平成591日目

平成2年8月21日(火)

1990/08/21

【イラン】ミサイルを移動

ペルシャ湾情勢は21日、イラクが同国の保有するソ連製スカッドB短距離ミサイル発射台36基すべてをクウェートに運び込んだと伝えられたことに加え、ムバラク・エジプト大統領がイラクに対する最後通告とも受け取れる声明を発表するなど、緊迫の度合いを急速に高めている。関係者の間では、湾岸の石油施設を射程内に置くことで、米軍などによるクウェート、イラク攻撃を抑止することがイラク側の狙いとの見方が強い。

ペルシャ湾情勢は21日、イラクが同国の保有するソ連製スカッドB短距離ミサイル発射台36基すべてをクウェートに運び込んだと伝えられたことに加え、ムバラク・エジプト大統領がイラクに対する最後通告とも受け取れる声明を発表するなど、緊迫の度合いを急速に高めている。関係者の間では、湾岸の石油施設を射程内に置くことで、米軍などによるクウェート、イラク攻撃を抑止することがイラク側の狙いとの見方が強い。ムバラク大統領は21日午後、国営ラジオ、テレビの通常の番組を中断して「破壊的戦争から人類を救うため」フセイン・イラク大統領にクウェートからのイラク軍撤退を求める、との悲そうな調子の声明を午後2時半と同3時に発表した。声明の前には愛国歌が流れ、開戦前夜の最後通告のようだと受け取るエジプト国民もいた。湾岸歴訪中のチェイニー米国防長官は前夜から21日にかけ、サウジアラビアのジッダでファハド国王、スルタン国防相と会談した後、エジプトのカイロに立ち寄り、タレブ国防相と会談した。

イラクによるスカッドBミサイル配備は、英国のジェーン・ディフェンス・ウイークリーの発行人で軍事専門家のポール・ビーバー氏が21日、ロイター通信に語ったもので、ミサイルそのものはまだ移動作業中。

既にクウェートに配置された発射台36基は、18日から19日にかけまず10基を移し、そのあと26基を移し終えている。このミサイルは、ソ連製のスカッドBミサイルをイラクが改良した、いわゆる「アルフセイン」ミサイルとみられ、射程距離は500ー650キロで、サウジアラビアの首都リヤドやアラブ首長国連邦、バーレーン、カタールを射程内に収める。

核弾頭と化学兵器弾頭も装備可能で、イラン・イラク戦争ではテヘラン攻撃などに使われて威力を発揮した。




【日本ハム・大島康徳選手】通算2000安打達成

日本ハムの大島康徳選手(39)は21日、西宮球場で行われたオリックス19回戦の6回、佐藤投手から中前打を放って通算2000安打を達成した。1987年の門田(当時南海、現オリックス)以来プロ野球25人目で、現役選手では2人目。プロ入り22年目(一軍での実勤20年目)の大島は現在39歳10カ月で、門田の39歳6カ月を上回る史上最年長での到達となった。試合数も2290と史上最長である。

初安打は中日時代の71年6月17日の中日球場(現ナゴヤ)でのヤクルト8回戦で会田から記録した。大島は69年に大分・中津工高からドラフト3位で中日入りし、83年に本塁打王を獲得するなど中日の主力打者として活躍。88年から日本ハムに移籍した。同選手はこれで打者2000安打、投手200勝以上の昭和生まれ選手で構成する「名球会」の37人目のメンバーとなった。《共同通信》

【第72回全国高校野球選手権】天理(奈良)4年ぶり2回目の優勝

栄冠は天理に原き、沖縄勢悲願の初優勝は成らなかった―。第72回全国高校野球選手権大会最終日の決勝戦は21日、甲子園球場に5万5000人の大観衆を集めて行われ、天理(奈良)が1-0で沖縄水産(沖縄)を下して4年ぶり2度目の優勝を飾った。

