平成756日目

平成3年2月2日(土)

1991/02/02

【湾岸戦争】イラク軍、再びミサイル攻撃

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湾岸戦争はサウジアラビア国境付近での地上戦闘が鎮静化する中で、イラクが2日夜から3日未明にかけて、サウジのリヤド、イスラエルに対し計三発のミサイル攻撃を行った。リヤドへ撃ち込まれた一発は、米軍のパトリオット迎撃ミサイルが破壊したが、破片が住宅街に落ち、サウジ国営通信によると、29人が軽傷を負った。

イスラエルへの二発はともにパレスチナ人が住むヨルダン川西岸のイスラエル占領地北部に落ち、イスラエル軍当局によると、負傷者や住宅の損傷などの被害はなかった。三発とも化学兵器弾頭は搭載していなかった。

イラク国営放送によると、イラク軍司令部は2日、多国籍軍が開戦以来初めてトルコ領内からイラクに向けて地対地ミサイルを発射した、と発表した。

イラクによるリヤドへのミサイル攻撃は3日午前0時55分(日本時間同6時55分)ごろで、リヤドのほかダーランでも空爆警報が鳴った。迎撃のためパトリオット二発が発射された。

イスラエルへのミサイル攻撃は2日午後8時半(同3日午前3時半)ごろと3日午前1時40分(同8時40分)ごろで、撃ち込まれたのはソ連製スカッド地対地ミサイルを改造したアルフセイン。テルアビブを狙ったとみられている。イラクによるイスラエルへのミサイル攻撃は開戦以来9度目。《共同通信》



【ヨルダン】自衛隊機受け入れへ

ヨルダン訪問中の自民党中東調査団(団長・山口元労相)は2日午後(日本時間同夜)、アンマン市内の王宮で、フセイン国王、ハッサン皇太子と個別に会談した。この中で山口氏が、湾岸戦争に伴う避難民の輸送に日本の自衛隊機を使用することに理解を求めたのに対し、ハッサン皇太子は「政治を超えた人道的な支援行動は十分理解する」との認識を示し、日本政府が国連の要請を受け、自衛隊機を派遣する場合には「協力する。アンマン空港の使用を認める」と述べ、原則的に受け入れる考えを表明した。

当初、ヨルダン側は自衛隊機の乗り入れに難色を示したといわれていたが、エジプトに続きヨルダンも協力を表明したことから避難民輸送のための自衛隊機派遣の環境整備が進んだ。

会談では、山口民が避難民救援に関して「日本はヨルダン政府の避難民救済福祉委員会、国連の各機関と緊密な連携、効率的な救援活動を展開したい」と表明し「国連の要請に基づき自衛隊機派遣の用意がある」として、ヨルダンの見解を求めた。

これに対し、皇太子は「湾岸周辺諸国の避難民救援のためのオペレーションセンターが国連と提携しており、日本も連携を取って活動することは賛成だ」と述べた上で、山口氏がカイロとアンマン、アカバ間の自衛隊機の乗り入れの可能性に言及したことについて「アンマン空港の使用は認める。追い返すようなことはしない」と表明した。

政府はアンマンーカイロ間などの避難民輸送のため航空自衛隊のC130輸送機5機を派遣する方針で、調査団は既にエジプトのムバラク大統領の協力を取り付けている。山口氏は皇太子に「国連機関などからの要請があり、ヨルダン、エジプトの民間航空機が使用できない場合」のアンマン空港使用の許可を求めた。皇太子はイラクとの微妙な関係を示唆したが、人道的立場を理由に原則的に受け入れを了承した。《共同通信》

【海部俊樹首相】答弁準備念入りに

4日から始まる衆院予算委員会を前に、海部首相は2日、東京・虎ノ門のホテルオークラにこもり、石原信雄官房副長官と有馬竜夫内閣外政審議室長を呼んで、想定問答集に目を通すなど、答弁の準備に念を入れた。

今国会は「首相にとって失敗の許されない国会」(自民党安倍派幹部)。というのも、予算委の最大の焦点は、多国籍軍への90億ドル(約1兆1900億円)の追加支援と自衛隊輸送機派遣問題だが、首相はこの決定をブッシュ米大統領に伝え、すでに国際公約になっている。そのため国会で対応をしくじり、90億ドルを支出できない事態になれば首相の政治責任が問われるのは必至だからだ。

それだけに、首相は、政府答弁のもたつきもあって廃案となった「国連平和協力法案の二の舞いは絶対に避けたい」(側近)とし、答弁には慎重のうえにも慎重を期す構えだ。《読売新聞》



2月2日のできごと