平成706日目
1990/12/14
この日のできごと(何の日)
【韓ソ首脳会談】
訪ソ中の盧泰愚韓国大統領は14日午前11時(日本時間同日午後5時)からモスクワのクレムリンでゴルバチョフ・ソ連大統領と約2時間会談し、朝鮮半島での冷戦終結、南北統一のための緊張緩和と信頼構築をうたった共同宣言に署名した。
首脳会談では、盧大統領が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の改革、開放にソ連の協力を要請したのに対し、ゴルバチョフ大統領は韓国側の立場を北朝鮮側に伝えることを約束した。
会談後、ゴルバチョフ大統領は来春にも訪韓する意向を明らかにした。
共同宣言は、朝鮮半島の平和が北東アジアと世界のため重要との認識を示し、南北首相会談など南北対話の拡大を歓迎するとうたった。
そして、両国関係の基調となる原則として武力など力による紛争解決を認めないとし、韓ソ関係の発展がアジア太平洋地域での平和と安保の強化に寄与、アジアでの冷戦の終結を加速させ、南北統一のための緊張緩和と信頼構築を促進させると強調している。
さらに、ソ連は南北間の政治・軍事的対決の終結と南北対話の持続を支持し、韓国はソ連の改革の成功が国際関係や北東アジア情勢の重要な要因であると確信するとしている。このほか、経済・通商・文化・科学などの分野での協定締結推進に言及している。
韓国大統領スボークスマンによると、首脳会談では主に朝鮮半島の平和統一、韓ソ両国の関係発展などが話し合われ、南北間で相互信頼の構築を通じた段階的な軍縮も可能であり、実現可能なやさしいことから順次解決していくベきだ、との点で意見が一致した。
両大統領は共同宣言署名後、約20分間、記者会見し、ゴルバチョフ大統領は「朝鮮半島の軍事的対決状況が小さくなればなるほど(北朝鮮の核問題は解決に向け)進む」と述べ、北朝鮮の核開発問題は南北の関係改善とともに段階的に解決することが可能との見方を示した。そして朝鮮半島の非核地帯化の必要性を強調した。
韓ソ関係は、6月に米国・サンフランシスコで初の韓ソ首脳会談が行われ、9月末に国交を樹立した。《共同通信》
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【新幹線】売却額が決定
大野運輸相は14日閣議後の記者会見で、新幹線保有機構が持つ東海道など既存4新幹線の線路や駅など諸設備のJR3社への各売却額を正式に発表した。
東海道はJR東海が5兆823億円で、上越、東北はJR東日本が3兆768億円、山陽はJR西日本が9684億円で買い取ることになり、総額は9兆1300億円。
売却は来年10月を予定し、3社は今後、最長60年間で購入代金を分割払いする。政府は売却収入を毎年の予算で、鉄道整備基金特別会計に計上、旧国鉄債務約33兆円の返済の一部に充てるほか、1兆600億円を整備新幹線建設費に回す。
また新幹線の売却により、3社の総資産額が明確になり、来年秋のJR株式上場に向け条件が整うことになる。
4新幹線は現在、同保有機構が3社にリースしている。売却額は主に公示地価を基準にして決め、3社への割り振り額については、1987年4月の国鉄分割・民営化時点の時価評価額と2000年までの平均収益力を基に決められた、3社のリース料負担割合に基づき調整した。リース料の負担の大きい東海が、そのままの負担割合を適用することに難色を示したため、評価額と3社の収益力を見直した上、路盤や高架橋の維持、補修費などを加味した。《共同通信》
【自民党・加藤政調会長】新幹線「来週前半にも決着」
自民党の加藤政調会長は14日午前の役員会で、整備新幹線着工問題について「平成三年度予算案の大蔵原案内示前に、新幹線問題全体について決着をつけたい。本格的な着工許可をどう出すかが問題だ」と述べ、早ければ来週前半にも新幹線5線の着工問題について決着をつける方針を明らかにした。
5線のうち東北新幹線の盛岡ー青森間と九州新幹線の八代―西鹿児島間については、これまでの運輸省を中心とした協議で来年度本格建設が固まっており、北陸新幹線の軽井沢―長野、金沢—高岡など3区間でどう本格建設にこぎつけるかが焦点となっている。《共同通信》
【海部俊樹首相】対ソ支援に前向き
参院予算委員会は14日午後、平成二年補正予算案をめぐる質疑を続行した。中山外相は、ソ連への食料品緊急援助の実施時期について「ソ連の人たちが一番困られるのは1月、2月という認識は持っている。できるだけ速やかに対策を立てたい」と述べ、来年1、2月を目標に緊急援助を実施できるよう準備を急ぐ考えを表明した。社会党の対馬孝且氏が「今やらないと意味がない」と早期実施を迫ったのに答えた。
