平成755日目

1991/02/01

この日のできごと(何の日)

【南アフリカ・デクラーク大統領】人種差別3法撤廃を宣言

南アフリカのデクラーク大統領は、1日、白人、カラード(混血)、インド人から成る三人種議会(国会)で演説し、今国会中に残存する主要な差別法である土地法と集団地域法の撤廃を宣言した。
また、現行憲法の基礎を成す人種登録法についても、新憲法制定に向けた交渉で何らかの暫定合意が成立すれば、今国会中にその効力を停止することを明言した。さらに大統領は、黒人多数派にも選挙権を付与する一人一票制度を目指した宣言を発表した。

これによって南アは、1910年の南ア連邦の発足以来、白人支配の根幹としてきた人種隔離政策と別れを告げ、新しい国家建設に向け本格的に動き出した。

デクラーク大統領は宣言の中で、アパルトヘイト(人種隔離)体制から完全に脱却した公明正大な新南ア建設への決意を表明した上で、新憲法制定のためすべての政治指導者の協力を呼び掛けた。制憲交渉に関してデクラーク大統領は、「先月黒人組織のアフリカ民族会議(ANC)が提唱した南アの全政治勢力による政権協議会構想を正式に受諾することを表明した。《共同通信》

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【井上靖さん】密葬

肺炎のため1月29日死去した作家井上靖さんの密葬が1日正午すぎから、東京都世田谷区の自宅で営まれ、前日の通夜に続いて、親交のあった各界の関係者約1000人が故人に別れを告げた。

井上さんのひつぎは、生前、訪問客をもてなした一階応接間に設けられた祭壇に安置され、小説「孔子」、詩集「北国」や愛用した原稿用紙などが納められた。菊の花が飾られた祭壇には、妻ふみさん(80)が選んだ、和服姿でほほ笑む井上さんの遺影が掲げられた。
密葬には坂本官房長官、長洲神奈川県知事や松本清張、安岡章太郎、戸川幸夫、梅原猛氏ら各界の著名人多数が参列。石川県関係者では作家の杉森久英氏や新保千代子石川近代文学館館長、下郷三男県東京事務所長、頭川潔金沢市東京事務所長らの姿が見られた。閑静な住宅街にある井上さん宅前には焼香の列が続いた。《北國新聞》

【プロ野球】キャンプイン

ポストシーズンが終わったプロ野球は1日、キャンプインした。この日が沖縄市への移動日となった広島を除く11球団が一斉にユニホームを着て練習を開始した。

沖縄地方は小雨がぱらつく肌寒い天候だったが、それ以外の国内キャンプ地は好天に恵まれた。湾岸戦争の影響でマウイ・キャンプを中止した日本一の西武は本拠地の所沢・西武球場でゆっくり始動。寒さが心配されたが、気温8度の好コンディションに森監督は「しばらくは体慣らしでいい」と余裕の表情だった。

同じくユマ・キャンプを取りやめたヤクルトは、宮崎・西都で14年ぶりに国内キャンプで始動、約6時間汗を流した。あいにくの天候となった沖縄では土井新監督のオリックスが糸満で始動。同監督は早速、二塁手、遊撃手に付きっきりで捕球態勢などを指導する張り切りぶりで、宜野湾の大洋は新外人レイノルズがフリー打撃で早くもさく越えを4本放った。

高知では、安芸の阪神が「初日から7時間のハードな練習をこなし、初のキャンプ地高知東部ではダイエー野手組が動いた。ただ、ベテラン門田はファーム組(高知市営)に交じって練習した。

そのほか鴨川の日本ハムは就任三年目で初めて初日快晴に恵まれた近藤監督に笑みがのぞき、鹿児島の口ッテは午前8時の“金田式散歩”からスタートした。

海外組では、気温30度のグアムで巨人が日本一奪回を目指し、ルーキー元木(上宮高出)も汗を流した。豪州ゴールドコーストの中日も気温が35度まで上がり、新外人アンダーソン投手が早くも30球を投げた。

