平成516日目
1990/06/07
この日のできごと(何の日)
【平成2年度予算】両院協議会を経て成立
総額66兆2368億円の平成2年度予算は7日、参院予算委、同本会議で野党の反対多数で否決された後、両院協議会の手続きを経て憲法の衆院議決優位の規定に基づき政府原案通り成立した。予算が両院協議会を経て成立するのは、今国会での平成元年度補正予算、平成2年度暫定予算、同補正予算に続き2回目、本予算としては現憲法施行後初めて。
昨年の参院選での与野党逆転を受け、衆参ねじれ現象下で初めての予算審議となった今国会を象徴する予算の成立経過をたどった。予算の成立が6月以降にずれ込んだのは昭和30年度以来、35年ぶりのことで、予算の成立時期としては現憲法施行後4番目に遅い成立となった。
参院予算委は7日昼、平成2年度予算案に対する総括質問を終え、討論、採決の結果、税金党を除く野党の反対多数で否決、引きき開かれた参院本会議でも記名投票で否決。これを受けて予算案をめぐる今国会4度目の両院協議会が開かれたが、意見が一致せず、同日夕の衆院本会議で桜内議長が「両院協議会で成案が得られないため憲法60条2項により衆院の議決(可決)を国会の議決とする」と宣告、自然成立(9日午前0時)を待たずに成立した。
平成2年度予算は一般会計総額66兆2368億円、前年度当初予算比9.6%増と昭和56年度以来9年ぶりの高い伸びとなっているのが大きな特徴。
歳出面では、政府開発援助(ODA)8175億円(前年度当初比8.2%増)、防衛費4兆1593億円(同6.1%増)、社会保障費11兆6140億円(同6.6%増)が高い伸び率を示している。
一方、歳入では①15年ぶりに赤字国債の発行をゼロとし、財政再建目標を達成②停止していた国債整理基金特別会計への定率繰り入れを9年ぶりに再開―など財政体質の改善が一段と進んだ内容。
総選挙による予算審議入りの遅れで50日間の大幅暫定予算が組まれたが、暫定予算期間中の本予算成立が見込めなくなったため、さらに19日間の暫定補正予算の措置が取られた。暫定補正予算は昭和30年度以来35年ぶり。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【社民主義研究会】発起人会
土井社会党委員長が西欧の社会民主主義政党の運動や理論を研究するため設置を呼び掛けてきた「社会民主主義研究会」(仮称)の代表発起人会が7日午後、都内で開かれた。
会合には土井氏のほか、江田社民連代表、松前重義東海大総長らが出席。「日本の政治にとって政権交代可能な条件をつくることが民主主義にとって大事だ。野党が政権を取れる勉強をしたい」との土井氏の考えを了承。今後、政界や財界、学者、ジャーナリストにも参加を呼び掛け、7月中旬に50人程度で発起人会を開くことを確認した。《共同通信》
【林田悠紀夫参院予算委員長】深谷郵政相に猛省促す
林田参院予算委員長は7日午前、同予算委の締めくくり総括質問の後、深谷郵政相に対するリクルート社からの政治献金問題に関し「いまだ十分な説明、資料提出も行われておらず、深谷君の態度は誠に遺憾である。われわれは同君および内閣に対し猛省を促す」と異例の委員長見解を発表した。
これに対し深谷郵政相は「真摯に受け止めたい。政治倫理綱領にのっとろ一層誠実に政治活動にかかわりたい」と述べた。また海部首相も「政治倫理の確立に務めるとともに不退転の決意で政治改革を断行したい」との考えを示した。《共同通信》
【政界メモ】
○…海部首相は7日朝、投票日が目前に迫った参院福岡補選をめぐり「自民候補やや劣勢」との世論調査結果を伝えるマスコミ報道について「新聞にはそう出ているけど、間違ってることもあるよ。茨城補選の時もそうだったんじゃないかな」と、ニヤリと笑う余裕を見せた。
ところが、参院予算委での予算案否決後、補選について再度質問する記者団に「ちょっと待ってくれ。返事する気持ちじゃない。否決されたんだから。あんたも人間だろ、分かってよ」と、ぶ然とした表情に。一院とはいえ本予算案否決は前例がないだけに、与野党逆転の恨みをつい記者団にぶつけた格好。
〇…社会党の清水国対副委員長は記者会見で、参院での平成2年度予算案否決後の段取りを説明しながら「本予算が一院で否決されるのは初めて。本来ならドラマチックな出来事でなければいけないのだが、否決後は両院協議会が開かれて…」と、どこかしら浮かない口調。
参院での与野党逆転後、しばらくは新鮮だった両院協も、今国会で5度目の開催とあって、ややマンネリムード。社会党の柔軟路線で国会審議も順調だけに、力を持て余し気味の清水氏は「なぜ否決するのか本格的な論戦を堂々と展開する」と両院協の活性化を訴えてうさ晴らし。《共同通信》