平成673日目

1990/11/11

この日のできごと(何の日)

【東京・代々木公園】「即位の礼」反対集会に5万人

即位の礼・大嘗祭反対などを掲げ、反連合の労働組合、全労連など32団体の「くらしといのち、民主主義を守る国民大集会」が11日、東京・代々木公園で開かれた。

集会には全国から5万人(警視庁調べ)が参加。主催者を代表して全労連の大江洸議長が「自衛隊の海外派兵のたくらみを追い込んだ成果を確認し、国民本位の国政革新、住民本位の地方政治革新を目指して大きなうねりを作りあげよう」とあいさつした。

集会では即位の礼・大嘗祭について代表が「大嘗祭が私的な行事にかかわらず多額のお金がつぎこまれようとしている。国民主権から許されない」と述べるなど消費税廃止、コメ自由化阻止など15項目の要求を訴えた。この後、4コースに分かれてデモ行進した。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【大相撲九州場所】初日

大相撲九州場所初日(11日・福岡国際センター)休場明けの千代の富士、大乃国を含む四横綱は白星の滑り出しとなったが、大関霧島に早くも土がついた。

千代の富士は無難に琴ケ梅を左突き落としで退け、5場所ぶりの土俵となる大乃国も孝乃富士を危なげなく押し出した。2場所連続優勝を目指す北勝海は再小結の逆鉾を右上手投げで下し、旭富士は小結返り咲きの栃乃和歌を寄り切った。四横綱がそろって勝ったのは昭和62年九州場所12日目以来となる。

大関小錦は快勝したが、霧島は新関脇琴錦の突進に一方的に押し出された。注目の兄弟同時幕内、若花田と貴花田は黒星スタート。《共同通信》

【日米野球】最終戦

日米野球最終戦、全米ー全日本は11日、東京ドームに5万6000人の観衆を集めて行われ、全米がフィンリー(エンゼルス)ジョンソン(マリナーズ)両投手の継投で全日本を無安打無得点に抑え5-0で快勝した。8試合の対戦成績は全日本の4勝3敗1分けで終わった。

日米野球でのノーヒットノーランは、1971年にドブソン(オリオールズ)が巨人相手に達成して以来19年ぶり2度目。フィンリー、ジョンソンは全日本に5四球と2失策で7人の走者を許したが、無安打に抑えきった。《共同通信》

【タイ国際航空機ハイジャック事件】全員解放

日本人乗客41人らを巻き込んだバンコク発ヤンゴン行きタイ国際航空のA300乗っ取り事件は11日午前0時すぎ、インドのカルカッタ空港で犯人のミャンマーの反政府学生グループ2人が乗客203人、乗員16人全員を解放して投降し、事件は約8時間半で解決した。乗客らは全員けがもなく無事だった。

乗客らはタイ国際航空の救援機でカルカッタからヤンゴンへ向かった。

犯人は「正義と自由の戦士」と名乗るヤンゴン大学生で、投降後、記者会見し、ミャンマー国民の民主主義回復闘争に対する世界の注視を集めるため乗っ取りを実行した、と動機を明らかにした。

乗っ取り機には2人の犯人のほか日本人41人、ミャンマー人39人、韓国人18人、タイ人14人ら計203人の乗客が搭乗。日本人乗客らは西日本に住むビルマ戦線戦友会の「ミャンマー慰霊巡拝団」の一行18人と添乗員1人が中心だった。

犯人はソウ・マウン軍事政権が自宅軟禁を続ける最大野党国民民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー女史ら政治犯の釈放など六項目をミャンマー政府に要求してインド・西ベンガル州当局と交渉、着陸後から約1時間ごとに乗客を解放し、投降後はインドへの政治亡命を求めたという。《共同通信》

【熊本県波野村】オウム真理教進出反対集会に500人

新興宗教団体オウム真理教が修行キャンプ場を建設中の熊本県波野村で11日、信者の家族でつくる「被害者の会」と同教をめぐる訴訟などをしている弁護士、地元住民の「波野村を守る会」が合同で総決起集会を開いた。同教が進出している山梨県・富沢町と上九一色村の関係者も含め約500人が参加した。《共同通信》

【羽田空港・成田空港】要人来日がピークに

即位の礼を翌日に控えた11日は、式典に参列する外国要人(VIP)の来日がピークを迎えた。

米国のクエール副大統領夫妻、ソ連のルキヤノフ最高会議議長、フィリピンのアキノ大統領ら「世界の顔」が続々来日。この日一日で参列する国や国際機関の半数に当たる約80の代表が羽田、成田両空港に降り立ち、VIPはほぼ出そろった。

この日、羽田でVIPをお出迎えの皇太子さまや秋篠宮ご夫妻ら皇族と、橋本蔵相、武藤通産相ら閣僚は大忙し。地上作業を担当する日航や空港事務所の職員もスポットからスポットへ飛び回り、特別機が着く度に、赤いじゅうたんを敷いたり、通路にロープを張るなどの作業に追われた。

羽田には午前中に、ルキヤノフ議長夫妻やインドネシアのスハルト大統領夫妻らが、午後にはヨルダンのハッサン皇太子夫妻、サウジアラビアのサウド殿下(外相)らアラブ湾岸諸国の代表らが特別機で相次いで日本入り。