石川防衛庁長官は来年度からの次期防衛力整備計画(次期防)の策定に関連し、「防衛計画の大綱は安全保障の憲法といっても差し支えはない」と述べ、防衛計画の大綱見直しには慎重な姿勢を示した。
食料品、医薬品の対ソ緊急支援について、海部首相は、「領土問題や平和条約を横に置いて、これでいいということではない」としながらも「隣国として人道的立場からの協力はやる」と前向きの姿勢を示した。
さらに外相も「日ソの人間外交の観点から、長く閉ざされた厚い壁がこの行為によって少しずつ解け始めるのは、両国の将来にとって極めて好ましい」と緊急援助の意義を強調した。
橋本蔵相は土地保有税が自民党案通り実施された場合の税収などについて「納税者は5万人、税収見込み額は2、3000億円程度」との見通しを明らかにした。
外相は、今年9月に政府が署名した国連の「児童の権利条約」の批准時期について「できれば今通常国会、遅くとも次の国会で批准していただく」と述べ、批准に向けた関係省庁との国内法調整作業を急ぐ方針を初めて明らかにした。《共同通信》
【政府】消費税見直しは先送り
消費税見直し問題を協議してきた税制問題等両院合同協議会(会長・小沢自民党幹事長)は14日午後、幹事長・書記長レベルの全体会議を断続的に開き、最終的な協議をした。しかし、食料品の全段階非課税を要求する社会党とこれを拒否する自民党との溝は埋まらず、協議は平行線をたどった。「益税」対策などこれまでの与野党の一致点に限っての法案提出についても、社会党が反対、見直し問題全体が先送りされることとなった。
これを受けて政府、自民党は同日夕、海部首相を中心に首脳会議を開いた結果、現行消費税制のまま来年度予算編成に臨む方針を確認した。
税制協は小沢幹事長を座長とする幹事会を来週にも開き今後の運営方針を協議することとなったが、自社間の対立が激しいため見直し問題の決着は来春の統一地方選以降になるとの見通しが強い。
全体会議では24回に及んだ専門者会議(座長・加藤自民党政調会長)の結果について、加藤座長が報告した。この中で加藤氏は、簡易課税制度の見直しによる「益税」対策と「運用益」対策、住宅家賃や助産費用などの非課税化で与野党がほぼ合意したと指摘し、「合意した部分だけで議員立法すべきだ」と提案した。
これに対し民社党や連合参議院などは同意したが、社会党は「食料品の全段階非課税を含めて政府が法案を提出す一べきだ」と反対。公明党は「部分合意」による立法化は認めたものの、「政府提案」とするよう要求した。共産党は継続協議を主張した。
このため自民党は法案に社会党が賛成することを条件に「政府提案に応じてもよい」との姿勢を示したが、社会党は最後まで「食料品非課税を認めなければ同調できない」として、物別れに終わった。
税制協自体は今後も継続され、来週の幹事会で当面の運営方針が話し合われる予定だが、自民党政策担当首脳は「きょうの社会党の態度では当分まとまらない」としており、公明、民社両党の中にも「統一地方選挙が終わるまで社会党は態度を変えないだろう」との見方が強い。
税制協は先の特別国会で政府の見直し案と野党の廃止法案がともに廃案になったことを受けて6月下旬に設置され、これまで専門者会議で①簡易課税の適用上限の現行5億円から4億円への引き下げ②申告納付回数を二回から四回に増やすーことによる運用益対策などでは合意。
「逆進性」対策でも住宅家貴、教育費、在宅老人福祉としてのホームヘルパー制度など約1500億円相当の減税策を取ることでもほぼ一致していた。《共同通信》
【会計検査院】元年度決算報告を提出
会計検査院(中村清院長)は14日、国や公社、公団、JRなど政府関係機関の平成元年度決算についての会計検査結果をまとめた「平成元年度決算検査報告」を海部首相に提出した。
報告によると、違法な支出や非効率な事業運営などによる国費の無駄遣いと指摘されたのは、220件、143億9828万円。昭和63年度(202件、151億1567万円)に比べると、金額はやや減ったものの、件数は逆に増えて過去10年間で最高となり、相変わらずの税金の浪費ぶりと不正の多様化、悪質化が浮き彫りになった。
厚生省は、約58億円に上る国民健康保険・財政調整交付金の不当な支出などで前年度の三倍近い無駄遣いを指摘され、金額、件数ともにワーストワン。年々急増する医療費関連の不正も目立った。
