平成676日目
1990/11/14
この日のできごと(何の日)
【アリタリア航空404便墜落事故】
イタリア・アリタリア航空のDC9旅客機が14日午後8時20分(日本時間15日午前4時20分)ごろ、スイス・チューリッヒのクローテン国際空港近くの丘陵地帯に墜落、炎上した。地元警察の発表によると、乗客40人と乗員6人の全員が死亡した。
事故機はイタリア・ミラノ発チューリッヒ行きのAZ404便。ローマのアリタリア航空本社が15日未明好評した乗客名簿などによると、同機には沖電気工業社員Aさん(32)と同Bさん(30)の2人が乗っていた。
空港当局者などによると、同機はクローテン空港に着陸予定の午後8時15分ごろにレーダーから姿を消し、空港から北西約8キロ離れたシュタデル村付近の丘陵地帯に墜落、炎上した。雨は降っていたが視界は良く、天候が原因ではないとみられる。
空港警察当局によると、これまでに10人が遺体で発見、収容された。同機は事故後1時間以上たっても、黒煙を出して燃え続けており、現場一帯は機体の破片が散乱、遺体の収容作業は難航している。
アリタリア機の墜落を目撃した現場近くの住民の話によると、墜落後事故機はまるで火山のように火を噴いて炎上した。
現場では尾翼がちぎれ、機体の破片が散乱している。スイス当局は15日未明、事故原因究明のための調査を開始したが、原因はまだ不明である。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【海部俊樹首相】米・クエール副大統領と会談
海部首相は14日午前東京・元赤坂の迎賓館で、米国のクエール副大統領と約40分間にわたって会談し、中東湾情勢や関税貿易一般協定(ガット)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)などについて意見を交換した。
副大統領は会談の冒頭、ウルグアイ・ラウンド年内決着への努力を重ねて要請したブッシュ大統領の親書を手渡した。親書では「農業問題が重要」と指摘、副大統領も「重要なのは農業問題だ。米国は砂糖、乳製品、日本はコメと、各国とも微妙な問題を抱えている」と述べ、間接的な表現ながらコメの市場開放努力を改めて求めた。
湾岸への対応では「軍事的選択を排除しない」との立場を示す一方、多国籍軍への後方支援要員派遣を含めた貢献を要請。首相は新貢献策検討を約束した。
会談で副大統領は日本の中東貢献策について「具体的形態は日本自身が決定すべきだ」としながらも「米政府は湾岸地域における日本の目に見えるプレゼンス(存在)を一貫して歓迎している」と述べ、多国籍軍に対する後方支援の要員派遣を含めた人的貢献を改めて要請した。
これに対し、首相は「臨時国会で国際国家、国際協力の在り方を真剣に議論した。今後さらに考えていく」と述べ、新たな人的貢献策の検討を約束した。副大統領は日本人人質74人の解放につながった中曽根元首相の先のイラク訪一問について「米政府としては消極的な意見を述べざるを得ない」と不快感を表明した。
湾岸情勢をめぐり副大統領はベーカー国務長官の先の中東歴訪について「イラクに対する国際的団結の再確認が目的だった」と説明。その上で①軍事的オプション(選択)は排除しない②米政府としては平和的解決に努力している—として日本の協力を要請した。首相はこれに対し、イラクの侵略拡大を抑止した米軍の展開など米国の対応を評価し、平和的解決に引き続き粘り強く努力することが大事だと強調した。
副大統領は総額40億ドルの日本の中東支援策を評価すると同時に、20億ドルの周辺国支援策の早期実施を要請。さらに懸案となっている在日米軍駐留経費の負担増額問題についても、来年度予算からの前倒し実施に重ねて強い期待を表明した。《共同通信》
【海部俊樹首相】ソ連・ルキヤノフ議長と会談
海部首相は14日夕、東京・元赤坂の迎賓館でルキヤノフ・ソ連最高会議議長と会談、日ソ関係について意見交換した。
首相は北方領土問題を解決して平和条約を締結することが日ソ関係の抜本的改善につながると強調「来年四月のゴルバチョフ大統領訪日が日ソ関係改藩のための大きな転換点となるよう、大統領が勇気ある決断をしてほしい」と述べ、領土問題打開のための大統領の政治決断を促した。
これに対しルキヤノフ議長は「疑いなく大統領訪日の時には、日ソ二国間関係、国際問題について幅広い態度で対処する。両国指導者がその水準にふさわしい高いレベルでの対応をしていくと思う」と述べ、領土問題解決には日ソ両首脳の決断が必要だとの認識を表明した。