サイパンの近鉄では“二年目のジンクス”に挑む野茂が始動し、ハワイ・カウアイ島ではダイエー投手陣15人がキャンプイン。

契約未更改の落合(中日)は三年連続で二軍に交じり、宮崎・串間キャンプに自費参加した。《共同通信》

【元大関・北天佑】断髪式

大関在位44場所の史上2位の記録を残して昨年秋場所で土俵を去った大相撲の元大関北天佑(30)=三保ヶ関部屋、北海道出身=の現役引退、「二十山」襲名披露花相撲が1日、東京・両国国技館で行われ、約8000人のファンが別れを惜しんだ。

断髪式では落語家の柳家小さん師匠ら友人、後援者ら396人がハサミを入れ、最後に師匠の三保ヶ関親方(元大関増位山)が大銀杏を切り落とした。《共同通信》

【ロサンゼルス空港】旅客機が小型機と衝突


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米ロサンゼルス国際空港で1日午後6時8分(日本時間2日午前11時8分)ごろ、オハイオ州コロンバス発ロサンゼルス行きのUSエアーのボーイング737(乗客94人、乗員6−7人)が着陸の際、滑走路にいたスカイウエスト航空の小型通勤機と激突、両機は炎に包まれた。

ボーイング機は火を噴きながら猛スピードで約400メートル走り、滑走路わきのビルに激突。主翼と機体の一部を残して燃え尽くした。

空港消防当局などによると、これまでに5人の死亡と三十数人の重軽傷者が確認されたが、さらに増えるもよう。また空港当局者によると、少なくとも50人の生存者がいるとみられる。

スカイウエスト機は乗員、乗客計12人で、ロサンゼルスから約80キロ北のカリフォルニア州パームデールに向かうところだった。同空港は朝夕のラッシュ時には、1−3分おきに離発着が繰り返され、事故当時もちょうどこの“魔の時間帯”だった。

衝突の直後に化学消防車、救急車数十台が消火を始めたが、激しい炎に阻まれ作業は手間取った。目撃者らによると、ボーイング機の機体後部は瞬く間に炎上したという。《共同通信》

米ロサンゼルス国際空港で1日夕、USエアーのボーイング737(乗員、乗客計89人)とスカイウエスト航空の小型通勤機(同計12人)が衝突、両機とも炎上した。空港当局などの調べによると、15人が死亡、約40人が重軽傷を負った。

USエアー・スポークスマンによると、自力で逃げ出したと思われる約50人のうち29人の生存が確認されておらず、死傷者の数はさらに増える見通しだ。死者の大半は煙による窒息死だった。

USエアー機は火を吹きながら約400メートル突っ走り、滑走路わきのビルに激突、主翼など機体の一部を残しただけで焼け落ちた。大破したボーイング機の下には焼けた小型機が食い込むような形で残っている。《共同通信》

【都議会自民党】分裂

自民党本部が東京都知事選での鈴木知事擁立を拒否した中で、都議会自民党(42人)の最大グループ「五日会」(水村一郎会長、24人)は1日午前、都内のホテルで緊急総会を開き、鈴木氏擁立決議の白紙撤回を執行部に求めることを決めた。 自民都議団は1月11日に鈴木氏擁立を決議し、都連と一枚岩の形を示してきたが、党本部の最終決定を受けて内部分裂が完全に表面化した。

しかし、鈴木知事は再擁立を決議した自民、民社両党の都連を最大のとりでに来週初めに正式出馬表明の構えを見せている。一方、自公民三党の中央は1日の幹事長・書記長会談から統一候補の選定作業に入る予一定で、都知事選では初めての分裂選挙となるのは必至の情勢だ。

この日の五日会の総会は、出席者8人、委任7人で成立。「都連と党本部がぶつかり合って拒否された以上、擁立決議に縛られる。必要はない」との認識で一致、今後党人として鈴木氏不支持で行動するとしている。会の中心人物の水村会長は1月30日に鈴木知事に面会、出馬断念を勧告している。

