平成693日目

平成2年12月1日(土)

1990/12/01

【イラク】米提案を受諾

イラク革命評議会(議長・フセイン大統領)は1日、ブッシュ米大統領が提案した両国外相の相互訪問による直接対話を原則的に受け入れるとの声明を出した。イラクが8月2日にクウェートに侵攻して以来、互いに激しい非難合戦を展開してきた米国とイラクの間で、話し合いの土壌ができたのはこれが初めてで、湾岸危機の平和的解決へ向け、成否は別として直接対話が実現することが確実となった。

声明は同日午後(日本時間同日夜)、国営イラク通信を通じて発表された。革命評議会はフセイン大統領をはじめ10人から成る緊急会議を開き、提案受け入れを決めた。正式に米国からの提案を受けた後、両国の関係者が相互訪問の時期などを話めるとしている。

先月29日に国連安保理が、1月15日までにイラク軍がクウェートから全面撤退しなければ対イラク武力行使もあり得るとした決議の採択を受けてブッシュ大統領は同30日、イラクに対して今月10日から始まる週にアジズ・イラク外相が訪米、また15日から来年1月15日までの間にベーカー米国務長官をイラク入りさせて直接交渉に当たらせるとの新和平提案を示した。

声明はまた「ごう慢な米国大統領、ジョージ・ブッシュがこれまでアラブ民族、イスラム教徒、神や人間の価値を信じるすべての人々をさげすみ対話を拒否してきたにもかかわらず」イラク側は米国の提案を受け入れることにしたと強気の姿勢を貫いている。

ブッシュ提案が湾岸諸国の駐米大使を米・イラク対話の席に呼んでいることについて、提案の意図が分からないとしながらも、米国が関係当事国の出席が必要とするなら、ワシントンでもバグダッドでも必要な所にその代表を同席させる、と述べた。《共同通信》




【電話番号案内】104有料化

NTTの番号案内「104」が1日から一件あたり30円の有料になったが、有料化に反対する市民団体や「不便を強いられる」とする目の不自由な人たちが1日午前、各地で抗議行動を繰り広げた。

この日午前零時から番号案内「104」にかけると、オペレーターが「30円いただきますが、よろしいですか」と利用者に確認してから応答している。目の不自由な人や、重度の肢体不自由者は、事前に申し出て登録すれば、無料措置が取られている。《共同通信》

【京都市】連続ゲリラ

1日早朝、京都市内の銀行、デパートなど4カ所で不審火が相次いだ。現場から時限式発火装置などが見つかり、京都府警は、天皇陛下の関西訪問に反対する過激派の同時放火ゲリラ事件とみて調べている。

1日午前6時ごろ、京都市下京区四条通猪熊西入ルの住友銀行四条大宮店の夜間金庫付近から、白煙が上がっているのを、警備会社からの通報で駆け付けた堀川署員らが発見。建物などに被害はなかったが、発煙地点に小箱とリード線が見つかった。午前6時40分ごろ、同市一京区烏丸通七条下ル、京都近鉄百貨店三階東側中央にある寝具売り場と五階台所用品売り場から出火、布団などの一部を焼いた。布団の中から発火装置が見つかった。京都市

【嘉納杯国債柔道大会】古賀稔彦選手が連覇

嘉納杯国際柔道大会第2日は1日、東京・日本武道館で3階級を行い、71キロ級の古賀稔彦(日体大大学院)と78キロ級の吉田秀彦(明大)が優勝した。古賀は山下泰裕(東海大教)以来2人目の嘉納杯連覇を成し遂げた。世界チャンピオンの古賀は準決勝でソ連の新鋭ジェボアーゼに得意の背負投げで一本勝ちし、決勝では秀島大介(明大)に苦戦したが、小内刈りで有効を取り優勢勝ちした。

78キロ級の吉田は準決勝で世界選手権2位の持田達人(警視庁)に払い腰で一本勝ちし、決勝では世界チャンピオンの金炳周(韓国)を積極的に攻め、判定勝ちした。

65キロ級の大崎昭浩(横浜そごう)は決勝でソ連のコスミニンに敗れ2位となった。《共同通信》

【中山太郎外相】米・ヒルズ通商代表と会談

ヒルズ米通商代表は1日午前(日本時間同日夜)ブリュッセルのプレジデント・ワールド・トレード・センターで中山外相と会談し、農業の市場参入問題に関し「100%の完全な輸入禁止は正当化できない」と述べ、日本のコメ完全自給政策批判、市場開放を強く迫った。中山外相は「コメ完全自給の国会決議を尊重する方針に変更はない」とかわした。

会談は3日から始まる関税貿易一般協定(ガット)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の事前調整が目的だが、農業問題に対する米側の強い意思が明らかとなり、閣僚会議の成り行きによってはコメが矢面に立たされる懸念が出てきた。

同代表は「農業で前進できれば、ラウンドの進展につながる」とし、新ラウンドで最も難航している農業での日本の協力を求めた。

中山外相は「日本は食料の純輸入国で自給率は30%に下がっている。牛肉、かんきつ類も来年に自由化するなど最大限の努力を払ってきた」と述べ、「食糧安全保障を重視する国民の強い感情を考慮せざるを得ない」とコメ自給に理解を求めた。

しかしヒルズ代表は「最大限の努力にコメは含まれるのか」と食い下がり、外相は「工業品の自由化でさえ戦後40年かかった。難しい問題のある農業で短期の改革に固執するのは現実的でない」と応酬した。それでもヒルズ代表は「発展途上国や東欧諸国は40年も待てない。これらの国の支援のためにも市場開放が必要」と切り返し、両者の主張は完全にすれ違いで終わった。《共同通信》

【英仏海底トンネル】作業用トンネルが本格開通

10月末に貫通した英仏海底トンネルの作業用トンネル(全長約49.4キロ)先端部分が人の行き来ができる大きさにまで広げられ、1日、英国とフランス双方から掘り進んだ両国作業員が初めてトンネルを通って相手側の工事区域に足を踏み入れ、海の下で固い握手を交わした。

作業用トンネルは、資材の運搬などに使われ、直径4.8メートル。作業トンネルの貫通によって、列車が通る2本の本トンネル(直径7.6メートル)の工事も作業がしやすくなり、来年夏には予定通り貫通する見通しが立ってきた。

トンネルを通って両国の作業員が自由に行き来できるようになると、トンネル部分が英国とフランスの間の国境地帯になるため、出入国管理事務所と税関がこの日からトンネルの両端で店開き、不法入国者や密輸の監視に当たることになった。《共同通信》




12月1日のできごと