平成571日目

平成2年8月1日(水)

1990/08/01

【海部俊樹首相】「政局の秋」にらみ意気軒高?

群馬県・嬬恋村で夏休み中の海部首相は1日、近くの本白根山で山歩きを楽しんだ。登山口から約6.7キロの道すがら、高山植物に目を楽しませながら3時間かけて頂上に到達すると「最高地点だ、頂上だ、サミットだよ」と大変なはしゃぎよう。

息切れしている同行の秘書官らを見て「万歩計で測ったら4500歩だから皇居一周より短い。オレはまだ息が切れておらんぞ」と意気軒高。選挙制度改革、消費税見直し問題が本番を迎える「政局の秋」を迎えつつ、政界の頂上に居座る意欲をみなぎらせていた。《共同通信》




【女子高生リンチ殺人事件】地検、「量刑軽すぎ」と控訴

東京都足立区内の非行少年グループが女子高生=当時(17)=を監禁した上リンチを加えて殺害し、遺体をドラム缶にコンクリート詰めにし捨てた事件の一審判決に対し、東京地検は1日、「量刑が軽過ぎ是非を求める必要がある」として、殺人、死体遺棄の罪に問われた無職A(20)=犯行当時少年=ら4被告全員について、東京高裁に控訴した。

検察側は控訴理由の詳しい説明は避けているが、少年であることを配慮してできるだけ軽い求刑をしたのにもかかわらず、裁判所が家庭環境など情状を酌量してさらに一ランク下げた“温情判決”を下したと判断、量刑不当だとして控訴したとみられる。《共同通信》

【自民党・小沢一郎幹事長】「通商代表部」日本にも

自民党の小沢幹事長は1日夕、民放テレビ録画撮りの中で、コメの市場開放問題に関連して日本の通商交渉が「各省(の縦)割り」になっている問題点を指摘し「官邸機能を充実し、米国のUSTR(米通商代表部)のような通商関係のきちんとした政府機関をつくって、きちんとした人が(交渉に)当たる形に改革しないといけない」と首相直属の対外交渉機関設置の必要性を訴えた。

コメ問題に関して小沢氏は①総選挙で輸入自由化はしないと公約した②純農村地域では、地域社会の心理的影響が非常に大きいーとして、自給方針の堅持を重ねて強調。自由化を本格的に検討するためには「みんなの気持ちがこなれてくることが必要」とし、現状では時期尚早との認識を示した。

同時に「(コメが)神聖不可侵の理屈は成り立たないと思う。いろんな議論はしていい」と自由化論議そのものは否定しない考えを明らかにした。

消費税問題では「(臨時)国会は10月しか開けない。そのためには(税制問題両院合同協議会での成案を)9月にまとめねばならない」と九月決着を重ねて表明。その上で「問題は社会党が本気でやるかどうかだ」と述べ、同党が9月決着に応じるかどうかは「五分五分」との見通しを示した。《共同通信》

【中部欧州五カ国首脳会議】閉幕

ドイツ統一など欧州再編を踏まえ、イタリア、オーストリア、チェコスロバキア、ハンガリー、ユーゴスラビアの中部欧州五カ国の地域経済協力体制を始動させる五カ国首脳会議が1日、イタリア北部ベネチアのサンジョルジュ島で開かれ、共同宣言を採択して閉幕した。

閉会後記者会見した主催国イタリアのマルテッリ副首相は、中欧五カ国経済協力会議は、欧州情勢の激変に対応した創造的な協力機関であると強調した。東西欧州を横断する本格的な経済協力機構が設置されたのはこれが初めて。次回首脳会議は来年、ユーゴスラビア南部ドブロブニクで開く。

イタリアのアンドレオッチ首相はこの日、重要法案の審議日程で出席できず、マルテッリ副首相(社会党)が議長役を務めた。

首脳会議が採択した政治文書によると、通称「ペンタゴナル・イニシアチブ」(五角形計画)と呼ばれる中央五力国協力会議は、現実的かつ入念に地域経済協力を進め、固定した制度的な機構とはならず、欧州共同体(EC)および全欧安保協力会議(CSCE)などの欧州機関と積極的に協力する意向を明らかにしている。

しかしブルガリア、ルーマニア、ハンガリーが主張するポーランドの参加などは見送られ、当分この五カ国だけで運営される方針だ。具体的な経済プロジェクトとしては、北イタリアのトリエステからユーゴ北部のリューブリャナを経由ハンガリーのブダペストをつなぐルートおよびウィーンからベオグラードを結ぶルートでの高速道路、鉄道建設、拡充が最大の目玉となっている。

しかし財政支出、プロジェクトの優先順位、将来のドイツ統一への評価など、参加五カ国の足並みは完全にそろったとはいえず、経済協力体制が軌道に乗るにはまだかなりの曲折がありそうだ。




8月1日のできごと