平成563日目

平成2年7月24日(火)

1990/07/24

【北朝鮮】金丸氏を9月に招請

社会党の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)共和国訪問代表団(団長・久保副委員長)は24日、帰国の途中、北京空港で記者会見し、朝鮮労働党の金容淳書記(国際担当)らとの協議で、北朝鮮側が日本政府の対朝関係改善姿勢を評価し、9月に金元総理を団長とする自民党代表団と社会党代表団(田辺副委員長)を招請する方針を明らかにしたと発表した。

両代表団とは、日朝関係の最大の懸案となっている第18富士山丸問題も話し合う方針で、久保副委員長は「日朝両国関係の扉が開かれようとしている」と述べたが、北朝鮮が金丸氏の訪問を受諾したことで第18富士山丸問題は解決に向け大きく前進する見通しになった。

金書記は、北朝鮮側の「意見表明」の形で、「最近、日本政府が遅まきながら朝日関係改善を提起していることを肯定的的にみている」と述べた。海部首相が6月15日の衆院外務委で北朝鮮への植民地支配に対する謝罪の意向を示したことを評価したとみられる。

関係改善の具体的条件として金書記は、日本側に①植民地支配に対する謝罪と賠償②経済協力と人的注来③通信衛星利用、直行便航路開設、北朝鮮を渡航除外地域に指定している旅券の問題の解決―の三条件を示した。

そして、日朝関係改善を社会、自民両党と協議したいとして金丸氏らの招請の意向を明らかにするとともに、社会党の招きに応じ今秋、朝鮮労働党代表団を派遣する方針も示した。

また、2乗組員が抑留されている第18富士山丸問題については「(金丸氏訪朝時の)全般的な朝日関係問題協議とその進展の中で人道主義的に論議できる。解決の出口を捜す論議と考えてよい」と語り、事態打開への姿勢を強く示唆した。《共同通信》




【阪大倫理委員会】心臓移植を初承認

大阪大医学部の医学倫理委員会は24日、第一外科などから申請の出ていた脳死段階での心臓、肝臓、腎臓の移植について、委員の投票による採決を行った。この結果、規定の3分の2以上の賛成が得られ、移植を承認、審議を終了した。

倫理委は26日の医学部教授会に諮った上で、来月初旬にも申請者に承認を正式に通知、倫理委見解を公表する。

これにより、肝臓では東大医科学研究所に続いて2番目、心臓では国内初のゴーサインが出されることになり、1968年の札幌医大の手術から22年間途絶えていた心臓移植に再開の道が開かれる。《共同通信》

【プロ野球オールスター第1戦】全セ0−7全パ

プロ野球オールスターゲーム第1戦の全セントラルー全パシフィックは24日、横浜球場で行われ、全パが投打に圧倒して7−0で勝った。通算成績は全パの61勝43敗4分け。

両軍無得点で進んだ四回、全パは無死一塁でブライアント外野手(近鉄)が二番手の斎藤雅樹投手(巨人)から左中間へ先制ホーマー。さらに清原和博内野手(西武)以下の4連打で斎藤投手をKOし、3点を追加した。五回には清原内野手の本塁打でリードを広げ、前半で勝負を決めた。

全セは6安打に抑えられ、阿波野、野茂(ともに近鉄)ら全パの6投手に完封を許した。

最優秀選手にはブライアント外野手が、近鉄勢では1983年第2戦の梨田捕手以来7年ぶりに選ばれた。《共同通信》

【ASEAN外相会議】米の新政策をけん制

東南アジア諸国連合(ASEAN)の定期外相会議が24日の閉幕を前にカンボジア問題に関する共同声明を発表し、従来のASEANの立場を堅持することを確認するとともに、ポル・ポト派抜きの解決を目指す米国のカンボジア新政策に事実上、くぎを刺した。

ASEANはこれまで米国と域内問題で歩調を合わせ、カンボジア問題でも「国連主導下での四派の合意に基づく包括的政治解決」の基本原則で一致していただけに、米国の唐突な政策変更に対し、ほとんどのASEAN加盟国は当惑を隠していない。

共同声明は米国がASEAN最大の友好国であることを配慮し、新政策への直接的批判を避けながらも、カンボジアの全当事者が参加する最高民族評議会(SNC)の速やかな設置を要求することで、ポト派抜きの部分的解決に反対の態度を示した。また米国が再検討を表明した、国民政府(シアヌーク大統領)の持つ国連代表権に関して「SNCが設立されていないのに代表権を変更することは包括的解決にとって後退になる」と強調、米政策とは一線を画すことを明らかにした。

ASEANが米国に同調しなかった背景には、三派勢力中、最強の軍事力を持つポト派抜きでは真の解決にはならないとの認識とともに、ジャカルタ非公式協議を開催するなどカンボジア問題に長年取り組んできた実績と自負心がある。《共同通信》

【海部俊樹首相】自民党・小沢幹事長と会談

海部首相は24日午後、官邸で自民党の小沢幹事長と会談し、懸案となっている中国への第三次円借款(1990~95年、8100億円)凍結解除を伝える特使派遣問題について協議した。

この結果、円借款供与を約束した当時の竹下元首相を首相特使として派遣することで大筋合意し、今後さらに党内調整を進めたうえで正式に竹下氏に要請する方針を確認した。この後、首相と幹事長がそれぞれ、山梨県・河口湖の別荘で静養中の竹下氏に電話し、特使要請の意向を伝えた。

中国への特使派遣問題では、当初から竹下氏の特使案が浮上していたが、小沢氏が「海部首相自身の訪中を示唆する一方、竹下氏との不仲説が伝えられる竹下派会長の金丸元副総理も近く訪中する計画があるなど海部政権を支える党内最大派閥の竹下派内の事情も反映し、選考が混迷してきた経緯もある。このため首相は小沢氏を通じて改めて金丸氏の意向をただしたうえで正式決定する意向だ。

首相は竹下氏への電話で「(正式決定までに)もう少し時間を頂きたい」と述べ、金丸氏らとも調整の上、正式要請する考えを示した。竹下氏は「首相特使にこだわらない。個人の資格でよい」と述べた。《共同通信》




7月24日のできごと