自民党の小沢幹事長は1日午前の会見で、東京都知事選候補者選考問題について「党の方針は決まっている」と述べ、自公民三党の枠組みを堅持することを確認、鈴木知事擁立は困難との立場を重ねて表明した。 その上で小沢氏は、鈴木氏が四選出馬に意欲的な発言をしていることに対し「いろいろな人が鈴木氏に(擁立は困難であるとの)事柄をよく理解してもらおうと、お願いしている最中だ。それ(発言)はそれだが、選対で決めた党の方針がどうなるということはない」と述べ、党の決定に変更のないことを強調した。《共同通信》

【東京都知事選】自公民、鈴木氏擁立を見送り

自民党の小沢幹事長、公明党の市川書記長、民社党の米沢書記長は1日午後、国会内で会談し、4月の東京都知事選候補者問題について協議した。この結果、現職の鈴木俊一知事の擁立見送りを最終的に確認し、三党の枠組みで擁立できる新たな候補者の人選に入ることで合意した。

具体的候補者としてNHK特別主幹の磯村尚徳氏、松永信雄前駐米大使、高原須美子元経企庁長官、津田正前自治事務次官、細川護熙熊本県知事らこれまでに話題になった名前が取り上げられたが絞り込むまでには至らず、週明けから三党の都連、都本部などとも協議した上で改めて調整を急ぐことになった。

鈴木知事は同日午後の記者会見で重ねて出馬の意欲を表明したが、三党が鈴木氏の意向にかかわらず人選作業に入ったことから、自民党としては分裂選挙の可能性が強まった。

同日の会談では小沢氏が1月29日の前回会談とその後の党内手続きを踏まえ「公明党は鈴木氏に反対しており、自公民態勢で鈴木氏を推すことはなくなった」として新たな人選に入るよう要請した。

市川氏は直ちに同意したが、米沢氏は民社党内になお鈴木氏を支持する意見が残っていることを理由に「新たなステップに入るのは遠慮してほしい」といったんは留保した。しかし米沢氏は、会談を中断して大内委員長と電話連絡した結果、小沢氏の意向を了承、民社党として正式に鈴木氏擁立断念を表明した。

このため、三氏は「報道されているような名前を並列的に出して話した」(米沢氏)が各党内で検討を進め、来週末を一応のめどに調整を詰めることになった。

候補者の条件については小沢氏が「一般論として自民党は官僚出身者がいい」との考えを示したものの「今回の場合を言っているわけではない」と、それ以上踏み込むことを避けた。

1日の三者会談も含め、磯村氏については公明党や、一時消極姿勢を示した民社党も推す声が出ている。ただ、当初から推していた自民党内には鈴木氏との“相打ち論”がある。外交官出身の松永氏は知名度が乏しいとされ、細川氏に対しては「熊本と東京では違うし、熊本県知事を辞めて都知事に出るのは常識的でない」との意見も強い。津田氏については、むしろ副知事として磯村氏や松永氏とセットで考えてもいいのではないかとの構想もある。

一方高原氏は、海部内閣の閣僚だったため自民党色が強いとの指摘もあるなどいずれも“一長一短”。候補者の選考基準を知名度に置くか、行政能力を重視するかなどの判断材料のほか、社会党の候補者が固まっていないなどの不確定要素もあり、「複雑骨折している問題なので一週間ぐらいは時間がかかる」(公明党首脳)と難航しそうだ。《共同通信》

【東京都・鈴木俊一知事】「天の声にこたえる」

自民党本部などの擁立拒否を受けながらも四選出馬を目指している鈴木知事(80)は1日の定例記者会見で「支持してくださる都民の声を天の声、地の声として、それにこたえるのが地方自治に身命をささげてきた私の進むべき道」と述べ、正式出馬表明が近いことを示唆した。

「都民党」での出馬意思を明確にしたもので、選挙体制が整うのを待って来週初めにも出馬表明するとの見方が強い。

鈴木知事は「支持していただいている自民、民社両党の都連、各種団体、また断固立つべしとの声を上げている人々の温かな声にこたえる」と述べるとともに「出馬への決意は後ろには戻ることはない」と言い切った。《共同通信》

【政界メモ】ゲンかついだ衣替え?

