平成660日目

1990/10/29

この日のできごと(何の日)

【トーマス・オマリー内野手】阪神入団が決定

阪神の新外国人選手として米大リーグ、メッツのトーマス・オマリー内野手(29)とカブスのマーベル・ウイン外野手(30)の入団が29日、決まった。

新外国人選手獲得のため渡米していた小林編成部長がこの日帰国し、大阪空港で明らかにしたもので「オマリーとは契約を済ませ、ウィンとは手続き上の問題を残すだけ」となっている。

パリッシュ、キーオ、ウイッグスに代わる新外国人選手を左打ちの内、外野手の2人に絞って交渉を進めていた阪神は当初オマリーとシーツ(デトロイト・タイガース)の獲得を目指していたが、シーツが10月初旬になり、来日に難色を示したため、急きょウインに切り替え、入団にこぎつけた。

オマリーは大リーグ通算9年間の成績は目立たないが、昨年は3Aのインターナショナルリーグで84打点を挙げ、最優秀選手となった。ウインは攻走守そろった中距離打者で、大リーグ8年間で通算打率2割4分7厘をマークしている。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【政界メモ】協

◯…29日昼の政府、自民党首脳会議が終わって出て来た中山外相は、記者団に「総理が昨日(28日)、名古屋へ行ったのでその報告を中心にした愛知補選の話」と説明。その後「ジャングルの雨にならないようにしようという話が出ていた」と続けたため、記者団は「?」。

外相は「上の方の葉っぱにばかり雨が当たり、下の葉にはなかなか当たらないのがジャングルの雨。愛知補選も上の方の動きは活発だが、末端の運動員や有権者には熱意が伝わっていない」と、その意味を説明したが、政府首脳や党幹部だけが盛り上がって先行、下が動かぬ今回の国連平和協力法案自体がジャングルの雨か。

◯…この午後、自民党資源・エネルギー対策調査会後記者会見した藤尾正行会長は、「省エネルギー対策」と「石油の安定供給の確保」を訴える同調査会の決議文を説明。“荒法師”で鳴る藤尾氏「これは事務局が作った文章で非常に不備だが、要は党が高い見地に立って政府をぶったたき、大蔵省をぶったたいてエネルギー対策の財源を出させるということだ」「政府の対策はチョロチョロするだけで腰が座っていない」と相変わらずの毒舌ぶり。

この夏は体調を崩して入院していた藤尾氏だが、11月に予定しているイラン訪問前に得意の口の悪さでまずは回復ぶりをアピール?《共同通信》

【海部俊樹首相】ネルソン・マンデラ氏と会談

海部首相は29日夜、首相官邸で南アフリカの黒人解放指導者でアフリカ民族会議(ANC)副議長のネルソン・マンデラ氏と約45分間会談し、南アフリカの黒人解放運動の支援策として(1)今年度から適切な枠組みをつくり人材育成のために、国際協力事業団(JICA)の研修員として南アの黒人を受け入れる(2)経済団体連合会など民間で行っている南ア黒人支援基金への協力などを約束した。

しかし、マンデラ氏が強く求めているANCへの直接の資金援助については「直接援助は困難」として、現段階での直接支援はできないとの見通しを明らかにした。《共同通信》

【国連安保理】イラクに損害賠償要求

国連安全保障理事会は29日、クウェート侵攻に伴いイラクに監禁されている外国人らに対する人権侵害や損害賠償の責任を追及し、事務総長に平和解決の外交努力を促す決議(安保理決議674)を賛成13、棄権2(キューバ、イエメン)で採択した。イラクの侵攻に関する安保理決議は約一カ月ぶりで、これが10回目。

決議の表決は27日の本会議開会直前、2回目のイラク説得工作を試みたソ連のプリマコフ大統領特使の要請で延期されていた。ソ連、フランス、ルーマニアは29日になって、米国、英国など五カ国とともに決議の共同提案国に加わることを決めており、プリマコフ氏の工作不調を反映したものとみられる。

決議674は①イラクに対する外国人人質解放とクウェート人、外国人への人権侵害中止を要求②これらの侵害事実の調査③外交官を含む外国人らへの食料・水の供給保証を要求④クウェートと第三国に対するイラクの損害賠償責任を確認⑤賠償償求の情報を収集⑥事務総長の外交努力を促す—を骨子とし、イラクがこれを含む諸決議に従わなければ、さらに追加措置が必要になると警告している。《共同通信》

【イラク・フセイン大統領】人質全員の解放示唆

フセイン・イラク大統領は29日放映された米CNNテレビとの単独会見で、ペルシャ湾岸危機だけでなくパレスチナ問題を含む中東諸問題の包括的な解決を目指す国際会議の開催を提唱した。大統領はまた、イラク、クウェート両国での外国人人質は「われわれが決定したことだ」とした上で「人質解放についてプリマコフ(ソ連大統領特使)に詳しい計画を提示した」と語り、話し合いが軌道に乗れば全員の解放があり得ることを示唆した。

大統領は8月12日以来主張している中東諸問題の「連関」を繰り返し、多国籍軍との開戦を回避したいが、クウェートからの即時、全面撤退を要求した国連安保理決議は受け入れられないと強調、引き続きクウェートを併合する方針に変わりないと述べた。

中東の諸問題の包括的解決を目指す国際会議開催提案は初めてで、明らかに国際世論、特にアラブ諸国の国民感情を念頭に置いた発言であるのは間違いない。大統領は「前提条件なしで(解決に向けて)話し合う」用意があると強調し「イスラエルとサッチャー(英首相)がブッシュ(米大統領)を戦争に引きずり込もうとしている」との認識を示した。

フセイン大統領はさらに、プリマコフ特使のイラクを含む関係諸国歴訪は「失敗した」との見方には同意しないと言明、ソ連を軸に外交的打開の道になお期待している姿勢を示した。《共同通信》

【米・ベーカー国務長官】化学兵器使用に警告

ベーカー米国長官は29日、ロサンゼルスの世界問題評議会でペルシャ湾岸危機について講演し、イラクがクウェート占領を続けた場合、米軍による武力行使もあり得るとの姿勢を改めて示し、武力衝突でイラク軍が化学・生物兵器の使用に踏切れば「極めて厳しい結果」を覚悟すべきだ、と警告した。

ベーカー長官はさらに「サダム・フセイン(イラク大統領)は国際社会の忍耐にも限度があることを認識しなければならない」と述べ、イラクがこう着状態を見越した対イラク包囲網の分断作戦を展開する余裕はない、と指摘した。

長官が「国際社会の忍耐」の限度に言及して武力行使の可能性を警告したのは初めて。開戦に備えて、化学・生物兵器の使用に警告したことは、イラク軍が実際にこれらの兵器を使用すればクウェートだけでなく、イラク国内の製造工場を含む戦略拠点を徹底的に攻撃する計画が米政府内で練られていることを示唆している。

ベーカー長官は「イラクは妥論する気配を見せていない。米国も妥協しない」と述べた。《共同通信》



10月29日 その日のできごと(何の日)