ルキヤノフ議長は「ペレストロイカ(改革)はこれまで世界のために援助しており、世界もペレストロイカのために援助できよう」と述べ、間接的な表現で日本が従来の知的、技術的支援に加えて、より踏み込んだ経済支援を行うよう要請した。
領土問題への対応についてルキヤノフ議長は「広い視野からのアプローチをとり、良い雰囲気をつくって難しい問題に立ち返っていくことで解決可能となる。現在はそういう過程だと思う」と述べ、日ソ間のあらゆる分野の対話と交流拡大の中で解決を図るべきだとの立場を強調した。《共同通信》
【社会党・土井たか子委員長】公明党と話し合い積み上げる
沖縄県知事選応援のため那覇市を訪れている社会党の土井委員長は14日夕、同市内で記者会見し、国際的な平和貢献策づくりを進めるため「公明党との話し合いや、各界各層との懇談を積み上げたい」と述べ、当面、臨時国会終盤にこじれた公明党との協力関係の修復を図っていく意向を表明した。
土井氏は同日、石田公明党委員長が「平和貢献策からは断じて自衛隊を抜く」と発言したことに触れ「国連の平和維持活動への自衛隊の関与をいかなる形でも認めないと断言しておられる。はっきりしている」と述べ、非軍事、民生分野での協力を原則とする社会党と、立場の相違はないことを強調した。
その上で「まず公明党とできる限り話し合いの機会を持ちたい。政策審議会、国会対策委員会、書記長レベルなどがある」と述べた。
また土井氏は、9月18日に国連のデクエヤル事務総長が平和維持活動について特別リポートを提出したことを指摘、「国連の決議と要請による平和維持活動の分野は軍人に代わり文民の役割が大きくなることが予想される」と述べた。さらに「これは社会党が提起している国連平和協力機構設置大綱の業務内容と多くの点で共通するものがある」として、こうした国連の要請を参考に同党が提唱している国連平和協力機構の内容を早急に煮詰めて要綱にまとめたいとの考えを示した。《共同通信》
【公明党・神崎政審会長】社公の共通点求める
公明党の神崎政審会長は14日、社会党の土井委員長が「国連平和協力」について公明党との話し合いを重視する考えを示したことについて「自民、公明、民社の三党合意に加わらなかった社会党にも(窓口を)オープンにしており、同党も積極的に議論に加わってほしい」と述べ、土井氏の意向を歓迎するとともに意見交換に積極的に応じていく考えを示した。
神崎氏は、公明党は社会党を含めての合意を求めていたと説明した上で「新しい組織と自衛隊を切り離す公明党の主張は社会党との共通項を探るためだった」と、今後とも社公両党の共通点を求めることは可能との認識を示した。《共同通信》
【政界メモ】ジョン万次郎を担ぎ出す
◯….自民党の小沢幹事長が14日、党本部で記者会見し「直接永田町のことではありませんが…」と前置きし、自ら代表発起人となって一「ジョン万次郎の会を近く発足させます」と切り出した。
「来年はジョン万次郎の渡米150周年。まさに日米交流の原点だ」と両国の古くて太い緑を強調することしきり。もっとも来年は日米開戦五50周年でもある。米ソ和解後の日米関係の難しさを日ごろ熱心に説いている小沢氏だけに、150年前の「ジョン万次郎」の功績をプレーアップすることで、何とかパールハーバーの悪いイメージが浮上することを抑えたいというところらしい。
◯…社会党の土井委員長がこの日、沖縄県知事選挙応援のため沖縄入りし北部の名護市の商店街で街頭演説。
同県選出で国連平和協力法案の廃案の急先ぽうに立った同党の上原康助氏に「国連平和協力法案の審議では最高責任者として頑張った」と最大級の賛辞。さらに「廃案が決まった際“胸がいっぱい”と感激する上原さんに金メダルをあげたかった。でも沖縄県知事選に勝利してからにしました」と、30度を超える炎天下で得意の“土井節”を披露し盛んな拍手を浴びていた。《共同通信》
【大相撲九州場所】4日目
大相撲九州場所4日目(14日・福岡国際センター)この日も二横綱、一大関に土がつく波乱の土俵。横綱旭富士は平幕安芸ノ島の寄りに初黒星を喫し、進退のかかる大乃国は小結逆鉾の右すくい投げを食って2連勝のあと2連敗した。不振の大関霧島は左四つ、から小結栃乃和歌にあっさり寄り切られて早くも3敗目。
だが横綱千代の富士は危なげなく花ノ国を寄り切り、北勝海も一気の押しで板井を退け、ともに無傷の4連勝。大関小錦は、巨砲を寄り切って連敗を免れた。
勝ちっ放しは二横綱と新関脇琴錦と史上2位タイとなる10個目の金星を獲得した安芸ノ島の4人。十両は全勝力士がなくなった。《共同通信》