さんは興奮して話にならない」と言いながらにっこり。

「練習した右のショートストレートで勝った」と胸を張る畑中。5月にはロスで次の試練が待っている。《中日新聞》

立ち上がったチャンピオンの目は、もううつろだった−。レフェリーの両手が左右に大きく振られ、TKOの宣告。推戦者“尾張のロッキー”が3日、最も好きな言葉「一番」を、その拳でもぎ取り、中部地方出身で初の世界チャンプになった瞬間だ。壮絶な“打ち合い”を物語る目の上の傷。それをものともせず、新チャンピオンはリングを転げ、飛び上がって喜びを表した。

この日、名古屋市国際展示場で行われたWBCジュニアフェザー級タイトルマッチで、推戦者の畑中清詞選手(23)=松田ジム、享栄高校出身、愛知県西春日井郡西春町在住=が、デシマ選手を破って、チャンピオンベルトを奪った。地元選手の快挙に熱狂する8500人の観衆。「キヨシー、よくやったぞ」の祝福に、傷だらけの新チャンプは、開口一番、「うれしいです」と半ば涙声でこたえた。そして“育ての親”の先代松田ジム会長、松田泰雄さんの遺影を高々と担げた。

会場の後方では、父親で会社員の雄吉さん(54)、母親の紀子さん(48)、弟の英希君(17)=愛知工高2年=が特別の思いで見詰めていた。小柄な紀子さんが見やすいようにと、周りのファンが支えていすの背もたれの上に立たせた。だから、運命の8ラウンド、勝利の瞬間を紀子さんははっきりと、見た。

「息子の生きざまを目に焼きつけたい」と、昭和59年のデビュー戦以来、すべての試合に足を運んできた紀子さん。夢にまで見た光景が今、リングの上にある。「ようやったねキヨシ、ようやった」。リングに届けと紀子さんは叫び、続いて周囲に「ありがとうごさいました」といって涙をぬぐった。《中日新聞》

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【別府大分毎日マラソン】森下広一選手が初優勝

第40回別府大分毎日マラソンは三日、大分市営陸上競技場を発着点とし別府国際観光港前を折り返す42.195キロのコースに外国招待の6カ国8選手を含む457選手が参加して行われ、マラソン初挑戦の北京アジア大会1万メートル金メダリストで23歳の新鋭、森下広一(旭化成)が日本歴代6位の2時間8分53秒の初マラソン日本最高記録で優勝した。一年ぶりのレース出場で注目された中山竹通(ダイエー)は2時間9分12秒で2位。3位は三村徹(鐘紡)が入った。

晴れ、スタート時正午の気温8.9度。レースは終始微風の好条件に恵まれ、30キロまでの5キロごとのスプリットを15分台前半で刻む好ペースで進んだ。35キロ過ぎから優勝争いは中山、森下の2人に絞られ、約4キロの並走の後、森下が39キロ過ぎで中山を振り切り、昨年のこの大会で米重修一(旭化成)がマークした2時間12分0秒の初マラソン日本最高を3分7秒も上回る快記録でゴール。3位の三村までが2時間10分を切った。《共同通信》

【東レPPテニス】ガブリエラ・サバチーニ選手が2度目の栄冠

女子テニスの東レ・パンパシフィック・オープン最終日は3日、東京体育館で決勝を行い、シングルスは、ガブリエラ・サバチーニ(アルゼンチン)がマルチナ・ナブラチロワ(米国)に2-6、6-2、6-4で逆転勝ちし、優勝賞金7万ドル(約900万円)を獲得した。

サバチーニは、第1セットを全くいいところなく失ったが、第2セットに入ると、リターン、バッシングが決まり出してタイに持ち込んだ。最終セットは激しい打ち合いの末にものにし、1987年以来2度目の栄冠を手にした。

ダブルスは、昨年のウィンブルドン準優勝のキャシー・ジョーダン(米国)とエリザベス・スマイリー(豪州)のベアがメアリジョー・フェルナンデス、ロービン・ホワイト組(米国)を4-6、6-0、6-3で下した。《共同通信》

【民社党】運動方針案を発表

民社党は3日、東京・九段会館で19日から開く第36回全国大会に提案する1991年度運動方針案を発表した。

運動方針案は「われわれの目指すもの」として「国民に実りをもたらす政治」を掲げ「基本政策で差が大きい与野党対決政治から、差の小さい与野党競争政治への転換」を強く訴えている。

その上で、既存の枠組みを超えた新たな政治構造づくりを目指し、「国際的に通用する生活重視の政治勢力の結集」を提唱。そのためには①民社党をはじめ中道勢力の躍進②社会党の現実路線への転換③自民党一党支配の打破④労働組合の理想を踏まえた現実的改革路線の推進―などが不可欠としている。

当面の具体的課題への対応では、湾岸戦争について「憲法の精神を踏まえつつ国際国家としてふさわしい積極的な協力」を表明。①財政支援②難民救済③医療チームの派遣の実現を強調している。さらに国連の平和維持活動の協力として、昨年の自公民三党合意に基づき「国連待機部隊の機動的組織」の早急な整備が必要だとしている。

「衆参ねじれ国会」下での民社党の行動基準に関しては。本当のことを本音で語り合う政治の推進の党利党略でなく国民と国家の利益を唯一の物差しとして行動するとしている。党再建問題では新綱領草案を提出、全党的討議を経て来年の党大会で最終決定する方針を打ち出した。《共同通信》

【石川県知事選挙】中西陽一氏が8選

任期満了に伴う石川県知事選は3日投票が行われ、即日開票の結果、現職の中西陽一氏(73)=無現=が、31万259票を獲得し、29万8601票の前副知事の杉山栄太郎氏(=無新、社公民支持=を1万1658票差で破り、全国最多記録に並ぶ八選を果たした。内藤英一氏(40)=共新=は両氏の激しいつばぜり合いの中で同党の基礎票を固めるにとどまった。

県政史上初の知事、前副知事の対決を軸に激しい選挙戦が展開されたが、二分された保守勢力の支援を軸に「県民党」を掲げて戦った中西氏が七期の間に培った厚い支持層に支えられ能登をはじめ大票田金沢で強みを見せたことが勝因となった。

現職では最多の八期目を迎える中西県政は、この支持勢力を母体に船出するが、自民内の亀裂は深く、4月の県議選、市町村議選をはじめ、それに続く国政選挙など県政界への波紋は大きいとみられ、政治的には流動の時代を迎えそうだ。《北國新聞》



2月3日 その日のできごと(何の日)