平成593日目

平成2年8月23日(木)

1990/08/23

【中山太郎外相】トルコ・ボゼル外相と会談

トルコ訪問中の中山外相は23日午前11時10分(日本時間同日午後4時10分)すぎから、トルコ外務省でボゼル外相と約1時間20分会談し、中東情勢、二国間問題で意見交換した。

この中で両外相はイラクのクウェート侵攻・併合について「許されざる行為」との認識で一致。ボゼル外相は今後の見通しについて「イラクに残された外国人人質問題が最大の問題になる。米国の出方を注目している」と述べ、人質問題に強い懸念を表明した。

その上で、ボゼル外相は「仮に日本人がトルコに脱出してくることがあれば全面的に協力したい」と述べた。トルコは1979年のイラン革命の際もイランからの日本人脱出にトルコ航空機を提供しており、中山外相は「心温まる申し出に感謝したい」と述べた。

ボゼル外相はイラクの侵攻以降①トルコ領内のイラク石油パイプラインの閉鎖②イラクへの陸上輸送の停止③イラクとの国境付近での米軍の駐留を認める軍事面での協力―など厳しい制裁を実施していることを説明。さらに、この厳しい対応に踏み切った理由について「この地域でサダム・フセイン(イラク大統領)体制とは共存することは困難と判断した」とフセイン大統領の行動を強く非難した。

同時にボゼル外相は①原油輸入の六割をイラクに依存していた②対イラク債権は石油によって支払われており、これがストップした―など経済的な困難に直面していること一を指摘。上水道工事、火力発電所の脱硫装置設置、高速道路建設などでの経済協力を要請した。

これに対し中山外相は、トルコの姿勢に「敬意を表する」とし、帰国後「経済支援については海部首相と直接相談したい」と積極的にこたえる考えを示した。またトルコ側が強く求めている投資保護定の締結についても10月上旬の首相の訪問までに結論を急ぐ意向を伝えた。《共同通信》




【イラク政府】邦人164人をホテルに軟禁

日本政府は22日から23日にかけ、クウェートの在留邦人240人をイラクの首都バグダッドに移す作戦を実施した。バグダッドに移った邦人に対しイラク政府から子供を持つ少数の邦人を対象に第三国への出国許可の方針が示されたが、23日午後4時現在で164人がホテルに軟禁状態になった。

なお62人が移動中で、子供を持つ少数の人は出国できるとみられるが、最終的には200人以上が軟禁される見通しだ。

イラク政府が一部の邦人の出国を容認し、大半はホテルへ強制収容というアメとムチの措置を取ったのは、対イラク経済制裁を実施している日本への揺さぶりと西側諸国分断の狙いとみられる。イラクは米国人、英国人らに対し「人質作戦」をとっており、邦人に対する措置もそれとの関連も予想され、政府は苦境にたたされた。《共同通信》

【日経平均終値】2万4000円代割る

中東情勢混迷の長期化から下げ足を速めている東京株式市場は、23日終値の平均株価(225種)が前日比1473円28銭安の2万3737円63銭と大幅続落、2年半ぶりに2万4000円台を割り込んだ。

一日の下げ幅としては史上四番目。昨年末の最高値から同日終値までの下落率は39.0%となり、1953年のスターリン暴落(37.8%)や73−74年の第一次石油ショック(37.4%)を上回る歴史的な記録となった。

市場は損を覚悟しての売り一色で、市場関係者には「下げのめども目もない」(山一証券)、「新たな買い材料が出ないことにはこのままズルズル下げるという見方が強い」(日興証券)と、弱気の予想をする向きが多い。同日は中東情勢不安を背景に、原油スポット価格が1バレル=30ドルまで急騰したことと、債券市場の急落を嫌気して、朝方から買い注文がほとんど入らないまま、裁定取引解消に伴う現物売りが断続的に出て、全面安の展開となった。

午後の寄り付き段階で先安を見越した一部投資信託会社からまとまった売り注文が出て、平均株価はあっさりと2万4000円台を割り込んだ。《共同通信》

【ヤクルト・池山隆寛内野手】サイクル安打達成

中日1−6ヤクルト◇23日◇神宮

ヤクルトが内藤の好投と池山の3点本塁打などで快勝し、連敗を7で止めた。約1ヵ月半ぶりに先発した内藤は四回までに5奪三振の無失点。五回に1点を許したが、六回以降は1安打と危なげなく完投、チーム最多の9勝目をマークした。

ヤクルトは一回、二死一、三塁で池山が中越えに24号本塁打した。六回も池山の二塁打などで二死満塁とし、古田のバント安打と押し出し四球で2点を加えた。池山は八回に右越え三塁打してサイクル安打を記録、前日から7打席連続安打。

中日の連勝は4でストップした。《共同通信》

【政界メモ】コメは駄目とかみつく

◯…海部首相は23日昼、都内のホテルで開かれた「91世界陸上前年祭」レセプションで「スボーツは国境を超え、言葉の壁を超え、主義主張を超えて平和を高められる。これほど分かりやすい共通の文明はない」と厳しい表情であいさつ。さらに「(来年の)大会が成功し、大いなる平和の確立の節目となるように」「ますます平和が守れるように決意を固めることを願っている」などと、短いあいさつの中で「平和」の二文字がポンポン。

中東情勢が一段と緊迫する一方、日本の貢献策づくりが国際的にも注目されているだけに、首相の頭からは「平和」が片時も離れない様子。

◯…社会党の土井委員長はこの日、党本部でコメの市場開放を求めるヤイター米農務長官にかみついた。土井氏は「私は駄目なものは駄目と言って有名になったが、何でも駄目ではない。ただ、コメ(の市場開放)は駄目」と先制パンチ。さらに「日本は子供に聞いても“食料は米国から”と答える輸入大国」「消費者は輸入食料品の安全性に強い不安を持っている」とも。

最後に土井氏は「私は決して保護主義者ではない」と付け加えたものの、同席したアマコスト駐日米大使は「話を聞いていると、とてもそうは思えない」と、ほとほとあきれ顔。《共同通信》




8月23日のできごと