平成674日目
1990/11/12
この日のできごと(何の日)
【即位礼正殿の儀】
天皇陛下の即位を内外に宣言する「即位礼正殿の儀」が12日午後1時すぎ、憲法7条(天皇の国事行為)に基づく「国の儀式」として宮殿の正殿・松の間で行われた。陛下が高御座に上り「憲法を順守し、日本国および日本国民統合の象徴としての務めを果たす」とのお言葉を述べられた後、海部首相の発声で参列者が万歳を三唱、ご即位を祝った。
即位礼は昭和天皇以来62年ぶり、天皇が「象徴」とされた新憲法下では初めて。政府は憲法の国民主権、政教分離の両原則に配慮、宗教色を薄めるなどしたが、憲法論議は続いている。この日、首都圏では反対派のゲリラ事件などが相次ぎ、警備当局は3万7000人の警察官で空前の警備態勢で臨んだ。
正殿の儀にはベルギーのボードワン国王、ドイツのワイツゼッカー大統領ら約70カ国の元首クラスや英国のチャールズ皇太子ご夫妻ら計158カ国、2国際機関の代表をはじめ皇族方や海部首相ら内外の2200人が参列。
午後1時すぎ、天皇陛下は、皇位の印とされる「三種の神器」のうちの剣と璽、国の印の国璽、天皇の印の御璽をささげ持つ侍従を前後に従え、松の間中央の高御座に上られた。続いて皇后陛下も隣の御帳台に。
天皇陛下は黄櫨染袍、皇后陛下は十二単姿。正殿前の中庭に旙などが並び平安絵巻さながらの風景。高御座の帳が開くと天皇陛下は「常に国民の幸福を願いつつ、日本国憲法を順守し、日本国および日本国民統合の象徴としての務めを果たすことを誓い、国民の英知とたゆみない努力によって、わが国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に密与することを切に希望いたします」とお言葉を述べられた。
続いて海部首相が「天皇産下を日本国および日本国民統合の象徴と仰ぎ、平成の代の平安と陛下の弥栄をお祈り申し上げます」とお祝いの「寿詞」を述べ、その後「ご即位を祝して天皇陛下万認」と発声、参列者が万歳を三唱した。陸上自楽隊の21発の礼砲がとどろき、硬式は約30分で終了した。
正殿の儀に先立ち午前9時から宮中三殿で、天皇陸下が即位の礼の挙行を皇祖神に報告する「賢所大前の儀」(皇室行事)が、皇族方や海部首相はじめ三権の長らが参列して行われた。午後3時半からはパレード「祝賀御列の儀」(国の儀式)。午後7時半からは外国元首ら350人を招いた「饗宴の儀」(国の儀式)が行われる。
一連の即位関係儀式は22、23両日の大嘗祭を経て、12月6日の「賢所御神楽の儀」ですべてが終わる。《共同通信》
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天皇陛下の即位を内外に宣言する「即位の礼」が12日、皇居を中心に国の儀式として行われた。午後1時から宮殿・松の間で主要儀式の「即位礼正殿の儀」があり、陛下が「憲法を順守し、象徴としての務めを果たす」とお言葉を述べられた。
この後、天皇、皇后両陛下は皇居から赤坂御所まで4.7キロを祝賀パレード、沿道の約11万7000人(警視庁調べ)の祝福にこたえられた。夜には宮殿で外国元首らを招いて「饗宴の儀」が和やかな雰囲気のうちに催された。
パレードは午後3時半すぎ始まった。両陛下は、外国公式訪問の際にパレードされたことが3回あるが、国内では昭和34年のご結婚以来、31年ぶり。オープンカーを使ったパレードは初めて。
勲章を着けた正装の両陛下は一緒にご乗車。皇族としては皇太子殿下だけが後に続き即位の礼委員長の海部首相ら計44台の車列が進んだ。
皇居と赤坂御所の付近では宮内庁楽部と皇宮警察音楽隊が君が代や行進曲を演奏。自衛隊が「着剣、ささげ銃」の礼をとり、さらに曇宮警察と自衛隊が敬礼の列を作って車列を見送った。沿道には過激派の妨害に備え9500人の制、私服警官が出て厳戒態勢を敷いた。
