平成659日目

1990/10/28

美浜事件


https://www.pref.fukui.lg.jp/

美浜町久々子の海岸に木造の漂着船が漂着しているのを28日、地元の人が見つけ敦賀署に連絡した。船内から暗号用の乱数表とハングル文字の換字表などが発見されたため同署と県警本部では28日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の特殊工作船とみて京都府警などの協力を求め、乗組員の捜索に乗り出した。

国内ではこれまで工作船小船と乱数表が同時に見つかったケースはなく、分析を急いでいる。


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漂着船が見つかったのは同町の久々子海水浴場で砂浜に打ち上げられていた。長さ8.3メートル、幅2.5メートル、高さ1メートルの木製で船尾やエンジン、デッキから上が破損し、浸水する状態だった。船内を捜索したところ、操舵室から透明のビニールシートに包まれた布製の乱数表と換字表1枚と鉄板が見つかった。換字表にはハングル文字で「偉大な首領金日成同志」「親愛なる指導者金日成同志」「万寿無疆を謹んで宿願します」と書かれていた。


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乱数表には5けたの数字が1300個並んでいる。換字表は50列、30段のます目にハングル文字や数字が書かれており、縦、横にそれぞれ1けたから3けたの数字が入っている。電波で送信される暗号文を解読するためのものらしい。いずれもこれまでに検挙された北朝鮮スパイ事件で押収されたものと酷似しているという。《福井新聞》



【競馬・第102回天皇賞】ヤエノムテキが初制覇

競馬の第102回天皇賞(春、秋開催)レースは28日、東京競馬場に約17万8000人の大観衆を集めて芝2000メートルコースで18頭が出走して争われ、三番人気のヤエノムテキ(岡部幸雄騎手)が1分58秒2のレコードで初制覇、賞金1億1000万円を獲得した。2着はメジロアルダンで、一番人気のオグリキャップは6着に敗れた。

ロングニュートリノがレースを引っ張り、オグリは好位置に付けたが直線で伸びない。代わってヤエノが抜け出し、追うメジロと激しい競り合いの末、頭差抑えて勝った。単勝800円、連勝式は④-④で3520円の配当。

ヤエノムテキは牡六歳。北海道浦河郡浦河町、宮村牧場生産。馬主は有限会社「富士」。父ヤマニンスキー、母ツルミスター。戦績は21戦8勝、総収得賞金は5億2422万7500円。主な勝ちくらは昭和63年のさつき賞、京都新聞杯、鳴尾記念と昨年の産経大阪杯。荻野光男調教師は初、岡部騎手は四度目の制覇。《共同通信》

【ダイエー・田淵幸一監督】非公開リスト公表を陳謝

ダイエーは28日、プロ野球セレクション会議(11月1日・東京)で各球団から非公開を条件に提出されるトレード要員の選手リストの一部を公表した田淵監督に対し、厳重注意と10%の減俸処分を科した。

ダイエーはこの日、福岡市中央区の球団事務所で田辺球団社長、坂井球団代表、田淵監督が謝罪の記者会見を行った。その中で田辺社長は、早朝に田淵監督を球団事務所に呼び、球団処分を言い渡したことを明らかにした上で「広島球団、球団関係者に迷惑をおかけした」と陳謝。田淵監督も「この件に関しては、弁明の余地はありません。私の軽率な発言が多大なご迷惑をおかけしたことを心からおわびします」と頭を下げた。

田淵監督は前日(27日)の秋季練習後の雑談の中で、広島がセレクション会議に提出するトレード要員の長内、長島両外野手、西武の宮下投手らの実名を公表。会議を主催するコミッショナーをはじめ、球界に波紋を広げていた。《共同通信》

