平成692日目
1990/11/30
この日のできごと(何の日)
【台風28号】紀伊半島に上陸
季節外れの台風28号は30日午後2時ごろ、和歌山県白浜町付近に上陸した後、大型で並の強さを保ったまま紀伊半島の東岸沿いに北上、午後7時すぎ温帯低気圧に変わった。低気圧は能登半島付近から日本海に抜ける見込み。進路に当たる地域では大雨が予想されるため気象庁は警戒を呼びかけている。台風28号は戦後の観測史上、最も遅い本土上陸となり、昭和23年11月19日に紀伊半島に上陸した台風34号の記録を塗り替えた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【秋篠宮殿下】25歳の誕生日
天皇家の二男、秋篠宮さまは30日、25歳の誕生日を迎えられた。英国留学から帰国後、6月に紀子さまと結婚、最近は天皇陛下の一連の即位儀式に参列したほか、皇太子さまの公務の一部も分担されている。
誕生日を前に秋篠宮さまは宮内記者会の質問に対し文書で答えを寄せ「即位礼や大嘗祭が厳かに行われ、うれしく思います。(公務は)自分の立場を考えながら、できるだけのことをしていくように努めています」などと、最近の心境を述べられた。
新婚生活については「割合と長い期間の付き合いがありましたので、結婚した後に新たに気が付いたことは特になかったと思う。(紀子さまは手料理を)一生懸命に作っているようです。感謝しています」と述べ、順調なご様子。
公務以外の時間は、ナマズの研究などに充てており、タイ、インドネシアなど東南アジアに生息している「ベロドンティクティス」の分類を進められているという。《共同通信》
【国会】初の自由参観
議会開設100年を記念した国会内の自由参観が30日朝、三日間の日程でスタート、午前中約1万人が入場した。昭和11年に現在の議事堂ができて以来初の試みで「主権者の国民との距離をできるだけ近づけたいとの願いを込めて」と衆院文書課。隣の国立国会図書館でも、国会の歴史に関係深い資料を集めた議会政治展が始まった。
通常の国会見学は衆院、参院どちらかしか見られず、衆院に限っては原則として議員の紹介も必要だが、今回は両院とも一度に見学でき、議員の紹介も要らない。
この朝、神戸から来たという女性の一番乗りをはじめ1000人以上が詰め掛けたため、予定より15分早めて午前8時45分に参観を開始。特別開放の中央玄関から議事堂内に入った見学者たちは、途中設けられた速記の実演コーナーで、自分の名前の速記サインのサービスを受けながら初の自由参観を楽しんだ。
12月2日まで。参観時間は午前9時—午後4時。《共同通信》
【プロ野球・巨人】元木大介選手の入団が決定
巨人のドラフト1位、元木大介選手(18)=181センチ、78キロ、右投げ右打ち、大阪・上宮高出=の入団が30日決定した。伊藤菊スカウト部長らは同日夜、大阪市内のホテルで両親らを交えて元木選手と入団交渉し、契約金9000万円、年俸840万円(推定)で合意、仮契約を結んだ。
契約金の9000万円は昨年の野茂(成城工高—新日鉄堺—近鉄)の1億1000万円(推定)には及ばないものの、巨人は元木の一年間の犠牲にこたえる形で、同球団の高校卒選手としては最高の扱いをした。
元木がハワイから帰国した27日の指名のあいさつに続く、この日の交渉はスムーズに運び「高校卒の選手に対して、うちとしては破格の扱い」(伊藤菊部長)という条件提示に、元木側は快諾し、仮契約となった。正式契約、入団発表は12月21日、都内のホテルで他の新入団選手とともに行われる。
異例の“浪人”の末に、ついにあこがれていた巨人への入団が決まった元木は「ここまで長かったけど、この日がきてうれしい」と喜びを語った。「チーム史上最高じゃないけど、高校卒では一番になる」(同部長)という巨人の評価については「うれしい、数字を見てビックリしました」と満足そうだった。