午後7時20分からは「饗宴の儀」。正殿の儀に参列した160の国・国際機関のうち、駐日大使を除く外国元首、祝賀使節らが招かれた。英国のチャールズ皇太子、ダイアナ妃ご夫妻らが両陛下に次々にあいさつ。皇太子殿下ら皇族方と海部首相ら三権の長をはじめ約350人が出席して祝宴が始まった。
各国元首が会食する場合の国際儀礼に従い、宮中晩さん会のような君が代演奏や天皇陛下のスピーチなどはなく、参列者は雅楽が流れる中、外国客も食べやすいようにと工夫した洋風の和食料理を楽しんだ。
食事後、両陛下が参列者を正殿・松の間にご案内。即位を宣言した高御座を見学するなどした後、和やかな歓談が深夜まで続いた。
「饗宴の儀」は15日まで四日間に計7回開かれ、内外の約3500人が招かれる。《共同通信》
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海部首相は12日夕、祝賀パレード終了後、首相公邸で報道各社のインタビューに応じ「非常に良いお天気であり、本当に厳粛に、しかも祝賀ムードに満ちて世界158カ国と2国際機関の代表が集まり史上最高の式典だった」と即位の礼の感想を述べた。
祝賀御列の儀について、首相は「沿道に切れ目なく多くの皆さんが手を振り祝福の歓声を上げ、お祝いをしてくださり大変素晴らしかった」と述べた。
さらに首相は、即位礼正殿の儀の自らの「天皇陛下万歳」について「過去の歴史に対する反省と侵略戦争は二度としない、軍事大国にならないと固く誓って行動している。今日の万歳は天皇陛下のご即位を祝したものであり、皆さんが喜んで参加してくださった。疑問符を付けている人はいないんじゃないか」と語った。《共同通信》
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【浅村栄斗さん】誕生日
【大和田健介さん】誕生日
【首都圏】無差別ゲリラ35件
12日早朝から午後にかけて、即位の礼に反対する過激派が厳戒態勢のすきをついてほぼ1時間おきに同時多発ゲリラ攻撃をかけた。東京都内のJRや地下鉄、神社などを連続放火し、首都圏の自衛隊、米軍基地のほか都心の皇居方面に向けて追撃弾を発射。ゲリラは35件に上った。山手線や地下鉄などが一時運行をストップしたが、地下鉄の女性乗客1人が軽い擦り傷を負っただけで式典や天皇陛下のパレードに影響はなかった。
一連の事件について、過激派の中核派が都内の集会で犯行を認め、警視庁は爆発物取締罰則違反容疑で本格捜査を始めた。また、中核など3派が東京・渋谷区で行ったデモ行進で6人が都公安条例違反、公務執行妨害の現行犯で逮捕された。《共同通信》
【中山太郎外相】中国・呉学謙副首相と会談
中山外相は12日夕、東京・麻布台の外務省飯倉公館で即位の礼参列のため来日している中国の呉学謙副首相と会談、二国間関係を中心に30分間意見交換した。
この中で呉学謙副首相は、日本の第三次対中円借款が再開されたことを評価するとともに、中山外相の訪中を要請した。外相は「できるだけ早く行きたいと思っている」と述べ、早期訪中を前向きに検討する意向を表明した。
政府は、昨年の先進国首脳会議(アルシュ・サミット)での天安門事件に対する制裁措置に従って園僚級の交流を原則として自粛してきた。しかし、今年9月のアジア大会の際に保利文相が訪中したほか、先月末には欧州共同体(EC)も軍事分野を除く対中制裁措置の解除を決定したことなども考慮、外務省は、中山外相の訪中をできるだけ早く実現し、閣僚級交流を再開し、日中関係の本格的改善を目指したい方針だ。
会談で呉副首相は「日本政府が世界平和を維持するために大きな貢献をしたいとの気持ちを持っていることは知っている」と述べ、日本が国際社会への人的資献策を模索していることには理解を示した。
