平成590日目
1990/08/20
この日のできごと(何の日)
【リビア・カダフィ大佐】米国とイラクを非難
リビアの最高指導者、カダフィ大佐は20日夕、トリポリ市内で外国人記者団と会見し、緊迫するペルシャ湾情勢について、イラク、米国ともに国連憲章に違反していると非難した。またイラクのフセイン大統領が外国人を人質にしていることにも反対の考えを示した。
カダフィ大佐は特に、イラクはクウェート侵攻で国連憲章とアラブ連盟憲章に違反した、と指摘。米国の部隊派遣、海上封鎖については「平和維持のための部隊創設は国連の承認が必要なのに、米国とその同盟国は独自に兵力を送っている」とした上で「国連安保理が米国を非難しないのなら、国連からの脱退を検討する」と述べた。
カダフィ大佐は親しい関係にあるイラクのフセイン大統領が外国人を人質にとっていることに対して「私は市民を人質にすることは反対だと、彼(フセイン大統領)に言うつもりだ」と述べた。
国連決議の対イラク経済制裁については「国連加盟国は決まったことに従うべきだ」としながらも、加盟国であるリビア自らが経済制裁に加わるあどうかについては明言を避けた。
同大差は、今後国連の管理下で“ペルシャ湾の平和維持軍”が創設された場合には国連安保理がその参加国を決めるべきだ、と述べた。《共同通信》
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【中山太郎外相】オマーン国務相と会談
オマーン訪問中の中山外相は20日午前9時から、サララ市内のホテルでアブドラ外務担当国務相と約1時間15分会談、対イラク制裁強化、日本の平和的協力推進などで一致した。
この中でアブドラ国務相は「イラクの経済力、軍事力を封じ込めることが重要だ」と指摘、国連決議に基づく対イラク経済制裁の強化や米国など多国籍軍による海上封鎖支援の考えを示した。オマーン政府がイラク軍のクウェート侵攻後、イラク非難と多国籍軍支持の姿勢を明確にしたのはこれが初めて。《共同通信》
【イラク】外交特権はく奪と警告
国営イラク通信によると、イラク政府は20日、各国がクウェートに置いている外交公館を24日までに閉鎖しなければ、クウェート駐在の各国外交官を「通常の外国人」とみなすと発表した。各国外交施設、外交官に対する一方的な外交特権はく奪を意味するものとみられ、日本外交官のほか、クウェートの日本大使館地下室に避難している残留邦人260人の安否も気遣われる事態となった。
イラク側は今月8日のクウェート併合に引き続いて9日、クウェート駐在の外交官に24日を期限としてバグダッドに移るよう指示していた。各国の外交公館でこの指示に応じたところは今のところない。
日本政府は坂本官房長官が10日①イラクのクウェート併合そのものが国際法違反②国連安全保障理事会が併合の無効を決議しているとして明確な拒否の姿勢を示していた。イラク当局に足止めされているクウェートの日本人は計278人で、このうち260人が外交特権による保護を頼みとして日本大使館地下室に避難している。
イラク政府の20日の発表は、クウェート駐在各国外交官および外交公館に避難している外国人を、25日以降はすべて他の一般外国人同様の扱いとし、これを拘束、連行することも国際法違反には当たらないと強弁する道を開くためともみられる。《共同通信》
【政界メモ】
◯…海部首相は20日昼、先週末からの都内のホテルでの“ミニ静養”を終え、首相公邸に戻った。記者団が公邸前で「お疲れさまでした」と声を掛けると首相は「疲れていないよ」と切り返すなど意気軒高。
中東歴訪延期で空いた日程を「天が与えてくれた勉強のチャンス」(首相周辺)とばかり、静養中は学者、経済専門家ら3人から講義を受け「だいぶ(経済関係の)本も読んだし人の話も聴いた」(首相)とか。早速、午後からはマルタ首相らとの会談に臨むなど公務をこなしたが、肝心の中東問題への対応に成果が表れるのはこれから?
〇…社会党の土井委員長はこの日、岩手県花巻市のホテルで開かれた社会党自治体政策研究全国集会に出席、全国の県議や市町村議ら約1300人を前に、来春の統一地方選必勝へ向けてげきを飛ばした。秋の政局の焦点である消費税については「わが国の構造的後進性を打ち破る突破口として廃止に取り組む」と力説。
しかし、税負担を意識し過ぎたためか、もう一つの政策課題である「国民福祉」を「国民負担」と二度も言い間違える始末。それでも最後は「石にかじりついても」と必勝を呼び掛けて締めくくった。花巻市出身の詩人・作家宮沢賢治に倣って「雨ニモマケズ」といくかどうか。《共同通信》