平成601日目

1990/08/31

この日のできごと(何の日)

【東西ドイツ】統一条約に調印

東西ドイツは31日午後、東ベルリンで両ドイツの政治統一を取り決めた統一条約(第二国家条約)に調印した。法律と行政制度の共通化を規定したこの条約により、東西ドイツは10月3日に予定されている統一実現への枠組みを完成させた。

東ドイツ政府迎賓館のウンターデンリンデン宮殿で行われた調印式にはデメジエール東ドイツ首相のほか、条約締結交渉の首席代表を務めたショイプレ西ドイツ内相、クラウゼ東ドイツ首相府副長官らが出席。両代表による調印に先立ち、デメジエール首相は条約が統一に伴うきままな問題を明確に規定した、とその意義を強調した。

条約作成の最終段階では、東西で異なる妊娠中絶法規の取り扱いをめぐり、西ドイツ与党キリスト教民主・社会同一盟(CDU・CSU)と野党社会民主党(SPD)が激しく対立した。しかし、双方は30日深夜「原則禁止」の西ドイツ法と「容認」の東ドイツ法を、新たな中絶法を制定する1992年末まで併存させることで歩み寄った。

20日から始まった両ドイツの最終交渉で合意された条約は、前文と9章45条で、付属議定書と付属文書3件から成る。まず第1条で西ドイツの基本法(憲法)23条に基づき東ドイツが10月3日西ドイツに編入すると規定。続いて第2条は、「統一ドイツの首都はベルリンである」と明記している。

統一後は西ドイツ基本法と国内法が東ドイツに適用されるとし、統一から2年以内に連邦議会が基本法の補充と改正に取り組むよう勧告している。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【第3回推理サスペンス大賞】高村薫氏「黄金を抱いて翔べ」

【石川要三防衛庁長官】自衛隊法改正検討を

衆院内閣委員会(岸田文武委員長)は31日午前、イラクのクウェート侵攻・併合後初めて、中東問題で国会論議を行った。

この中で石川防衛庁長官は、中東紛争に関連して自民党内で有事法制の整備を主張する声が出ていることについて「独立国としては当然、防衛上から有事立法が必要だという見解は持っている」と述べた。

有事法制の研究は自衛隊の任務遂行に必要な国内法制の整備のため、昭和52年以来、防衛庁内で進められてきたが、石川長官の発言は国際紛争への対応策も含めた整備を念頭に置いているとみられる。

石川長官は貢献策から自衛官の海外派遣が見送られたことについて「今後、果たして国際社会の中で(この方針が)いつまでも続けられるのか、国会で十分に議論していくべきだ」と、今後、自衛隊法改正による海外派遣が検討課題になるとの認識を示した。《共同通信》

【政界メモ】

◯…このところ、中東情勢への対応に振り回されている海部首相、31日は特に日程もなく公邸から官邸に移ったのは午後1時半すぎ。しかし、日程がなくてもフル回転で執務を続けているらしく「休養の暇もない」とか。

記者団とのやりとりで、イラクで人質状態になっている邦人問題に話が及ぶと「非常に心を痛めている」と顔を曇らせたが、同時に「これは何回も申し上げているでしょう」と声を荒らげた。中東貢献策についての内外の評価がいま一つパッとしない上、人質解放のめども立っていないだけに、いらいらが続いているようだ。

◯…中国訪問中の金丸元副総理はこの日午前、9月22日の開会を目前にした北京アジア大会の競技施設を視察した。国家オリンピック体育センターでは、大会責任者から概要説明を受けた後「3000人という各国マスコミ関係者の宿泊施設は完成しているのか」「建設主体はどこか」などと矢継ぎ早の質問。同席した記者団にも「みなさんも書くばかりじゃ能がないですよ。ものを聴いてから書かなくては」と軽口も。

揮ごうを求められ「オレは字が下手なんだがな」とニヤニヤしながら一気に書いたのは「心」の一字。記者団から文字に託した意味を聞かれると「何の心か分からんけどな…」と、何やら下心ありげ。《共同通信》

【イラク】婦女子237人を英仏へ

イラクのハディチ情報局長は31日夜、バクダッドで記者会見し、日本人66人を含む人質の婦女子237人をイラク航空機でロンドン、パリに運ぶと言明した。

ハディチ局長によると、イラク側は見返りとして、英、フランス両政府に対し、イラク資産凍結措置などにより両国に足止めされているイラク人を同機で出国させるよう要求している。ハディチ局長は237人の内訳を、日本人66人、英国人132人、フランス人19人、米国人14人、オーストラリア人2人、その他4人と説明した。

30日の国営イラク通信は、夫などとともに残留を希望した者が28人と伝えたが、この中に日本人が含まれているかどうかは不明。イラクの日本大使館は、婦女子68人の旅券を一括してイラク外務省に提出、出国ビザ取得手続きを進めていた。イラク側発表が日本人出国者を66人としている理由は明らかでない。

イラク側が英、フランスからの出国を要求しているイラク人は、銀行口座の凍結やイラク航空の航空券の効力停止などで出国できない人々とされ、人数は不明。

英政府はこれに対し、在留イラク人に出国制限はなく、航空券購入など使途がはっきりしていれば銀行口座の一部凍結解除もあり得るとの立場をとり、着陸したイラク航空機には、経済制裁の例外措置として帰路の燃料補給も行う方針を明らかにしている。《共同通信》



8月31日 その日のできごと(何の日)