“ばらまき援助”と一部で批判の強い発展途上国への政府開発援助(ODA)については、前年度報告で初めてメスが入り反響を呼んだが、今回は「援助効果が不十分など実態は前年度とほとんど変わらないが、新たな問題提起事項がない」などの理由から報告が見送られた。
無駄遣いなどの指摘を受けた内訳は①法律、政令、予算に違反するなどの「不当事項」が192件、102億6848万円②経理や制度の改善を求めた「意見表示、処置要求事項」は11件、28億8510万円③指摘に基づいて既に改善処置を講じた「処置済み事項」が17件、12億4470万円。
省庁、政府関係機関別の指摘金額(100万円未満切り捨て)は、厚生省が最高で82億8400万円(前年度28億2300万円)、次いで大蔵省15億8600万円(同13億2000万円)、労働省12億5000万円(同11億9000万円)の順。前年度39億4700万円でワーストワンだった農水省は、3億6700万円に激減して7位になった。
厚生省の指摘金額の7割は、市町村に交付される国民健康保険の財政調整交付金制度を悪用したもので、大阪、和歌山、松山、徳島、松原(大阪)、海南(和歌山)の6市は住民からの保険料収納額を二重帳簿を作るなどしてごまかし、国保の国庫助成金である調整交付金の不正支給を受けていた。
大蔵省は所得税、法人税などの徴収の過不足や不当貸し付け。労働省は労働保険の不適正な徴収、雇用保険の不正支給が目立ち、特に今回は新規に雇用した事業主に支給される地域雇用開発助成金制度を悪用したケースが、初めて不当事項の指摘を受けた。
検査は昨年11月から今年10月までの間、検査対象機関約3万8900カ所の9.2%に当たる約3600カ所で実施した。《共同通信》
【花博ライド転落事故】関係者6人を書類送検
大阪・鶴見緑地で開かれた「国際花と緑の博覧会」で開幕直後の4月2日、高架式水上交通機関「ウォーターライド」が転落、乗客ら24人が重軽傷を負った事故で、大阪府警守口署捜査本部は14日、関係者が適切な回避措置を怠ったため起きた“人災”と断定、業務上過失傷害の疑いで出展企業の大手スーパー「ジャスコ」(本社・東京)のA元ウォーターライド総館長(57)や企画した大手広告代理店「博報堂」(同)など関係5社の現場責任者6人を書類送検した。
イベントを数多く企画している大手広告代理店が実際の運営面の責任を問われるのは異例。
事故は4月2日午後0時15分ごろ「街の駅」の乗船場のベルトコンベヤーが作動せすウオーターライドが次々と玉つき、1隻が地上に転落、もう1隻が宙づりとなった。
ベルトコンベヤーの故障は、電気回路の一部のリミットスイッチが一時的に接触不良になり、係員が操作ボタンを押しても動かなかったことが分かった。
しかし、捜査本部は、故障から転落までの約10分間に、すべてのベルトコンベヤーを停止させるなどの適切な措置が取られれば事故は防げたとみて、関係者約300人からの事情聴取や現場検証を続けてきた。
その結果①開幕直前の試運転で漏電のため全ライドが停止する事故が起きたのに、緊急時の運営マニュアルを作成していなかった②事故発生時にA・元総館長が停船命令を出しておらず、関係者が適切な指示を怠った―などが事故の原因と断定した。
博報堂関係者については、指揮命令系統などをさらに明確にするための運営マニュアルの補正義務を怠った、としている。《共同通信》
【プロ野球・西武】秋山外野手、渡辺投手、2度目も保留
西武の石毛宏典内野手(34)、秋山幸二外野手(28)、渡辺久信投手(25)の年俸1億円が射程内の主力3選手が14日、埼玉・所沢の球団事務所で契約更改交渉に臨み、更改と保留に分かれたが、1億円突破は成らなかった。
初交渉の石毛は500万円増の年俸9500万円でサイン、二年ぶりの1億円プレーヤー復帰は成らなかった。石毛は昨年、400万円ダウンの年俸9600万円で今季の契約を結んだと推定されていたが、実際は9000千万円だったことが判明した。
年俸1億円を強く要求する秋山と渡辺久はともに二度目の交渉も歩み寄りがないまま決裂した。秋山は今季より1500万円増の9800万円、渡辺久は同2400万円増の9500万円の提示を指否した。これで西武の未更改選手は盗塁王の秋山、最多勝の渡辺久の2人(外人を除く)。
森監督らコーチ陣と一軍ナインは15日にハワイへの優勝旅行に出発するため、22日の帰国まで交渉は中断する。(金額は推定)《共同通信》