平成705日目

平成2年12月13日(木)

1990/12/13

【多摩川水害訴訟】高裁に差し戻し

昭和49年、集中豪雨による洪水で多摩川の堤防が決壊し、家を流されるなどの被害を受けた東京都狛江市の住民32人(29世帯)が、国家賠償法に基づいて国に総額4億円の損害賠償を求め、一審で勝訴、二審で逆転敗訴した「多摩川水害訴訟」の上告審判決が13日午前、最高裁第一小法廷であった。

大堀誠一裁判長は、当時の多摩川のような改修済み河川の管理責任について「改修計画で定めた規模の洪水による災害を防止できる安全性を備えるべきだ」と、初判断を示した上で「二審は多摩川を改修不十分な河川と同視するなど、国家賠償法の解釈、適用を誤った」と、住民側全面敗訴の東京高裁判決を破棄、審理を同高裁に差し戻した。

判決は審理に関与した5裁判官全員一致の結論。これで差し戻し審では、住民側の請求が認められる可能性が強まった。

国の管理責任を狭くとらえた「大東水害」最高裁判決(59年)の適用範囲に枠をはめた今回の判決が、他の水害訴訟の審理に大きな影響を及ぼすのは必至。国や地方自治体にも河川行政の見直しを迫ることになりそうだ。

判決はまず「河川は治水事業の過程での改修、整備段階に対応する安全性で足り、管理の落ち度は財政的、技術的、社会的諸制約の下での同種・同規模河川の管理の一般的水準などに照らして判断すべきだ」と、大東判決を援用。

多摩川については「工事実施基本計画に準拠して改修、整備をされた河川であり、計画で定めた規模の洪水から予測される災害を防止するに足りる安全性を要する」との見解を示した。

さらに、多摩川水害が計画高水流量規模の洪水で、人工的に設置された堰と取り付け部護岸の欠陥が原因となったことを指摘。「(堰のような)許可工作物のある河川部分の管理の落ち度は、河川全体について大東判決の基準により判断すべきだが、許可工作物による危険を除去する際の財政面などの制約は、広範囲の河川管理施設を改修、整備する場合に比べ、相当に小さい」と述べた。《共同通信》




【海部俊樹首相】在外邦人安全性確保のためマニュアル作成へ

国会は13日、衆院予算委員会で平成2年度補正予算案の審議を続行。同日午後、質疑を終え採決の結果、自民、民社両党の賛成多数で可決、午後2時すぎから開かれた衆院本会議でも可決、補正予算案は参院に送付された。

海部首相は予算委答弁の中で、イラクの日本人人質に関連して在外邦人保護の危機管理問題について「あらゆる場合を想定してできるだけ情報を正確にどう連絡したらいいかを踏まえ今回の反省に立って検討を続けている」と述べ、突発的な国際紛争に際してのマニュアル作りを急ぐ考えを表明した。《共同通信》

【政界メモ】気になる陰口「猟官運動」

○…自民党安倍派の三塚事務総長は13日、都内で開かれた同派総会であいさつ。内閣改造・党役員人事をめぐる最近の各派事務総長会議に触れて「悪名高い事務総長会議といわれるようだが、そういう気持ちではなく、(各派)会長を補佐して派内の意見、動向をお知らせ、報告する責任があるということでミーティングをした」と切り出した。

さらに「一昨日は幹事長の方から派内の意見を聞かれ、紹介した」などと弁明することしきり。13日の党長老の集まりでも、人事問題で突出気味の事務総長会議への批判が相次いだが、どうやら「事務総長会議は事務総長連中の猟官運動」との党内の陰口が気になるらしい。

○…この日、社会党の中執委後、記者会見した田並広報局長は、同党がソ連支援のため集めている「カップラーメンカンパ」について説明した。田並氏は「既に(カンパを見込んで)10万食分を確保した。山梨からは3000食、土井委員長、伊藤政審会長のところにもそれぞれ3000食ずつ現物が届けられており、計11万食を確保できた」などと懸命のPR。

また近々、土井氏がソ連大使館に出掛けて“贈呈式”を行い、同党の対ソ支援策をアピールすることも明らかにしたが、イラクの人質解放では、対応の遅れで出番を失った社会党だけに今回のカンパ作戦は「湾岸対策失敗のばん回策」との見方も。《共同通信》

【大洋・斎藤明夫投手】22%増で更改

14年目のベテラン、斎藤明夫投手(35)は13日、横浜市中区の球団事務所で22%増の8200万円で契約更改した。日本人選手としては、球団史上初の8000万円台突入となった。

リリーフから先発に戻って三年目の斎藤は、今季6完投勝ちを含む10勝(7敗)をマーク。「二けたの納得のいく成績を挙げられ、球団もそれなりの評価をしてくれた」と満足そうだった。

二年連続ゴールデンクラブ受賞の山崎賢一外野手は5%増の3150万円でサイン。新浦寿夫投手と清水義之内野手は保留した。《共同通信》

【新幹線300系】時速303キロでの走行に成功

東海道新幹線の次世代車両「スーパーひかり」(300系)の走行試験が13日深夜から14日未明にかけ米原ー京都間で行われ、営業用車両としては国内最高の時速303キロでの走行に成功した。

JR東海はさらに来春、300系で時速320キロ突破に挑戦する計画。JR東日本も320キロを目標に今月から新型車両の試験に着手しており、新幹線のスピード競争は一段と“加速”しそうだ。

試験走行は、13日午後11時45分に16両編成で米原駅を出発。9分後に滋賀県野洲郡野洲町付近で最高の303.1キロに到達した。《共同通信》




12月13日のできごと