【海部俊樹首相】「国連平和協力法案」修正に前向き

海部首相は28日、参院愛知選挙区補欠選挙の自民候補応援のため訪れた名古屋市内の街頭演説で、臨時国会の国連平和協力法案審議に関連して「野党も国連協男という“総論”に賛成なら、平和を守るための支援協力に何が必要か、代案を出すべきだ。(法案と)重ね合わせて成案ができるよう精いっばい努力したい」と述べ、法案修正に含みを残した。

首相自身が、公式に法案修正の可能性に言及したのはこれが初めて。来月10日の会期末を控え、協力法案の会期中成立が極めて困難になっていることを踏まえ、公明、民社両党に対し、政府としても柔軟な対応で臨みたいとのシグナルを送ったものだ。

これに先立ち市内のホテルでの記者会見で首相は「(野党の主張には)根本のところで飛躍がある。戦車や戦闘機が海外に行く“海外派兵”を錯覚させる議論が多い」と野党の姿勢を厳しく批判、今後の国会議を通じて「武力不行使」など法案の趣旨について国民の理解を求め、成立に全力を挙げるとの強い意欲を示した。

しかし街頭演説では「野党が国連協力、平和協力をやってもいいというなら、野党ならこうするという代案を出さなければ分からない」と繰り返し、野党の具体案も踏まえた「時間をかけた徹底審議」を呼び掛けた。《共同通信》

【自民党・小沢一郎幹事長】不成立なら別法案も

自民党の小沢幹事長は28日午前、党政経文化パーティー出席のため訪れた岡山市内で記者会見し、国連平和協力法案の扱いについて「より良い知恵が各党協議の中で出てくれば、一般的に言って直していくのは当然だ」と法案の部分修正に前向きの姿勢を表明した。ただ「基本的な問題について足して二で割るようなたぐいの内容ではないので、きちんと考えを貫きながら各党の意見も十分聴いていく」とも強調した。

法案が今国会で不成立に終わった場合の対応に関しては「もっと国民の納得がいくもの、いいというものがあれば、みんなで将来にわたり考えていくことを否定するものではない」と述べ、次期国会以降、別の法案の形での提出を検討する可能性を示唆した。

臨時国会の会期延長については「現時点で考えていない」と述べた。しかし同日午後、広島市内で開いた自民党中国・四国ブロック懇談会でのあいさつでは「延長があるかないかは国会の審議次第で、現時点で何とも言えない」と微妙な言い回しながら会期延長に含みを持たせた。《共同通信》

【社会党・土井たか子委員長】協力法案廃案期す

社会党は28日、党本部で「自衛隊の海外派兵反対」に全力を挙げて取り組むことを確認するための緊急全国書記長会議を開いた。

あいさつに立った土井委員長は、国連平和協力法案について公明党などが廃案を目指す意志を表明していることを指摘し「院内で志を同じくする政党、会派、個人と連絡を取り合い、廃案を目指す一点で力を合わせ共に闘えるよう、努力する」と述べ、公明党をはじめ社民連、連合参議院、さらには民社党までも含めた国会内での共闘体制を確立したいとする意向を表明した。

これに関連し、山口書記長は会議終了後の記者会見で、民社党の米沢書記長が法案の見通しについて「廃案か継続審議」と発言していることに触れながら「国会対策の面では(野党間の)足並みがそろい得る」として、野党の国対委員長間による連携を強める必要性を指摘。その上で、社会、公明、民社の三党間での書記長会談、党首会談を実現し、同法案の廃案に向けた国会内での野党共闘体制を一致して確立するための努力を進めていく意向を示した。

山口氏はまた、国会内での野党共闘体制確立に向け、近く公明党の市川書記長と会い、具体的な段取りなどを協議する考えであることを表明した。《共同通信》

【公明党・石田委員長】野党共闘に前向き

公明党の石田委員長は28日、岡山市内のホテルで記者会見し、自民党の小沢幹事長が国連平和協力法案の部分修正に前向きの姿勢を示したことについて「当初とは違って同法案は自衛隊中心となってきている。公明党としては妥協の余地は全くないと断言するほかはない」と述べ、政府、自民党が法案の成立を図るため修正案で妥協を求めてきても応じる考えはないことを改めて強調した。

