平成654日目

平成2年10月23日(火)

1990/10/23

【イラク】仏人質330人全員解放へ

イラクは23日、フランス人人質約330人全員の解放を決定、ブルガリア人人質約700人全員についても解放の方針を明らかにした。国際イラク包囲網の分断工作とみられるが、2カ国1000人以上の人質解放を契機に、先進各国で高まり始めている「人質解放優先」「戦争反対」の世論を背景として、ペルシャ湾岸危機がイラクの思惑通り、和平へ大きく動く可能性もある。

イラク通信によると、イラク国民議会は23日の特別議会で、前日にフセイン大統領が提案したフランス人人質全員の解放を圧倒的多数で可決した。

この結果、「人間の盾」として戦略拠点に収容されてい67人を含むイラク、クウェートのフランス人人質約330人全員が、出国査証取得などの手続きを終わり次第、出国できることになった。

フランス政府は、自国の人質解放のためのイラクとの個別の交渉を拒絶するとの立場を明確にしつつ、フランス人が出国可能になれば直ちに、本国に連れ帰る手段を講じると発表。23日夜の英BBC放送によると、フランス航空の救援機数機がバグダッドへの出発準備を整えて、フランス政府のゴーサインを待っている。

また同日のイラク通信によると、フセイン大統領は国民議会に対し、ブルガリア人人質全員の解放を審議するよう指示した。

ブルガリアは22日、セメルジエフ副大統領、ベルチェフ蔵相らの大型代表団をバグダッドに派遣。23日にはジェレフ・ブルガリア大統領からの親書を携えてフセイン大統領と会談、人質の解放を要請した。

フセイン大統領は22日のフランス人人質解放方針の発表に当たって、米国のイラク敵対行動、武力行使を拒絶する「自由なフランス国民の意志を評価する」と強調した。《共同通信》




【イスラエル】占領地の封鎖を命令

アレンス・イスラエル国防相は23日夜、イスラエル人とパレスチナ人の衝突や報復の繰り返しを防ぐため、イスラエル占領地(ヨルダン川西岸、ガザ地区)を24日朝から封鎖する命令を出した。

この命令により、約170万人の占領地住民はイスラエル領内への往来が禁止され、イスラエルにいる占領地パレスチナ人も直ちに引き揚げなければならなくなった。

衝突回避が目的とはいえ、封じ込めを狙ったこの措置はパレスチナ人の反感を招き、占領地内の反イスラエル闘争の激化につながる可能性もある。

イスラエル・テレビによると、封鎖は「数日間」で、双方の緊張が解ければ解除される見通しだという。

封鎖で最も影響を被るのは、占領地からイスラエル領内に出稼ぎに来ているパレスチナ人労働者で、その数は十数万人とみられる。

東エルサレムで今月8日起きた流血事件以来、パレスチナ人の反イスラエル感情が高まっている。西エルサレムで21日、パレスチナ人青年が報復に女兵士ら3人を刺殺。またこのほか、23日までにイスラエル人に対する襲撃事件が立て続けに6件発生し、計6人が負傷。襲撃を実行したパレスチナ人の一部も反撃に遭って死傷している。《共同通信》

【プロ野球日本シリーズ第3戦】西武が3連勝

巨人0−7西武◇23日◇西武

西武が2年ぶりの日本一にあと1勝と迫った。1990年プロ野球日本シリーズ、西武ー巨人第3戦は23日、午後1時45分から西武球場で行われ、西武が7−0で完勝して3連勝。59年の南海、60年の大洋に続いて史上3度目の4戦4勝のシリーズ制覇を目前にした。

巨人一回の一死二、三塁を切り抜けた西武はその裏、先発桑田を一死満塁と攻め、デストラーデの左中間二塁打と安部の左前適時打で3点を先制。六回には秋山が本塁打、八回にも4長短打で3点を入れて巨人を圧倒した。シリーズ初登板の先発渡辺智は要所を締め、シリーズ8人目の初登板完封勝利を飾った。

巨人は昨年のシリーズに続いて3連敗の窮地に立たされた。《共同通信》

【海部俊樹首相】魚釣島の航路標識承認を先送り

海部首相は23日午後、中国、台湾と領有権をめぐり対立している尖閣諸島の魚釣島の問題に関して、記者団に対し「航路標識の問題とか、慎重に対応する」と述べ、同島に建設された灯台の航路標識としての承認を先送りさせる意向を示した。

魚釣島には今年9月、日本の右翼団体が独自に灯台を建設。この灯台を海上保安庁が正式の航路標識として認める方針を打ち出していた。《共同通信》

【政界メモ】バスは押したが列車は…

◯…海部首相は23日、国連平和協力特別委の審議日程をめぐる与野党折衝が難航したことについて、「論議することは大事なんだよなあ。こっちは、待つのも仕事だ」と強気の発言。しかし、衆参両予算委員会での法案審議では、野党の追及に政府側の答弁が再三にわたり乱れ、自民党内からもクレームがつくありさま。

このため、口ぶりは急に哀願調になり「促進、促進してよ」「野党にもわが党にも意見があるし…。PR不足なのかなあ…」と小声でブツブツ。

◯…この日、自民党四役が国会内で鳩首協議。加藤政調会長が、国連平和協力法案について「何とか通さないと。各駅停車でもいいから、目的地にたどり着かせなければ」。これを受けて西岡総務会長が「列車が止まったら、乗客は降りて後押しをするぐらいの気持ちでなくっちゃね」と、最終段階では大幅な修正に応じても法案成立を期するべきだ、とも受け取れる発言。

じっと耳を傾けていた小沢幹事長、修正などご法度という表情で「オレはバスを降りて押したことはあるけど、列車を押したことはないなあ…」とバッサリ。《共同通信》

【政府】破防法団体規制、初適用も

政府は23日の閣議で、来月12日の天皇の即位の礼大嘗祭を控え、過激派のゲリラ的活動に対し「国民の平穏な生活と自由で民主的な社会を守るため、あらゆる法令を適用して断固たる対策を講じる」との梶山法相と奥田国家公安委員長(自治相)の連名の異例の声明を了承した。

両相の声明は「過激派対策についての決意と国民の皆さまへのお願い」と題し、過激派対策に対する国民の理解と協力を求めるとともに、場合によっては破壊活動防止法(破防法)の団体規制の初適用も辞さないとの強硬姿勢を打ち出している。

閣議で梶山法相は発言を求め「最近、過激派団体は全国民が祝福すべき即位の礼に対し、いかなる手段を用いても粉砕攻撃することを予告している」とした上で、「事態の重大性にかんがみて」声明を出すことにしたと説明。奥田国家公安委員長も「警察、法務・検察が連携して、取り締まりを一層徹底する」と述べた。

両相の声明は、一部過激派団体が無関係な市民、住宅に対し「凶悪なテロ、ゲリラ事件を引き起こし、特に即位の礼を打ち壊すと予告」しているのは「民主主義のルールを根本から破壊する行為」と非難。その上での法と秩序が十分に守られることが絶対に必要の良好な治安は日本が世界に誇るべき財産」と強調している。

さらに、梶山法相らは治安の最高責任者としての立場から「犯罪者集団に対して犯罪行為を即刻中止するよう警告」した上で「あらゆる法令を適用する」との強い決意を表明している。《共同通信》




10月23日のできごと