平成524日目
1990/06/15
この日のできごと(何の日)
【中山太郎外相】米・ベーカー国務長官と会談
中山外相とベーカー国務長官による日米外相会談が15日午前11時半(日本時間16日午前3時半)から、米サンフランシスコ市内のホテルで約3時間にわたって行われた。
この中でベーカー長官は、焦点の日米構造協議について「4月の中間報告だけで終わったのでは成功したとは言えないし、それでは米国内ももたない」と強調。日本の公共投資を国民総生産(GNP)比で5年後に9%、10年後に10%とすることを最終報告に示し、最終報告の実施状況をフォローアップ(事後点検)する監視機関設置などを求めた従来の米要求の実現を重ねて日本側に迫った。
ベーカー長官と中山外相は①7月の先進国首脳会議(ヒューストン・サミット)前に、構造協議最終報告をまとめる②実施状況のフォローアップは重要―との認識で一致した。またベーカー長官は日本の経常収支の黒字有用論に対し「大きな政治問題になりかねない。経済的にもおかしい」と批判したのに対し、中山外相は「黒字有用論にくみすることなく貿易不均衡是正に努力する」と、国内の一部にある黒字有用論を撤回した。
今月25、26日の最終報告取りまとめのため開く会合を前に、ベーカー長官が対日強硬姿勢を改めて示したことで、政府は一段と厳しい対応を迫られよう。
第三次円借款の凍結解除が懸案となっている対中政策については、外相が「円借款再開のための環境が整うよう期待している」と述べたのに対し、長官はサミットと、それに先立って開催される日米首脳会談で論議すべきだ、と慎重な姿勢を示した。《共同通信》
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【miwaさん】誕生日
【南沢奈央さん】誕生日
【京大病院】国内2例目の生体肝移植手術
京大医学部第二外科(小沢和恵教授)の肝臓移植チームは15日午前9時半すぎ、大阪府内に住む重症の胆道閉鎖症のA君(9)=小学4年生=に父親(37)の肝臓の一部を移植する生体部分肝移植手術を実施した。予想以上の長時間手術となり、15日午後11時39分、執刀から約13時間半ぶりに終了した。父子の状態は良好。
A君の腸の癒着などのため予想以上の長時間手術となったが、午後6時半すぎには父親の手術が終了。引き続き行われたA君への移植は順調に進んだ。《共同通信》
【海部俊樹首相】日朝関係打開に期待
海部首相は15日の衆院外務委員会で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との関係の在り方について「北朝鮮との関係を真に安定的で良好なものにしたいという強い願いをもっている。今後、政府間の率直な対話ができることを期待している」と日朝関係打開に積極的に取り組む考えを表明した。
そのうえで首相は、日本の植民地統治による「不幸な過去」について「私は過去の日本の行為が朝鮮半島の人に損害を与えたことへの反省を率直に述べており、(北朝鮮と)話し合いができる段階になればそのままお伝えしたい」と述べ、関係正常化の際に北朝鮮に対しても謝罪する用意のあることを明らかにした。《共同通信》
【佐藤守良国土庁長官】国会移転に強い期待
東京一極集中の是正策として、与野党国会議員の間で国会を地方に移転する動きが出ているが、佐藤国土庁長官は15日の閣議後の記者会見で「今国会中か次の臨時国会で国会移転の決議が出される可能性が高い。東京を現状のままで放置すれば、一極集中はますます激しくなるばかり。それを打破するためには国会や国が地方移転に範を示せば、民間の対応も違ってくる」と国会移転に強い期待を見せた。
佐藤長官は、移転先や時期については今後の検討課題としながらも、国会決議がなされた後、国会内に移転の小委員会を設置して推進すべきだとの考えを示した。
さらに同長官は「東京を現状のままで放置すれば一極集一中はますます激しくなる。国会移転は遷都問題の中心で、決議されれば地価の抑制効果も大きい」との見解を述べた。国会の首都機能移転問題については、超党派の国会議員でつくっている新首都問題想談会(会長・金丸信元副総理)を中心に、今国会中の国会決議に向けて与野党で折衝をしている。《共同通信》
【山下徳夫衆院議運委員長】国会移転決議「慎重に」
山下衆院議運委員長は15日午前、国会内で記者会見し、超党派の国会議員でつくる新首都問題懇談会(会長・金丸元副総理)などを中心に浮上している国会移転の国会決議について「国会決議となれば国民の意思の話だから、閣議決定より重要ともいえる。慎重に考えなければならない」と述べた。
国会決議は各党の合意が前提となるが、各党内でも首都機能の移転については意見が割れていることを踏まえ、慎重に取り扱うべきだとの考えを示したものとみられる。山下氏は自民党などから国会決議に関する打診についても「今のところ話はない」と否定した。《共同通信》
【社会党】国会移転「慎重な議論必要」
社会党の大出国対委員長は十五日の国対委で、国会移転を促す国会決議について自民党から打診があったことを報告、対応を協議した。その結果「首相官邸や議員会館の建て替え計画も進んでおり、唐突だ。慎重な議論が必要」として、今国会中の決議には消極的な意見が大勢を占めた。
また公明党の坂井国対委員長は記者会見で、この問題について「反対というものでなく方向としてはいいだろう。だが事柄が大きいので党内で十分協議する」と前向きな姿勢を示した。共産党の寺前国対委員長は「衆院土地特別委などでの総合的検討が必要」として慎重姿勢を示し、神田民社党国対委員長は「賛成だ。国対委でも特に反対はなかった」と述べた。《共同通信》