元木は3度出場した甲子園で6ホーマーを放ったスラッガー。昨年のドラフト会議ではダイエーに1位指名されたが、巨人入りを熱望して入団を拒否。上宮高を卒業後は、米国・ハワイなどで練習を積み、ことしのドラフト会議で巨人から待望の1位指名を受けた。
12月1日からはポストシーズンに入るが、元木の今後の練習については、既に巨人がコミッショナー事務局から、巨人の6人の故障選手が多摩丘陵のジャイアンツ球場で行うリハビリテーションを兼ねた練習に参加できる、との了承を得ている。しかし、この日は練習参加についての具体的な話し合いは持たれなかった。《共同通信》
【海部俊樹首相】年内改造を示唆
海部首相は30日、年内の内閣改造を視野に入れて改造時期の検討に着手していることを認めた。同日、自民党内から早期改造を求める声が相次いでいることについて、記者団の質問に答え「いろいろ私も自民党側から聞いている。いろいろな場合を想定して(改造の時期を)考えている」と述べた。
この発言は、20日に首相自身が「年内は日程的に予算編成やら何やらある」として示した「年内改造は難しい」との認識を転換したと受け止められている。
12月10日召集の通常国会では、補正予算が17日ごろに成立する見通しが固まってきたことから、補正予算成立後の20日ごろから24日に予定される平成3年度予算大蔵原案内示までの間か、26日ごろの政府案決定直後のどちらかを見定めて最終決断するものとみられる。
国連平和協力法案の流産で大きな政治的打撃を受けた首相は臨時国会後「改造はぜひやりたい」と周辺に意欲を漏らし、来年10月までの総裁任期を念頭に「時期についてもあらゆる可能性を検討してきた」(側近)といわれる。しかし、年末の政治日程が窮屈なため、12月改造は見送り来年1月の通常国会再開前に焦点を合わせているとみられていた。
ここにきて年内改造説が急浮上してきたのは湾岸危機問題で、国連安保理が日本時間30日朝、来年1月15日以降、イラクに対する武力行使を含むあらゆる制裁手段を容認する決議を行ったためだ。自民党内ばかりではなく、官邸内からも「2月中旬以降は改造どころではなくなる。状況は(年内改造へ)収れんしてきた」との声が出始めてきた。
海部政権を支えている竹下派会長の金丸元副総理が、年内改造慎重論から早期改造論に考えを変えたといわれることも、首相の意思決定に大きな影響を及ぼしたものとみられている。《共同通信》
【政界メモ】首相もぶつかりげいこ
◯…海部首相は30日、官邸にスポーツ界から約1200人を招き、懇親の集いを開いた。台風によるあいにくの大雨だったが、横綱千代の富士関、フィギュアスケートの伊藤みどりさんらに囲まれ、終始上機嫌。
「私もぶつかりげいこでやる」と、用意したあいさつ文を全く見ずに立った首相は「小さな体で頑張っている人もたくさんいる。雨にも負けず、風にも負けずに頑張ることがスポーツの根底にある」と相変わらず「一生懸命」「頑張る」を連発。難問山積の政局運営に自らを激励した様子。
◯…金丸元副総理は参院新潟補選の応援で新潟入りし、3カ所を足早に回った。講演会場では「あっちへ行って放言、こっちへ行って放言。新聞種になる確率が普通の国会議員よりうんと多い。動物園のパンダと同じだ」と笑わせたが、内容は盛りだくさん。
先の訪朝での「45年の償い問題」から、得意の公共事業問題に転じ「公共投資は一杯飲んで、芸者遊びして小便にしてしまうものではない」と解説。負けた沖縄県知事選も「12年も長くやるとお殿さまになる」と応援していた候補をばっさり切るなど、変幻自在の金丸流をいかんなく発揮。《共同通信》
【米・ブッシュ大統領】イラク外相を招請
ブッシュ米大統領は30日の全米向けテレビ演説で、アジス・イラク外相を12月10日からの週にワシントンに招請すると述べた。
また同大統領は同日、ベーカー国務長官に対してフセイン・イラク大統領との会談のため12月15日から来年1月15日までの間にイラクを訪問するよう指示した。《共同通信》
