平成618日目

1990/09/17

この日のできごと(何の日)

【自民党・安倍晋太郎元幹事長】訪ソを断念

自民党の安倍元幹事長は17日、健康上の理由により20日から予定していたソ連訪問を取りやめた。安倍派の三塚事務総長が同夜、「モスクワの気候、時差を考慮すると体調を崩す可能性もなきにしもあらずだ。自重して取りやめることが政治家として責任を貫くことになる」との安倍氏のメッセージを発表、訪ソ断念を正式に明らかにした。

安倍氏は昨春、東京・本郷の順天堂大付属順天堂医院で総胆管結石の手術を受けた。今月6日から10日まで同医院に検査入院し、その後14日から再入院している。安倍氏周辺は今週中に退院し、今後の政治活動に影響はないとしている。しかし、訪ソ断念は、ポスト海部の最有力者・安倍氏の健康不安説を裏づけた形になり、党内各派の政権戦略や現在の政局バランスに影響を与えることになろう。

三塚氏は同日夕、チジョフ駐日ソ連大使、中山外相を相次いで訪ね、安倍氏の訪ソ断念を伝えたが、自民党、税金党の訪ソ議員団は、小渕元官房長官を団長代行に日程通り20日から二26日まで訪ソすることにしている。

三塚氏は同夜の記者団との懇談で、安倍氏の主治医である二川俊二順天堂大医学部教授のコメントも発表、二川教授は「夏風邪をこじらせ、体調を崩したので入院してもらい、治療に当たり、その方はすっかりよくなった」と説明。6日からの“検査入院”が治療のためだったことを明らかにした。

また、安倍氏はメッセージの中で①主治医から訪ソは大丈夫との診断を得た②この夏、私の不注意から風邪をこじらせた経緯やモスクワでの、スケジュール、気候、時差を考慮すると、体調を崩す可能性もなきにしもあらずだ③自重して訪ソを取りやめることが政治家として責任を貫くことになると判断したーと説明、自らの意思で断念したことを強した。同時に「体調に万全を期し、政治家として悔いのないよう活動するための措置」と今後も政治活動を続ける意思を明確にした。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【大相撲秋場所】9日目

大相撲秋場所9日目(17日・両国国技館)大関小錦が痛い2敗目を喫し、優勝争いから一歩後退した。小錦は苦手の栃乃和歌を攻めあぐねて、逆に押し出された。

しかし、ほかの横綱、大関は順当勝ち。新横綱旭富士は難敵の関脇安芸ノ島を左突き落としで退け、平幕豊ノ海を危なげなく寄り切った大関霧島とともに土つかずの9連勝。横綱北勝海は平幕両国の速攻にヒヤリとしたが引き落としで逆転勝ちして1敗を守り、勝ち越しを決めた。《共同通信》

【大手石油元売り10社】1リットル8〜9円の値上げを特約店に通告

出光興産、三菱石油、共同石油など大手石油元売り10社は17日午前、系列の特約店に対しガソリン、灯油など石油製品の卸売価格引き上げを通告した。5社が即日実施、5社は18日から実施する。引き上げ幅はガソリン、経由、灯油とも1リットルあたり8〜9円20銭と第二次石油危機以来12年ぶりの大幅値上げ。

イラクのクウェート侵攻によって原油価格が急騰し、製品コストが上昇したためで、通産省との調整で値上げ時期が繰り延べになっていたことから異例の即日実施となった。各社とも今後、輸入原油価格の変動に応じて卸売価格を見直す方針。《共同通信》

【海部俊樹首相】北京に文相派遣

海部首相は17日午後、北京で22日から行われるアジア競技大会の開会式に保利文相を派遣、出席させることを決め、直ちに官邸に文相を呼んで訪中容認を伝えた。保利文相も了承し、文部、外務両省間で日程などの調整に入った。

昨年6月の天安門事件以降、日本など先進民主主義国は昨年7月の先進国首脳会議(アルシュ・サミット)で閣僚など政府高官の交流禁止を申し合わせているが、基本的には今年7月のヒューストン・サミットでも維持されている。

坂本官房長官は記者会見で「アジア大会は本来、オリンピック委員会主催のスポーツの祭典であるし、中国は改革・開放の努力を進めつつある」と指摘し、今回の文相訪中がサミットの合意を逸脱するものではないとの判断を強調した。《共同通信》

【政界メモ】

◯…海部首相は17日、国際オリンピック委員会(IOC)総会出席のため来日しているギリシャのミツォタキス首相、オーストラリア自由党国民連合のヒューソン党首の一表敬を相次いで受けた。今回のIOC総会では1996年夏季五輪開催地を決めるが、ギリシャ、オーストラリアともに立候補しているいわば“ライバル”同士。

官邸を舞台にした「誘致合戦」に、首相は両国に対し「最後の健闘を期待する」とどちらかに肩入れするわけにもいかず同じように述べたとか。会談後は記者団に「こちらも98年冬季五輪に長野が立候補しているわけだから。こちらもよろしくととエールの交換だよ」と強調していた。

◯…この日開かれた政府与党首脳会談には、海部首相、橋本蔵相、小沢幹事長が示し合わせたかのようにダブルの背広を着て並んだ。テレビカメラを前に3人はにやにやしながら、しばし、“おしゃれ談義”。やおら小沢幹事長は自分の背広の襟を持ち上げて「懐が深くなったな。いくらでも(深く)ね」と意味深長なつぶやき。

首脳会談後、海部首相との“密談”を終えて出て来た小沢氏は、記者団から内容を聞かれ、「雑談だから言えません」とかわしたが、法相人事をねじ込んだ小沢氏が、自衛官の中東派遣問題などで揺れる首相の「懐」に迫ったとの憶測も。《共同通信》

【ソ連、サウジアラビア】国交回復で正式合意

ソ連とサウジアラビアは17日、1938年以来絶えていた国交を52年ぶりに回復することを正式決定した、とのコミュニケを発表した。

訪ソ中のサウド・サウジ外相とソ連側との間でこの日最終合意したもので、ペルシャ湾岸危機で米国など多国籍軍がイラクによるサウジ侵攻に備え兵力を展開している中、両国の国交回復は今後の湾岸情勢に大きな影響を与えることになろう。

特にソ連側は、すべての当事国が参加しての中東和平国際会議を呼び掛けているだけに、湾岸の穏健派諸国の中心であるサウジとの間の「外交的空白」を埋めたことは、今後の中東和平工作のうえで大きな足場を築いたことを意味する。

また、サウジにとっても、今回のソ連との国交回復で、米軍を初めて自国へ進駐させたことに対する「米国への傾斜」という内外の批判をかわし、対米ソ外交で一定のバランスを保つことにつながり、安全保障面でプラスとなる。

タス通信が17日発表したコミュニケは、国交回復について「両国民のため、両国関係を友好的に発展させたいとの希望に基づくもの」としている。《共同通信》



9月17日 その日のできごと(何の日)