ただ、副首相は「日本は経済力、先進技術をアジア・平洋、世界平和のために活用し、大きな役割を果たせる」と指摘、日本の貢献が非軍事面に限られるべきだとの考えを示した。
中山外相は中国が改革・開放路線を一層進めるよう要請するとともに「中国がカンボジア問題、朝鮮半島問題について力を出してほしい」と述べた。《共同通信》
【竹下登元首相】韓国・姜英勲首相と会談
竹下元首相(日韓議員連盟会長)は12日午後、韓国の姜英勲首相と都内のホテルで会談し①日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との関係改善は、南北対話の進展に歩調を合わせる②南北の国連同時加盟に対し日本が側面支援する—との認識で一致した。
姜首相は、北朝鮮の延亨黙首相との会談結果を受けて「北朝鮮の革命路線に変化はない。経済困難から日本との関係正常化を熱烈に望んでいるが、注意しなければならない」と警告。今後の日朝関係正常化交渉に慎重に対応するよう、日本政府への働き掛けを強く要望した。
竹下氏は金丸元副総理の訪朝を受け、予想に反する速さで日朝関係が進んだとしながら「日韓友好の妨げにならないよう緊密に韓国側と連絡を取るよう政府に伝えたい」と応じた。《共同通信》
【大相撲九州場所】2日目
大相撲九州場所2日目(12日・福岡国際センター)四横綱と大関小錦は順調に2連勝したが、霧島は平幕安芸ノ島にいいところなく寄り切られ2連敗を喫した。
北勝海は花ノ国を一気に押し出し、旭富士は板井を送り出しと全く危なげなし。千代の富士もうるさい逆鉾を無難に寄り切り、大乃国は栃乃和歌の寄りに一度は後退したが、すぐに逆襲して寄り切った。小錦は貴闘力の張り手をうまく封じて突き出した。
新関脇琴錦は巨砲を寄り切って快調に2連勝。貴花田も隆三杉を寄り切って初日を出したが、若花田は旭道山に突き落とされて2連敗。《共同通信》
【フランス】教育改善求め高校生デモ
教員の増員や学園内の治安改善などを要求するフランスの高校生が12日、各地で抗議行動を行った。パリでは一部デモ参加者の放火、投石で警察官104人が負傷、放火された30台を含む車約100台が壊され、52人が逮捕された。
エリゼ宮(フランス大統領府)スポークスマンによると、同日夕、高校生代表20人と会見したミッテラン大統領は高校での民主主義に関するすべての要求は受け入れられると述べたという。
デモを組織した高校独立民主連合(FIDL)によると、パリのデモ参加者は約20万人(警察側発表約8万人)。このほかブルターニュ地方4万人、ツールーズ1万人―など、デモは全国で行われた。
フランスでは、教員不足や施設の不備、校内の治安の悪化などに不満を持つ高校生が、9月の女子学生暴行事件をきっかけに抗議行動を開始。今月5日には、約10万人の高校生が教育予算の増額などを求めて国会周辺をデモ、取材中の新聞記者や警官らが負傷した。
12日はパリ東南部バスチーユ広場に集まった高校生らが国会に向けデモ行進を始めたが、途中、混乱を利用してデモ隊と別の一部の若者が商店のガラスを割って商品を略奪したり、取材中の記者に襲いかかるなどしたため機動隊が介入した。
FIDL代表らはこの間、首相府で、ジョスパン国民教育・財政・予算相(首相代理)と会談、また20人が同日夕、エリゼ宮でミッテラン大統領と会見した。高校生は大統領の発言には一定の評価を与えたもようだが、16日に新たにデモを行うことを呼び掛けている。
フランスの小学生—高校生の総数は現在、1960年当時の約35%増の約1300万人とされる。中でも高校生数は昨年より約6万人増とされ、この点だけでも教員、施設が現状に合わなくなっている。
スト参加者の多くは、急増した第三世界から一の移民の子弟や低所得者層で、これらの学生への教育環境改善が大きな課題になっている。《共同通信》