また「国際貢献をどうするかという議論もあるが、今の問題にまず決着をつけてからだ」と述べ、政府案の廃案を目指す考えに変わりのないことを明らかにした。

石田氏は「これまでの議論の中で、各野党の質疑に対して納得させるだけの答えが出ていない」と述べ、衆院国連平和協力特別委員会での政府側答弁が極めて不十分であるとの認識を示した。

社会党が同協力法案の廃案に向けて野党各党の共闘体制確立を呼び掛けていることについて石田氏は「(国会対策以外の)共闘は考えにくい」としながらも「同協力法案についてあえて社会党との違いを強調するつもりはない」と述べ、衆院段階での廃案を目指す中で結果として社会党と同一歩調を取る考えを示唆した。

公明党は日米安保・自衛隊など基本課題について社会党が現実的対応をしていないとして四野党連合政権協議の凍結を宣言しているが、同法案への態度を明確にするため、「廃案を目指す」という当面の目的では一致している社会党との、国会内に限っての共闘体制には否定的な対応はしない方針とみられる。《共同通信》

【欧州共同体(EC)】中東解決策で対立

欧州共同体(EC)臨時首脳会議は最終日の28日、中東情勢に関する宣言を、土壇場で湾岸危機とその他の中東問題の2つに組み替えて採択した。この背景には、中東全域の紛争の包括的解決を主張するフランスと、湾岸危機をアラブ・イスラエル紛争に結び付けることを警戒する英、イタリアなどとの微妙な対立があったと受け止められている。

宣言草案は「中東情勢」「人質問題」の二本立てで、「中東宣言」には①湾岸危機②レバノン内戦③アラブ・イスラエル紛争④対イラン正常化—が盛り込まれ、「人質宣言」では、外国人人質の解放交渉は国連に窓口を一本化し、抜け駆けの単独交渉を封じる点が柱となっていた。

特に中東宣言草案はフランスのミッテラン大統領が今月初め、国連演説で打ち出した四段階和平構想に近い形だった。

これに好感したイラクの議会はフランス人人質全員の解放を決議した。これに対し、EC内では西側陣営の分断工作とか裏取引の可能性もあると、警戒の声が高まっていた。

同大統領は閉会後の記者会見で「秘密交渉はしていない」と躍起の弁明ぶり。人質問題での抜け駆け交渉禁止の条項を受け入れざるを得なかった。最終的には中東宣言草案から湾岸危機の条項が外され、人質問題に関する宣言に組み入れられた。《共同通信》

【米・ブッシュ大統領】融和策は戦争もたらす

米中間選挙を控えハワイを遊説中のブッシュ米大統領は28日、真珠海に近いヒッカム米空軍基地で一演説、米国は海岸危機で自ら戦争を求めはしないが「任務を達成しないまま撤退はしない」と述べ、軍事行動を排除しない姿勢を改めて示した。

ブッシュ大統領は「第二次大戦世代は真珠湾が与えた警鐘を決して忘れない。融和策はさらなる侵略と最終的には戦争をもたらす。われわれは過ちを繰りぎない」と強調した。ブッシュ大統領は第二次大戦中に米海軍パイロットに志願し、小笠原・父島攻撃の際に日本軍に撃墜されながら、味方の潜水艦に救助されている。

大統領はまた「イラクは侵略戦争を起こし、平和な隣国を略奪し、罪のない市民を人質にし、自国民にガス兵器を使用した」とフセイン・イラク大統領の罪状を四つ挙げ、国際法に照らしても処罰の対象になると指摘した。

ブッシュ大統領は28日、カリフォルニア、オクラホマ両州を駆け足で遊説したあと、ホワイトハウスに戻る。《共同通信》



10月28日のできごと