奈良県勢としても、天理が前回優勝した第68回大会(1986年)以来二度目の全国制覇で、近畿勢の優勝は第69回大会(87年)のPL学園(大阪)以来3年ぶり25度目。沖縄水産は準優勝に終わったものの、昭和33年(1958年)夏の第40回記念大会に首里が甲子園に初出場して以来、これまで最高のベスト4を超える好成績を残し大会を盛り上げた。

試合は沖縄水産・神谷、天理・南の両右腕エースが力投。緊迫した展開となったが、天理は四回、大森の死球と小竹の右翼線二塁打でつかんだ一死二、三塁から大仲の中犠飛で唯一の得点を挙げ、そのまま沖縄水産の攻めを封じて逃げ切った。

試合終了後、閉会式が行われ、天理・寺川敏春主将に深紅の優勝旗が渡された。地方大会に史上最多の4027校が参加し、代表49校が14日間にわたって繰り広げた熱闘は終わった。《共同通信》

【政界メモ】肝心なのは先立つもの

◯…海部首相は21日、首相公邸にこもって加藤寛慶応大教授、評論家の竹村健一氏を順次招き、中東訪問延期の穴埋めに始めた“集中講義”の総仕上げ。「中東訪問延期は天が与えてくれたチャンスだから」と周辺に強調しながら、加藤氏からは一時間半にわたり行政改革の経緯と展望について話を聴いた。行革世論の盛り上がりの低さに話題が及ぶと、首相は「行革も政治改革や世界への貢献を含めてやらなければ」。

四日間で5人の識者から講義を受けたが、頭から離れないのはやはり中東情勢に対する日本の貢献策と秋以降、最大の政治課題となる選挙制度改革だったよう。

◯…社会党の佐藤観樹選対委員長はこの日、岩手県・花巻温泉で開催中の自治体政策研究全国集会で「選挙のパフォーマンス」と題して熱弁。社会党が大勝した2月の総選挙で新人議員がいかにイメージアップ作戦を展開したか、実例を挙げながら「できるだけ目立て。若者をそろえろ」と強調した。しかし、来春の統一地方選を控え、会場からは「パフォーマンスにもカネが要る。地方議員には宣伝カーなどの公費負担はない」と皮肉交じりの質問。これには佐藤氏も「地方議員への公費補助は難しい。地方議会でぜひ(公費支出の)声を」と言うだけで、当初のボルテージはどこへやら。《共同通信》

【中山太郎外相】ヨルダン・フセイン国王と会談

ヨルダン訪問中の中山外相は21日正午(日本時間同日午後6時)すぎから、アンマン市内の王宮にフセイン国王を表敬訪問し、約1時間15分間会談するとともに、海部首相からの親書を手渡した。

この中で中山外相が重ねて対イラク経済制裁の必要性を強調したのに対し、フセイン国王はこれには直接言及せず①イラクの侵攻は容認できない②国連決議を順守する–とのヨルダンの基本的な姿勢を表明した。

その上でフセイン国王は「域外からの介入が大規模に行われたことがアラブの人々の気持ちを傷つけている側面がある」と述ベ、米国を中心とする中東地域での多国籍軍の展開に批判的な見解を明らかにした。

さらに国王は、国連を中心とした国際的な和平努力に加え「アラブによる解決に希望を捨てていない」と述べ、アラブ諸国間による解決努力を続ける考えを強調した。

中山外相がクウェート、イラクに残された日本人を含む外国人の救出、保護について協力を要請したのに対し、国王は「その問題については承知しており、留意したい」と述べた。外相の日本としての経済協力申し出に対し、国王は「われわれの困難に強い関心を持っている友好国に感謝したい」と語った。

このほか国王は、今回のイラクの侵攻について「7月末にイラクに出掛けた時は“攻撃の意図はない”と聞かされていた」と、イラクの侵攻は予想外の出来事、との認識を示すとともに、先のブッシュ米大統領との会談の目的について「エスカレーションを正めることにあり、能力の限りを履くして潜在的な危険を抑止したいとのことだった」と説明した。

国王は海部首相の10月上旬の訪問に歓迎の意向を表明した。《共同通信》




8月21日のできごと