○…海部首相は1日朝、いつもの濃紺から明るいグレーのスーツに衣替えして出邸した。記者団に「新調ですか」と、冷やかされると「いや違うよ。三年前に作ったんだ」と購入年月日が記された裏地を見せて照れ笑い。

「色を変えたのは願をかけたのでは」と記者団に食い下がられ「だって2月は衣替えの季節でしょ。去年の2月の総選挙の時もこのスーツだったよ」とむきになって反論していたが、大勝した選挙戦で着込んだゲンのいい背広に首相、週明け以降の予算委攻防乗り切りを託した?
○…自民党渡辺派の「夫人の会」が、この日都内のホテルで開かれ、渡辺元政調会長は国会議員夫人59人を前に講演。着物やダイヤの指輪などで着飾った夫人連の視線を一身に集め「ふだん選挙区にいらっしゃると、せっかく持っている物もなかなか着られないでしょうが、今日は一段とお美しくて…」とやや緊張した様子。

40分間にわたり湾岸戦争などについてかみくだいて話し、最後は「われわれはみんな、皆さんの内助の功で支えられている。今後もわが派のためによろしく」と、この日ばかりは毒舌も出ずじまい。「さすがのミッチーも山の神には頭が上がらない」とは陰の声。《共同通信》

【社会党大会】閉幕

「平和と政権を担う党へ」をスローガンに掲げた社会党大会が1日、閉幕した。三日間の論議では湾岸戦争が大きな焦点となり、連合政権論議は影が薄くなった。

湾岸戦争問題でも、90億ドル(約1兆1900億円)の追加支援をつぶした場合の日米関係の行方など、踏み込んだ議論には至らないまま。土井委員長は「日本の戦後憲法体制が岐路に立っている」とあいさつしたが、社会党自身も湾岸戦争への対応で大きな岐路に立たされていると言えそうだ。

大会では、自衛隊輸送機の中東派遣や90億ドル支援への反発が噴き出した。地方活動家、国会議員を問わず、長年、反基地、護憲闘争を闘ってきた同党の“平和バネ”がクローズアップされた形だ。

とはいえ戦争終結や避難民救援に向け、目新しい提案があったわけではない。追加支援、増税への対応に苦しむ公明党との差が際立った。

もっとも今回の大会には、統一地方選に向け党内の態勢を固める狙いがあり、「その意味では大会は目的を達成した」と評価する幹部もいる。しかし政権への展望をめぐっては、連合政権協議の立て直しに向けた執行部の努力不足が相次いで指摘された。

山口書記長は昨年2月総選挙で、公明、民社両党が議席を大きく減らしたことを政権協議挫折の原因の一つに挙げるとともに「わが党のみが護るのではなく互譲の精神が必要」と釈明。協議再開の見通しは開けないままだった。

一方、大会では人事大会となる12月大会に向けた布石とも受け取れる動きもみられた。同党支持団体の全電通、全逓などが91年度運動方針に対する意見書を提出。消費税の緊急是正問題や連合政権協議をめぐる執行部の対応に組織的な不満を集中させた。

党内には「統一地方選が終われば、12月の人事大会に向けた動きが開始される」(幹部)との見方もあり、土井氏の四選問題もにらんで党内情勢の流動化が予想される。《共同通信》

【湾岸戦争】イラク軍、カフジからの撤退を宣言

サウジアラビア・クウェート国境で起きたイラク軍と多国籍軍との衝突は1日、イラク軍が一時的に制圧したサウジ東北部カフジからの撤退を宣言、国境への南下を続けていたイラク軍部隊も多国籍軍の激しい空爆を受けて移動を停止したため、当面は沈静化した。《共同通信》



2月1日 その日のできごと(何の日)