【嘉納杯国際柔道大会】
嘉納杯国際柔道大会は30日、東京・日本武道館に34の国と地域から199選手が参加して開幕。第一日は重量3階級を行い、日本は95キロ超級で世界二冠の小川直也(日本中央競馬会)が優勝したが、残る2階級はフランスが制した。
小川は北京アジア大会で敗れた後遺症からか、1回戦から動きにさえがなく、辛うじて勝ち上がって決勝では金野潤(綜合警備保障)を小差の判定で下した。
95キロ級はステファン・トレノーが賀持道明(日大)を、86キロ級はジャンルイ・ゲイモーンが房前善行(九州電力)を「それぞれ破って優勝した。《共同通信》
【国道8号線・小松バイパス】東山町―津波倉町間供用開始
国道8号小松バイパスの小松市東山町—津波倉町間5.1キロが暫定二車線で完成し30日午前、東山側の本線上で110人が出席して開通式を行ったあと、正午から一般車の通行が始まった。
小松バイパスは、既に供用済みの金沢西バイパス、加賀産業開発道路(主要地方道金沢小松線)と結ぶ寺井町大長野—加賀市箱宮間15.6キロの国道で、昭和57年度に着工し、61年度に小松市八幡—東山間2.2キロが部分開通している。この日開通した区間はその延長になり、粟津温泉と金沢が加賀産業開発道路経由で、これまでより15分短縮されて40分で結ばれることになった。
開通式では長澤利夫建設省金沢工事事務所長の式辞、田尻文宏北陸地方建設局長のあいさつに続き、森代議士、粟森参院議員、竹田又男小松市長らが「この道は小松の新しい発展に結び付くものであり、今後は一日も早く全線開通を」などと祝辞を述べた。このあと森代議士、竹田市長ら7人がテープカット、地権者代表、地元町内会関係者ら13人によってくす玉が割られ、46台の車が津波倉までの区間をパレードした。《北國新聞》
【’90日本新語・流行語大賞】金賞「ファジー」
今年の流行語ナンバーワンは人気アニメから「ちびまる子ちゃん(現象)」、新語は電化製品などに利用されているコンピューターのあいまい理論を表す「ファジー」—。
「現代用語の基礎知識」の出版元、自由国民社が選定した「’90日本新語・流行語大賞」が30日決まった。新語部門の金賞は「ファジー」で、メーカーの松下電器が受賞。銀賞は、湾岸危機をめぐって、ブッシュ大統領が海部首相に電話で中東貢献策を求めてくることを皮肉った「『ブッシュ』ホン」、銅賞は若いOLの中年化を取り上げた中尊寺ゆつ子さんの漫画から「オヤジギャル」がそれぞれ受賞。表現賞として、女性の足代わりに使われる男性を示す「アッシーくん」が選ばれた。
流行語部門では「ちびまる子ちゃん」が金賞に。銀賞は肥大化した日本経済を意味する「バブル(泡)経済」、銅賞にはドライビールに対抗して発売したキリンビールの「一番搾り」とソニーの8ミリビデオ「パスポートサイズ」の2つが入った。さらに大衆賞にはベストセラーとなった女優二谷友里恵さんの「愛される理由」が選ばれた。《共同通信》
【中国・銭其琛外相】米大統領らと会談
国連安保理の外相級協議出席のため訪米した銭其琛中国外相は30日、ワシントンを訪れブッシュ米大統領、ベーカー米国務長官と会談し長官のバグダッド訪問とイラク外相の米国訪問招請の提案に全面的な支持を表明した。
米国務省の声明によると銭外相とベーカー長官は、ペルシャ湾岸危機の部分解決に反対する立場で一致したほか「平和解決に向けたあらゆる努力が払われるべきである」との共通の見解を表明した。
銭外相のワシントンへの公式訪問は、昨年の天安門事件以来初めてで、米政府が同事件後に取った政府高官の交流禁止措置の解除につながるとみられている。
国務省声明によると、米中双方は湾岸危機のほか、二国間問題、カンボジア、朝鮮半島情勢についても協議、その結果、バーソロミュー国務次官(安全保障援助・科学・技術担当)とシフター国務次官補(人権・人道問題担当)が個別に、近く中国を訪問することで合意した。《共同通信》