平成684日目
1990/11/22
この日のできごと(何の日)
【大嘗宮の儀】
天皇即位に伴う重要祭儀とされる大嘗祭の中心儀式「大嘗宮の儀」が22日夜から23日未明にかけて、皇居・東御苑に建てた大嘗宮で「公的な皇室行事」として行われた。12日の即位の礼と同様、62年ぶり、現行憲法下では初の実施。
大嘗祭については政府は宗教色が否定できないとしたものの、皇室に長く伝わる重要な皇位継承儀式として「公的性格がある」と位置付け、公費の支出を認めた。しかし、儀式の核心部分での天皇の所作が事実上非公開の上、憲法の政教分離に違反するとの批判も根強い。
宮内庁によると、海部首相ら三権の長、閣僚、各界代表など約900人に招待状を出したが、自民、民社両党を除く社会、公明、共産、社民連の野党各党は欠席(公明は個人参加を容認)、全国47都道府県知事のうち約3分の1は出席を見合わせた。
一方、警視庁は皇居周辺を中心に、他府県警の応援も含め計3万人の警察官らを配置する厳戒態勢を敷いた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【コンスタンチン君】札幌医大病院を退院
ソ連・サハリンで大やけどをして札幌医大病院で治療を受けていたコンスタンチン・スコロプイシュヌイちゃん(3つ)が22日、元気に退院した。8月28日に海上保安庁のYS-11で緊急搬送されて以来3カ月ぶり。両親のイーゴリさん夫妻(27)とともに23日、新潟発ハバロフスク行きのアエロフロート機で帰国する。《共同通信》
【英・サッチャー首相】辞任表明
サッチャー英首相(65)は22日朝の閣議で、27日に予定されている保守党党首選の第二回投票には立候補しないと言明、保守党の新たな党首が選出され次第、首相を辞任するとの意向を明らかにした。首相は既に辞任の意向をエリザベス女王にも伝えた。
1979年5月の首相就任以来11年半に及び今世紀の連続首相在任記録を更新したサッチャー首相は、閉幕したばかりの全欧安保協力会議(CSCE)首脳会議で宣言された東西冷戦の終結とともに、27日にも政権を去ることになった。
首相の辞任表明を受けハード外相(60)とメージャー蔵相(47)の2人が同日午前、保守党の党首選選挙管理委員会である「1922年委員会」に立候補を届け出た。この結果既に届け出ているヘーゼルタイン元国防相を含め、3人が党首の座をかけて争うことになった。英国の法律では下院の多数党の党首が自動的に首相に就任することになっており、新たな党首が次期首相になる。
立候補したハード外相は、対欧州共同体(EC)政策でサッチャー首相と党内で対立しているヒース元首相に近く、一方のメージャー蔵相はサッチャー首相の直系。第一回投票で有権者である現職下院議員372人のうち152人の支持を得たヘーゼルタイン氏を含めて三者とも力はほぼ互角。だれが当選するかは予断を許さない状況で、英国政界は一挙に混迷状態に陥った。《共同通信》
【英・サッチャー首相】笑顔で最後の答弁
22日朝、辞意を表明したサッチャー英首相が、同日午後の下院での答弁で笑顔さえ見せながら余裕しゃくしゃくのサッチャー節を披露、首相としての“最後の花道”を飾った。
以前から予定されていた答弁に立ったもので、当初こそやや緊張した面持ちで、何度もコップの水を飲み、時々せき込みながら野党の攻撃に耐えたが、途中からすっかり調子を取り戻し、野党労働党が提出していたサッチャー内閣不信任案の討議に入るころには、青ざめていた顔にも赤みが戻った。
首相は1時間近くにわたり、11年半のサッチャー時代の業績を数え挙げ「保守党は4回目の総選挙にも勝つ。総選挙がある度に、われわれは見事に勝つ」と宣言した。
欧州共同体(EC)の通貨統合にかかわる部分では、労働党議員から「欧州中央銀行の総裁になるつもりか」とのやじが飛ぶと、破顔一笑、大きくうなずきながら「それはおもしろい。考えてみもしなかったが、最高の思い付きだ」と軽く応酬。