紀子さまもお出迎えに一役。ベージュのダブルのスーツに茶の帽子姿で、秋篠宮さまとともに、ハッサン皇太子ら4カ国の代表の出迎えに当たられた。

クエール副大統領は国連のデクエヤル事務総長と一緒に来日したが、米国の特別機は時間調整がうまくいかず、当初予定された羽田から米軍横田基地に変更して、午後2時半すぎ到着した。

一方、成田でも定期便を利用して中国の呉学謙副首相、韓国の姜英勲首相ら60人余りが次々到着。成田からは自衛隊機が15往復とフル回転でVIPを羽田へ運んだ。《共同通信》

【海部俊樹首相】「即位の礼外交」スタート

海部首相と各国首脳による「即位の礼外交」が11日、東京・元赤坂の迎賓館を舞台に始まった。首相はイリエスク・ルーマニア大統領との首脳会談を皮切りに20カ国の代表と会談、中東湾岸危機への対処、カンボジア和平などをめぐり意見交換した。

湾岸危機や国連の経済制裁で経済的困難に直面している東欧やアフリカ諸国首脳が日本の経済協力を要請したのに対し、海部首相は資金協力、技術支援に応じる意向を表明した。

首相は統一ドイツの首脳として初めて来日したワイツゼッカー大統領とも会談、改めて統一へ祝意を表明した。同大統領が「近いうちに天皇陛下に訪問してほしい」と述べたのをはじめ、各国首脳が陸下の訪問を招請した。

海部首相は11日午後、タイのチャチャイ首相、インドネシアのスハルト大統領らと相次いで会談した。チャチャイ首相との会談ではカンボジア和平の年内解決へ協調行動を確認、インドシナ半島の将来の発展に向け、両国が協力していくことで一致した。

スハルト大統領は中東湾岸危機に対応して引き続き原油の増産努力の意向を表明、石油輸出国機構(OPEC)と先進国との協力の必要性を強調した。東欧やアジア、アフリカの開発途上国は日本の経済協力の継続を要請、海部首相は経済支援を約束した。

海部首相は12日の即位の礼を挟んで、13日から再び各国首脳と会談、15日昼ごろまで精力的に位の礼外交を展開する。

チャチャイ首相は中東湾岸危機に対応して国連決議に沿った日本の人的協力、経済的支援に全面的な支持を表明。スハルト大統領は日本の経済協力がインドネシアの開発・発展に貢献したと評価、引き続き日本の協力継続に期待を表明した。海部首相は今後とも積極的な支援を約束した。

ユーゴスラビアのヨビッチ連邦幹部会議長、同日午前のルーマニアのイリエスク大統領、ハンガリーのゲンツ大統領の東欧諸国首脳は市場経済への移行に伴う経済的困難な状況に加え、中東湾岸危機が悪影響を及ぼしているとして輸銀融資、債務繰り延べ、技術的支援を要請した。

海部首相は東欧支援のための24カ国会議(G24)の枠組みを基本に協力する意向を表明した。

パキスタンのカーン大統領、バングラデシュのエルシャド大統領、中央アフリカのコリンバ大統領、スーダンのバシル革命委員会議長ら開発途上国首脳は、対イラク経済制裁の影響による経済的苦境、気候の悪化、内政上の問題などを挙げ、日本の経済協力拡大を要請した。首相は民生安定、社会開発に貢献する援助を中心に努力を約束した。《共同通信》

【東京】空前の厳戒

「即位の礼」を目前にした11日、首都・東京は約3万7000人の警官が配置され、史上空前の厳戒態勢に入った。皇居周辺や祝賀パレードが行われる沿道はあちこちで検問や交通規制が実施され、秋晴れの日曜日にもかかわらず、人出はまばらで警官の姿ばかりが目立った。式典に参列する外国要人の来日もピークを迎え、都心は緊迫した空気に包まれた。

ふだんは観光客や散策する人でにぎわう皇居前広場には、警備用の大型車両がずらりと並び、物々しい雰囲気。皇居周辺の人出はふだんの半分以下で、広場への入り口で警官に身分証明証の提示を求められたり、荷物を検査されたりするため、不快そうな表情を見せる観光客もいた。

祝賀パレードが行われる皇居—赤坂御所間の4.7キロの沿道両側には、約5メートル間隔で立てた鉄パイプに青色のロープがびっしりと張られ、機動隊の装甲車の間を行き交う警察官の姿が目立った。

赤坂御所正門に近い明治記念館周辺では、機動隊員のわきをすり抜けるようにして晴れ着や礼服姿の人たちが、同館での結婚式会場に向かった。親類の披露宴に出席するという主婦(55)は「警察官の数が多いので、びっくりしました」と話していた。

皇居内では午後、藤森宮内庁長官ら幹部が、中心儀式「即位礼正殿の儀」の舞台となる宮殿で最後の詰め。松の間では、陛下が上られる高御座の帳を担当者が調整したり、大型の松の盆栽を宮殿に運び込み、本番に向けて用意を整えた。《共同通信》



11月11日 その日のできごと(何の日)