テレビ議会中継に当たっていたアナウンサーは放送の中で「何と素晴らしい対応だ。首相は健在だ」と叫んだ。《共同通信》
【政界メモ】新酒ワイン、一夜の“禁酒”
◯…ボジョレ・ヌーボー解禁の22日、海部首相は、ブドウのハウス栽培面積全国一として知られる島根県の農協キャンペーンガールから新酒ワインをプレゼントされた。アルコールはさほど強くない首相だが「食事がおいしくなるからワインは好き」というだけあって、赤と白のワインを一本ずつ手にとって上機嫌。瓶に付いているリボンが首相のトレードマークの水玉だったこともあって「ブドウの実も水玉だ」とひとり悦に。
もっとも、夜は大嘗祭(だいじょうさい)を控えているためか「きょうは飲めないよ。飲んで行ったら不謹慎だし、居眠りしても困るからね」と記者団に一夜の“禁酒宣言”。
◯…この日、自社両党幹部は、前日の税制問題合同協議会専門者会議で、他党を批判した共産党見解の“撤回騒ぎ”を引きずって、共産党批判に終始した。まず、自民党の加藤政調会長がNHK討論番組の録画撮りで「あえて言う。共産党は社公民が消費税見直し問題でものを言うのはおかしいと言うが、その方がおかしい」と憤然。
一方、社公民三党書記長会談では、社会党の山口書記長が「(消費税廃止の)公約違反だというのは党の本質にかかわる問題だ。けしからんことは訂正させなくてはならん」と言いたい放題で、こと共産党に対してだけは、自社両党は完全に共同歩調。《共同通信》
【大相撲九州場所】12日目
大相撲九州場所12日目(22日・福岡国際センター)横綱千代の富士が無傷の12連勝をマーク。きょう13日目に千代の富士が大関霧島に勝ち、横綱旭富士が敗れると、千代の富士の5場所ぶり、通算31度目の優勝が決まる。
千代の富士は右四つ、左上手を引いた十分の体勢から巨砲を上手投げ。2敗で追う旭富士は霧島につけ入るスキを与えなかった。十両は新十両の大輝煌が3敗で単独トップになった。《共同通信》
【ソ連】抑留邦人名簿引き渡しへ
ソ連国営テレビの定時報道番組「プレーミャ(時)」は22日夜(日本時間23日朝)、第二次世界大戦後、ソ連各地に抑留された日本人捕虜に関する記録文書や写真の特集を初めて報道した。
この中で記録文書を調べているキリチェンコ・ソ連東洋学研究所国際協力部長は「日本人捕虜は約60万人で、うち死者は約6万人に上る」と述べ「死者全員の名簿および埋葬場所のリストを来年4月のゴルバチョフ大統領の訪日までに、本側に引き渡すことを決めた」ことを明らかにした。
同部長はまた、この埋葬場所が公式の26カ所をはるかに上回るソ連各地700カ所以上に及んでいることも明らかにした。
ソ連は、公式には「抑留中の死者は3957人」と主張してきたが、これにより、約6万人の死者全員の名簿をゴルバチョフ大統領が持ってくるか、それ以前に日本側に引き渡されることが確実になった。来春の大統領訪日を控え、対日関係改善への配慮を示した措置とみられる。
これらの文書、写真はモスクワの国立文化保存総局などに保管されまっているもので、抑留者の氏名、生年月日、旧日本軍の師団、連隊名、死亡日時、病名などのほか、同姓同名者を区別するため父親の名前なども記されている。このほか、収容所の壁新聞、日記、手紙なども保管されており、国営テレビは、その一部を公開した。
キリチェンコ部長は「日ソ間の政治的対立のため、日本人は長年にわたって、何人の同胞が、いつどこで死亡したのか、どこに埋葬されたのかを知ることができなかった。これらは当然、日本国民の痛みになっている」と指摘した。
また番組のリポーターは「これらの文書で、収容所指導部が、日本人を安価な労働力として利用しただけでなく、日本人捕虜をソビエト体制の支持者にしようと意図していたことが明らかになった」と伝えた。《共同通信》